『お狐様の異類婚姻譚 元旦那様が恋を知り始めるところです』(糸森環/一迅社文庫アイリス)

一迅社文庫アイリス

鞭展開度:★★★★★
お狐様への恋狂い度:★★★☆☆
お狐様の恋狂い度:★★★★★

【あらすじ】
もののけたちの世界で薬屋を営む雪緒の元旦那様は、八尾の狐・白月。
彼のことが信用できないでいたが、ついに復縁することを決意!
――したのに、雪緒が鬼の青年に執着されたことを理由に周囲に反対されてしまう。
そんな中、里で呪が原因と思われる奇妙な病が流行りはじめて……。
え? これは鬼の呪で、原因は私!?
仕方なく里を出ることにしたら、かわいいモフモフがお供についてきました!?
大人気★お狐様との異類婚姻ラブ第4弾!

かなり衝撃を受けた巻でありつつ細かいところは忘れていたので読み返しておりました( ̄▽ ̄;)

うーん細部も知れば知るほど肌がザワザワするような恐ろしいことばかり……でもそこが面白い!!!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

糸森環作品は4巻からが本番だと勝手に思っているのですがお狐様も例に漏れずあっここからだなって感じのアクセル踏んできた感がたまらない。これだから糸森環作品はやめられないぜ!!!

以前読んでいるのでサクッと感想になるかもしれないしならないかもしれない。←

 

以下ネタバレあり(現在刊行されている5巻『元旦那様は恋狂うところです』までのネタバレも含みます)↓

 

 

 

 

4巻といえば白月様に恐怖が止まらなかったし5巻は度重なるタイムリープに精神ゴリッゴリに削られてたから忘れてたけど前巻で宵丸お前も怖かったんだった(頭抱え)。

そうだ……宵丸さんもぞわりとする恐怖を雪緒と読者である我々に残していったんだった……とのっけから遠い目になりながら読んでおりました。

しかし初っ端の宵丸がかわいい……(笑) ……いやあのホント糸森環先生……オレ達を甘やかしたいのか突き落としたいのかどっちなんだい……?_:(´ཀ`」 ∠): 飴と鞭がホント絶妙過ぎるのよ。

 

ほいで凪先生の描いた楓さんにめっちゃテンション上がってたー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

コミカライズでキャラデザは知ってたものの(それもありがたや(。-_-。))原作ではこれが初。しかも言動もめちゃくちゃカッコ良くない……?

雪緒お前ホンマに白月が好きか??? と思いつつ誰もこのカッコ良さには抗えない。分かる。分かりますとも。

雪緒ちゃん糸森環作品では知夏の次にミーハーなのでは……?www

 

まぁその楓さんは白月様が化けていたワケなんですけれども(笑)。

この巻の白月は相当キテいましたねーwww 「これは少女小説か?(真顔)」となるくらい(※少女小説)甘いの何の!!!

あと少女小説のヒーロー特有の痛々しさもゲフンゲフン。子狐に化けて雪緒に撫でてもらっているのはさすがの私も生ぬるい目になりました( ̄▽ ̄)

こりゃあ確かに恋を知り始めている……!!!

 

しかしぶっちゃけあまりにも白月以外がイケメン過ぎないかい?(真顔)

私はやっぱり由良さんがヤバかったです……_:(´ཀ`」 ∠):

「惚れてるんなら惚れさせろ、むしろ攫ってくれと相手に乞われるようなやつになってから出直してこい‼」

……誰か!!!! 誰か由良さんルートを私にください!!!!!(※作者しか無理なやつ)

「まずは、足掻けよ。強いやつが、なんとしてでも助けてやろうと心奪われるくらい、足掻け。それが強さの一歩目だろ」

宵丸さんのこのセリフもズドンときたーーーーーッ!!!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

何でこう、糸森先生はセリフまでも強烈に魅力的に描けるかなぁ……!!!(もだもだしながら)

 

その一方で怪異が巻き起こる事件の描写もさすが過ぎる。

てっきり前巻での当て馬かと思っていた(※ごめん)三雲の影響があまりにも大きかったり。

事件の不気味さ、気持ち悪さが一段と本領発揮していたり。

雪緒に何もかもを押しつけようという、梅嵐ヶ里の長の子らの醜悪さであったり。

糸森先生、アクセル踏み込んだなぁ……といちファンとしてはニヤニヤ( ̄▽ ̄)

しかしまさか紅椿ヶ里を襲った呪いの犯人が由良さんだなんて誰が思おうか。

 

しかしそうした大きな事件がある一方でより気にかかるのは雪緒の中に生じる小さな変化。

前の巻までは自分の本当の名前の候補をいくつか出せていたのにいつの間にか出せなくなっている。

水に沈んだのが自分の里かもしれないと思った時の地の文。「私から、二度も故郷を奪うな」

井蕗さんが昇天するのだと悟るつぶやき。

 

そうしたちょっとした描写を忘れてはいけないのが『お狐様』なんだよなぁ……!!!

糸森環作品全般がそうなのかもしれないけどこの『お狐様』はそれがより顕著な気がする。……いや『ヴィクトール』もか(ボソリ)。

マジで1巻から何度も読み返した方がいい気がする。今回読み返してよかった。……このブログ自体が私の備忘録となる……!!!

「私から二度も故郷を奪うな」については雪緒の”影”の人格が混ざってるんだろーか。。。雪緒はどうも普段の”自分”からふとした時に乖離してしまう印象。あと猫飼ってたんだね。

 

にしてもここで雪緒の恋心をここまで揺さぶりますかねぇ……!!!(笑)

白月に本当の意味で恋をしているのではなく人の身で生きていくにはあまりにも厳しい世界に1人で生きなくちゃいけないことからの逃避かもしれないとか。

でも確かに雪緒の恋心はちょっと怪しいと思ってたんだよなぁ~~~~~。……後付けじゃないもん、この巻発売される前にツイートしたもん‼‼(※必死)

とはいえここまでのことを予想できていたワケでは全然なく、妙にこの主人公は恋を強調されてるなぁとうっすら思っていた程度のもの。あと糸森環作品の主人公は恋の道があまりにも茨の道、獣道すらもやさしく思えるほどの酷な道のりばかりなので、雪緒もそうなんだろうなぁという感じ。

……すごいなぁ、ここで今まで必死に抱えてきた恋心に疑念を持たせるの(笑)。

 

まぁその恋心については次の巻でひとまず雪緒の中で答えが出てるので置いておくことにして。

……こ、これがお狐様の恋かぁ……!!!(汗)

人の道理を圧倒的に超えている。いやまるで別物と言っても過言ではなく。

「――手首を落とせ、雪緒」一体どれだけこちらの予想を飛び越えてくるのか。

……マジで読み終えた後に表紙イラスト見てひえぇってなった……_:(´ཀ`」 ∠): て、手首は……手首はダメぇ……(泣)

 

この鞭展開に拍車をかけるのがまさかの三雲の存在。

……今回読み返していて気付いたんだけど、書籍で見るとあの”指切りげんまん”の挿絵だけ右側にあるんだよね……。普段は全部左側、今巻でも他は全部左側。

いやもちろんたまたまの可能性もあるんだけどね💦 確かに挿絵入れるならそこになるんだろうし。……ただ表紙の件といいこの右側問題といい(右側問題て)もうイラストにも仕込み始めてるとしか思えなくなってくるぞ『お狐様』よ……_:(´ཀ`」 ∠):

 

三雲が更なる脅威となるのかと思いきや、雪緒の為に心から胸を痛めて、せっかくの印を消してしまうのがまた何とも……。

何だかそんな話(?)があったような気が。子どもを両側から引っ張って、より子どもを愛している方が痛がっている子どもに気付いて手を離してやれる、とか何とか。

ここで雪緒が三雲に惹かれるっていうのが本当に容赦がない。

 

でもこのシーンでの三雲には本当に心惹かれずにはいられないし、それに対する白月の心をかき乱される感じにもグッとこずにはいられない。

本当に、どうして糸森先生ってこんなに人外の、異なる世に生きる者達の気持ちを描けるのかなぁ……。いくつもの異世を渡って来ているんじゃないかってたまに本気で思ってしまう(笑)。

白月に本気で恐怖したし、三雲に心が傾かずにはいられなかったのに、その後の白月と烏那の語らいで思いがけない心が分かってさらに揺さぶられてしまう。

 

烏那もただのイケメンオネェなんかじゃなかったのには本当にビックリ。ただのギャグ担当じゃなかt(以下略

「俺だって許さないわ。当然、手首を落とすわよ」 ……あぁ、この人も人ではないのだと。

根本から異なる、それも人にとっては恐怖である方にとことん傾く怪達の、でも彼らにとって人の移ろいがどれだけ恐ろしいかも分かってしまった。

奪えなくなってしまった白月にとっても、この展開はあまりにも酷過ぎた。

 

果たしてそんな雪緒の料理の味はどう変わってしまったのかで私は「味がない」と予想していたんだけど、さてどうなるか(笑)。……うん、知ってんだけどね!!!!www ここまでネタバレしといてアレですがここは敢えて伏せておこうかね( ̄▽ ̄)

どうせ次の感想見れば分かるし(ボソリ)。

 

せっかく前半、今までにない甘さにニヤニヤしてたんだけどなぁ……(笑)。それすらも最後の鞭展開への布石だったのがあまりにもさすが過ぎる。

……というか、何なら前巻すらも布石だったってことだよな。雪緒に化けて自分を騙した白月に対して、白月に化けて雪緒に印を刻んだ三雲。鬼を侮っちゃいけなかった。

飴と鞭、本当に恐れ入る。

 

個人的に今思ってることとしては、雪緒は最終的に人でなくなるんじゃないかっていうのと、雪緒の初めてのキスの相手は三雲あたりになるんじゃ……的なアレです。根拠はないです。それぐらいの心積もりで身構えようねと自分を励ましている感じです。

 

今回は雪緒達が白桜ヶ里に行って、そこから更に初お目見えの梅嵐ヶ里へと舞台が移って。世界が広がって、登場人物がドドッと増えてさらにワクワクしたなぁ!!!

実は格があまりにも違い過ぎた化天、本当は鳥の姿だというのが最高にアガります。あと雪緒を「子兎」呼びしてるのには何か意味があるんじゃないかと身構えてしまう。今回は助かったけど。

井蕗さんは見た目がどストライク好み過ぎて……また登場してほしいなハァハァ……_:(´ཀ`」 ∠): 糸森環作品に出てくる主人公に尽くす美人キャラからしか得られない栄養がある(`・ω・´)

烏那は面白くて気のいい怪じゃなかった。愛する人の魂を喰って肉体に入った、恐ろしい面も持っていて。でもどうか雪緒を助ける側であってほしい。

 

来月にはお狐様のコミカライズの4巻が出るし(何と原作2巻の内容突入!)、原作6巻も発売されるし。……はー、どっちもめちゃくちゃ楽しみ!!!

ちなみに6巻はサブタイトルにぐふふってなりました(。-_-。) ……もうそれだけで浮かれるほど能天気ではいられなくなっているけど……( ̄▽ ̄;)

新たなる鞭展開、楽しみだーっ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 

余談。
藤間が結構気に入ったんだけど、お前デカイな(※雪緒の胸あたり)。

 

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