鞭展開度:★★★★☆
共感度:★★★★★
異世界魅力度:★★★★☆
【あらすじ】
異世界に転生した八重は、化け物に襲われ、かつて神だったという金虎・亜雷を解き放つ。俺様な彼に振り回され弟捜しを手伝うが、見つけた弟・栖伊は異形と化す病に冒されており、なぜか八重が治療するはめに……!?
サクッと感想シリーズ第3弾であります( ̄▽ ̄) コレ出たのもう1年以上前なんだ……⁉︎⁉︎∑(゚Д゚)
未だ2巻が出てはいないものの、コミカライズはされているし糸森先生がこの文庫で新作を出してもいないので2巻がいつか出ると……信じて……!!!(>_<)
主人公の八重がすごく人間くさくて深く共感された方多いんじゃないでしょうか。
2巻発売祈願も兼ねて感想書かせてもらいます。
(※書き終えた感想:全然サクッとしてねぇ(真顔))
以下ネタバレあり↓
異世界転生モノには今んところ興味のない私なのですが(そういう主人公はチートなのかなって思うとなかなか手が伸びなくて( ̄▽ ̄;))、あの糸森環先生の作品ということで一も二もなく手を出しました(`・ω・´)
当時はコロナ真っ最中でポチった『かくりよ神獣紀』が全然届かなくて半泣きだったなぁ……(遠い目)。宅配業者さんもめちゃくちゃ大変だったんだろうなぁと思いつつ。
何というか糸森環作品って、基本「主人公を無一文で右も左も分からない危険世界に蹴り飛ばす」系小説だと思っていて。
……うん、改めて書いてみるとほんとヒドイな私の認識( ̄▽ ̄;) でもやはりというか異世界転生した八重は前世の記憶がある故にしなくていい苦労をするし前世の知識が役には立つけれどもそれで何もかもが解決するなんてことは決してないワケで。
……いやぁ、もう……私としては垂涎モノの展開ですねウヘヘ。←
何なら糸森環大先生の鞭展開にだいぶしごかれたせいでかくりよはそんなに鞭展開じゃないよな〜とか思いかけたんだけど、
何となく周囲の人らと距離があり死ぬかもしれないお仕事を嫌と言えず引き受けてしまいよそに嫁に出されてその途中で化け物に襲われ見捨てられるのは鞭以外の何者でもなかった(真顔)。
何でまだマシな方だと思った私。冷静になれ私。鞭展開小説と鞭展開乙女ゲームで感覚バカになっている。
あからさまに忌避されるのもキツイけれど、八重の場合は花耆部の人らとぎこちなく愛想笑いをする関係というか。
……何か……、それはそれでリアルな嫌さがあるよなぁ……( ̄▽ ̄;)
前世の記憶もある八重がそのあたりをぐるぐる考えてズルズル引きずってしまう気持ちは分かるような。
しかも前世の記憶がいつまでもあって子どもっぽくなれなくてちょっと不気味がられるとか、前世の知識があるのもあってちょっと都合良く使われてしまう感じとか。
……うん、このあたりあからさまに辛いというよりか、何もなく嫌〜な感じというか。誰しも経験したことがあるんじゃないかなぁ。
今までの糸森環作品だと、もっとすごく嫌な『差別』だとか『拒絶』だとか『値踏みされている』といったハッキリした“鞭”があったんだけど。
今作はそういう、何だか向こうの事情も理解できてしまうし、こっちが被害者ぶるのもなぁ……みたいな。嫌だと泣き喚くのもなぁみたいな、すごく吐き出し辛いもの。
そのあたり新鮮に読んでおりました。今までは主人公が言語にならない叫びを発してもおかしくない状況だったので。ホントどこまでも広がっていくな糸森環ワールド🤔
しかし無論叫びたくなる展開も待ち構えているのがさっすが糸森環先生(`・ω・´)
「無性だ! 捨て置け!」
……ほんとコレだよこの野郎💢💢💢💢💢(親指を立てながら)
今どういう具合に最悪かを的確に文字で表すのが相変わらずさすが過ぎる。置き去りにされただけでなく、囮にされたのだと。
朧者に食われるのだという時になって吹き出す本音がまた人間くさいですよね。同時に、何だか自分の心に巣食っている見て見ぬふりをしてきた気持ちを、頭ガッて掴まれて無理矢理見せられているような。
好意が他者より劣るのが耐えられなくて、寛容を装ったこと。
本当はきちんと愛されたくて、愛したくて、その先で幸せになりたい。
……コレが刺さらない人なんています?(笑)
ただもう糸森環作品のラブが好きな身としてはこの心の声がたまんなかったです。
(ああもう! 荒魂性の男とは一生結婚するものか‼︎)
……本当かなぁ〜?(にんまり)
斯くして出会うことになる荒魂性の男が亜雷。
……いや〜、いいですねぇオレ様系!www 私は口の悪い男が大好きなので糸森環作品のメインヒーローで見れて万々歳なのであります(。-_-。) 他作品だと『お狐様の異類婚姻譚』の由良さんですかね(`・ω・´)
「俺は亜雷。殺したいほど不服だが、おまえのものだ」
糸森環節キターーーーー!!!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
このとびきり物騒でとびきり甘いのがもうたまらんのです✨ ……しかしスゴイですね、殺人未遂の直後にコレとは……( ̄▽ ̄;)
弟の栖伊もまたいいですよねぇ(。-_-。) 優男と見せかけてのやはり過激派。「腸見せろ」はたまりません👍←
そんな奇妙な3人でのコーラ缶(だよね?www)ハウスでの生活がまたいいですよねぇ(笑)。
私はめっちゃドライフルーツ食いたくなりました(`・ω・´) 梨とか食べたことないぞ……!?!?
そしてそしてのそのまま忘れさせてはくれない美治部の存在。
……スゴイですよね、あんなヒドイ見捨て方をしておきながら八重が必要と分かった途端来いと要求してくるあの図々しさ。めちゃくちゃ人間っぽい。
この野郎って腹立たしさもあるんだけど、実際自分含めて人間ってそういう手の平大回転をやりかねない種族なので……( ̄▽ ̄;)
それに対して跳ね除けられない八重がまた人間だものって感じ。……日本人的と言った方がいいのかなぁ? 分かんないけど、海外の方って一定数堂々と拒否できる人いる気がする(※なお海外ドラマの知識)。
御白はいい女でしたねー!!!wwww
美人で言いたいことをハッキリと言える気持ちのいい方です。口調のサッパリ感がまた良いですよねぇ( ̄▽ ̄)
と同時に、『嫉妬される』側ではなくて『嫉妬する』側である主人公の八重がよりグッとくるというか。
(私はこの人が好きだ。好きという感情だけでいたかった)
彼女に汚い嫉妬を抱くことは、なおさら自分を苦しめる。
とんでもなく熱烈な(?)言葉を当たり前に口にする亜雷と八重の意外と踏み込めない距離感も印象的だったなぁ。。。
亜雷の無遠慮な発言に結構初っ端から八重は言い返せてる気がしてたけど、お互い分かり合えてないところがある。
「おまえを本心から求めているわけでもない奴らの失望や落胆が、なぜそんなに怖い?」
(それは、たくさんの愛情を注がれてきた者だから簡単に口に出せる言葉だ)
「無意識に後回しにされてきた」という言葉に、またどきっとさせられる。
1度八重を殺そうとした亜雷。実は自分の心は明かさない亜雷。
……何だかもう人外だからというのとは違うような気がするんだよな。違う心を持つ者同士だから当然すれ違う、みたいな。
結局亜雷は言いたいことを言わなかったけれど、「言わない」と言ってくれた。
亜雷と八重の、この本当に少しずつ3歩進んで2歩下がるくらいのペースで進展する距離感がすごくいいよなぁ。。。
……そしてだからこそ続きが読みたいし長編シリーズとなって最後まで見守りたいよ私は!!!!!!(※今日1番言いたかった本音)
これホントにどの出版社さんにも言いたいことなんだけど打ち切りなのか鋭意製作中なのか作者さんがスランプとかで書けなくなってるのか通知した方がいいって……_:(´ཀ`」 ∠):
週刊誌だと打ち切りめっちゃ分かりやすいのになぁ(遠い目)。
公開する情報ってそんなに完璧じゃなきゃいけないのかなぁって思う。不完全でも言ってくれる方がうれしいよ。というイチ素人の考え。
さて、そんなあまりにも未完成な2人の関係。ラストでの語りが先程抜粋したあそことつながるんですよ……!!!/////
待って、この感情はちょっとどうかと思う。お願いだから、あんまり見惚れるような笑みを浮かべないで。本当、まずいのだ。
無性が荒魂性の男に惹かれるなんて、茨の道すぎる。
何だろうなぁ、この文章からにじむモダモダするようなときめきは……!!!/////
これもまた糸森環節と言えるんじゃないでしょーかっ (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
荒魂の男に懲りたばかりだというのに、もう、もう……!!!/////(ときめきが止まらない当ブログ)
糸森環ワールドだからこその厄介な恋模様またしても始動です。
荒魂が惹かれるのは和魂の性。亜雷も「荒魂の男が無性に惹かれるかよ」と割と初対面の段階で言っているくらい。
もう、糸森環先生ったら本当に茨の道を描くのが上手すぎる……!!! (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
これは八重の恋心が砕け散ってから立ち上がる姿が楽しみです(`・ω・´)
……と、何か今回もサクッと感想にするハズが全然サクッとせずずっしり書いた形になりましたが(笑)。
でも本当にこの作品での心理描写が好きなんだからしょーがないっ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
こうやって書いてみると、私本当に人間模様見てるのが好きなんだなぁって思いました。本当は世界観が面白いんだよとか書くつもりだったのに……!!!www
黒太刀あたりジワジワきております(笑)。
多分これからもそういった人間模様中心に書いてくんだろうなぁと思いつつ( ̄▽ ̄)
次は何のサクッと感想上げようかなぁ🤔
……や、今度こそサクッと……!!!www
余談。
コミカライズの八重のかわいげのなさが絶妙だよね(笑)。
