『ようこそ!たんぽぽ書店へ(3)なくなった日記』(市宮早記/ポプラキミノベル)

ポプラキミノベル

鞭展開度:★★★★☆
揺れる恋:★★★★☆
大人も子どもも:★★★★★

【あらすじ】
夏休みが始まった! 菅井家に招待されて、お父さん、おばあちゃんも一緒にバーベキューを楽しむ梨久。ふたごの亜樹と由樹とはすっかり仲良くなり、三人アイスを食べながらしみじみするのだが──。

梨久は、新しくできたクラスの友だち由奈ちゃんたちと買い物に出かける。そこで由奈ちゃんに「夏祭りに亜樹くんと一緒に来てほしい」と頼まれ、二人で行くことに。しかし、そこで別の友だちたちといる由樹を見かけて、少し寂しくなる。

また、お盆を迎え、亜樹がまだ亡くなった母親へのわだかまりを抱えることを知った梨久は、一人で菅美佳子の日記を探しはじめる。ずっと泣かないでいた亜樹の心を、ほどくことはできるのか。梨久の想いが胸を打つ第3巻‼

……改めて見るとあらすじめっちゃたくさん書いてくれててありがたいな(笑)。楽しみに待ってる側としてはよりワクワクできるなと( ̄▽ ̄)

いざ読み始めるとスイスイ進んでしまってここ数日夜更かし気味でしたwww かわいい挿絵がたっぷりありつつ文章もたっぷりで楽しかった!

『たんぽぽ書店』は大人も本気で楽しめる話だなぁと改めて思いました。くわしくは後ほど。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

梨久ちゃんと菅井兄弟がとうとう家族ぐるみで仲良くなっている(真顔)。これは梨久ちゃんのお父さんも覚悟を決める日が近付いている……( ̄▽ ̄)

正直おとなしい系の女の子がたまにボーイッシュな格好するの大好きなので梨久ちゃんにキャップ被せてくれた亜樹君ありがとうございます。←

そして由樹君は何というか……1番青春してる気がするなぁ……www

恋愛だけが青春じゃないのは分かってるんだけど、これはあまりにも青春している( ̄▽ ̄)

……って思ったのはアイスのところでなんだけど、夏祭りで梨久ちゃんに会って目を輝かせるところや、亜樹君と来てたと分かった時に思わず梨久ちゃんを連れ出したり、梨久ちゃんと亜樹君が付き合ってると思って避けたり、勘違いだと分かって「恥ずかしい……」となってるところまで。

何かもう、本人的には良くも悪くも1番青春してる気がします。私は由樹君を応援していますよ~(笑)。

 

対する亜樹君は正直今まであんまり梨久ちゃんに対する確定的なものを見つけられなかったんだけど、今回は「おっ」てなったなぁ~(ニヤニヤ)。

彼はあまり感情が顔に温度となって表れないタイプなのかな?www しかし梨久ちゃんに夏祭りに誘われて動揺してたり、その夏祭りで梨久ちゃんがナンパされてると思って怒って駆けつけたりと意外と行動にストレートに出てたような気がしました。

 

この夏祭りでの、亜樹君と由樹君の対比がよかったよなぁ。。。梨久ちゃんの足の痛みにすぐに気が付く亜樹君とそんなの気にする余裕が微塵もなく梨久ちゃんの手を引いて歩かせてしまった由樹君と。

恋愛ではないんですが、私自身由樹君同様あんまり気が利かないというか視野が狭くてそこでいっぱいいっぱいになるタイプなので、それ故の肩身の狭さみたいなのは分かるんだよなぁ。。。なのでバーベキューあたりの時もそうだけど、ちょっと由樹君に共感してました。胸のあたりが「あいたたた」ってなる……(苦笑)。

 

夏祭りで由樹君だけのけ者みたいになってる流れでまたうっとなり( ̄▽ ̄;)

兄弟や姉妹で好きな人がカブる展開はラブコメ王道と言えますが、最近そういうのに出くわすと「うわエグ……」と白目剥きたくなります。……いや、3人での仲の良さは大好きなんですけどね!!!

 

しかし今回、特に夏祭りの件はいい意味で思ってたのと違うなぁという感じでした。

わたくし、挿絵のある作品は先に挿絵をザッと見るタイプなんですが。この時点で、由奈ちゃんがうさぎのクッション抱きしめて何か言ってるところ、てっきり由奈ちゃんは亜樹君のことが好きで誘ったんだと思ってたんです。

……いや、コレについては別に亜樹君が好きで、梨久ちゃんに夏祭りに誘ってほしいって頼んでいたとしてもまったく悪ではないと、読みながら反省していたワケなんですが(笑)。

そっか~、由奈ちゃんアタックされていたんだぁ~(。-_-。)

……と、思いがけない展開に微笑ましさを感じずにはいられなかったです。そりゃあ必死に梨久ちゃんに頼み込むでしょうな。

 

それから、梨久ちゃん、由奈ちゃん、美咲ちゃん、柚ちゃんの4人でショッピングに行くところの挿絵。

……うわ苦手ー!!!!!!(汗)

と初見で思ってしまったことをここに告白しておきます……( ̄▽ ̄;)

こう、私なんかは典型的な陰キャなのでほとんどかかわりのない陽キャグループにいきなり放り込まれたら即帰りたい病発症間違いなしなのでwww

 

しかし美咲ちゃんも柚ちゃんもいい子でしたねー。由奈ちゃんが上手いこと梨久ちゃんと2人をつなげてくれたことも大きい気がします。

美咲ちゃんも柚ちゃんも面白い子で、菅井兄弟について「とっつきにくい」と言っていたのが何か印象的でした。みんながみんな、菅井兄弟にきゃあきゃあしてるワケじゃない。

4人でのショッピングが本当に楽しそうだったので「梨久ちゃん、よかったね……(泣)」とジンときておりました(笑)。また4人でも遊んでほしいな。

……それと「あまずっぺえー」はホントそれな……www

 

意外といえば、日記のページ探しの件もでしょうか。

菅美佳子の日記がないの時点で「コレ亜樹君持ってるだろ……(苦笑)」と思っていたんだけど、まさかその先があるとは!!!

 

「日記のページ探し」ってワードだけで冒険感あってワクワクします。梨久ちゃんからしたらそんなのん気なこと言ってられないだろうけども( ̄▽ ̄;)

しっかし、書店のお手伝いをして菅先生の旅行先に調査に行って夜遅くに夏休みの宿題やるはハードスケジュール過ぎる……!!!(汗)

これにはさすがにハラハラさせられた。そりゃあ亜樹君もついて行くだろうて( ̄▽ ̄;)

梨久ちゃんは無意識の内に亜樹君を説得するのが上手くなっている気がする。。。言でも動でもストレートに攻めるべし( ̄▽ ̄) その一方で踏み込んじゃいけないラインも分かってる。

 

にしても今回『たんぽぽ書店』について強く思ったのは、子どもも大人も同等に描いてるってことかな。

前回だったら息子達から距離を置いてしまっていた菅井兄弟のお父さん、今回だったら1人で泣いていたという梨久ちゃんのお父さん、そして日記からその片鱗が見えた菅美佳子。

何というか、子どもだから未熟だったり、至らなかったりするんじゃなくて、大人は大人でちゃんと傷付くし悲しむし、それ故に逃げてしまったり、ダメダメな性分は簡単に直せなかったり。

そういうのを、子どもも大人も等しく描いている作品だな、と思います。だからこそとっくに成人している私にも感じ入るものがあって、その”等しさ”に一応大人の部類に入る自分も救われている。

それでいて、子どもが読んだ時に大人になることを焦らせない作品なのかな、とも思いました。子どもも大人も関係なく「悲しい」も「苦しい」も、「うれしい」も「楽しい」も「好き」もあるから。

……もしや私とてもいいこと言っているのでは!?!?!?(※そうでもねぇ)

 

「死ね」って言葉は良くないってのは当たり前ですが、それって相手が本当に死んでしまった時、言った人が心底から傷付くからってのもあるのかなぁ。。。なんて今回読んでてぼんやり思いましたね。もちろん言われた側に深い傷をもたらすってのもあるけれど。

菅美佳子が傷付いたかどうかはもう本人にしか分からない。それでも、梨久ちゃんに本心を吐き出せた亜樹君が、日記の欠けたページに辿り着けた亜樹君が、ひとつ折り合いをつけることができて本当によかった。

正直、もっとかかると思ってたから早いくらい(笑)。早くここまで辿り着けて本当によかった。お墓参りの日に熱を出したのは心因性なんじゃないかって、心配だったし。

ニット帽も亜樹君の元に戻れてよかった。そのあたりのタイミングを見誤らない梨久ちゃんよ(笑)。

 

さて、そんな具合に亜樹君の心にあった苦しいものをひとつ昇華できた今回。……一生抱える悲しさではもちろんあるけれど。

結構『たんぽぽ書店』のメイン的な問題だと思ってたので、次回からどうなるのか本当に分からなくなってきたなー……!!!

学校イベント系の話はそれだけで楽しみだよね(。-_-。) 恋の行方……気になるけどメンタル激弱の私が「うわエグ……」て白目剥いてしまう可能性が……_:(´ཀ`」 ∠): いや買いますけれども!!!

 

挿絵、今回も素敵でしたねー(。-_-。) 浴衣姿の梨久ちゃんめっちゃかわいい。あの髪型神的にかわいい。

しかし今回のMVPはうさぎのクッション抱き潰している由奈ちゃんですかね……!!!
表情から物語られる「あまずっぺえ-」感✨ 是非是非今後の彼女の恋の行方も追いたい。あと由奈ちゃんの浴衣姿も拝みたかった(私欲)。

バーベキューでのおばあちゃんの笑みが素敵です(。-_-。)

 

というワケで次回も楽しみに待ちましょう!!!

 

余談。
トングに貼るシール、それは逆や(真顔)。

 

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