鞭展開度:★★☆☆☆
陰謀度:★★★☆☆
求婚度:★★★★★
【あらすじ】
修道院に夜の帳が下りる。女はいつも、暗闇の中を歩く。
王族による共同統治の国イルバス。長兄王アルバートは権勢を強めるべく、自らの世継ぎを産む妃探しに乗り出す。光を厭う金色の片眼を持つシスター・クローディアは、山奥で隠者のように暮らしていたが、ある雨の夜アルバートと予期せぬ邂逅を果たし…。更には謎の組織「赤の王冠」の暗躍により、周辺国をも巻き込む大いなる陰謀が動き出そうとしていて――!?
今回もめちゃくちゃ面白かったー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
今までの廃墟シリーズは王もしくは王杖が主人公だったので統治者のお話という側面が強かったのですが、今回はイルバス王の1人であるアルバート……が、求婚するクローディアが主人公。
そんなワケで廃墟シリーズの中では恋愛色が強く(……恐らく?www)楽しく読めました〜♪( ´▽`)
無論それだけではない陰謀も絡んできてワクワクが止まらん……!!!
以外ネタバレあり(※これまでの廃墟シリーズのネタバレも含みますのでご注意ください)↓
主人公は光を厭い夜目がきく金色の瞳を持っていて空想癖があって細い体に似合わぬ怪力のクローディア。もう要素が多過ぎる(笑)
この時点でもう主人公色強い子だと思うのですが、本人はそうも思っていないようで。。。
自分に自信のないクローディアを見てると『廃墟の片隅で春の詩を歌え』のアデールが思い出されてちょっと懐かしかったです。感慨深いと言った方が正しいのかな……?
ただ、「自分は出しゃばらずに……」と大人しい第3王女に収まろうとしていたアデールと違い、クローディアの場合は逃げ道として暗闇の修道女に徹している感じがあって、その違いを感じるのも楽しかったです。アデールは逃げ道というより自分のやるべきことを思い込まされていたといった方が正しそうかな? とか。
さてそんなクローディアなんですが、うじうじしている感じが本当にかわいいのよwww
湿気高い系主人公、架空の世界へ飛び立つのでめちゃくちゃ想像力豊かで面白い( ̄▽ ̄)
「マザーを罪人にするわけにはまいりませんわ!」
「落ち着きなさい、クローディア。いったいどこまで飛躍した想像をしているのです」
マザーの冷静過ぎる指摘が面白いの何のってwwwwwwwww
あと私、クローディアをてっきりただの修道女だとばかり思っていたのですが、めちゃくちゃいいとこの貴族令嬢でした。
そんなワケで一人称が「わたくし」だったり話し言葉も上品だったりと、個人的にはそこにもギャップがあって魅力的。あとここまで丁寧な喋り方するヒロインに今まであまり出くわしてきてないのでそういった意味でも新鮮でした(笑)
金色の瞳といえば太陽の光を連想するのに、実際は日の光に弱いというのもかなり印象的だったなぁ。。。
キャラクター紹介のイラストで宗教画の如く太陽を象徴するかのように描かれているので尚更。
このイラストについても感想書きたいけど、それはまた後ほど(笑)
さてそんなウェットティッシュ系(?)主人公クローディアに任されたお仕事が、エルデール治療院に療養に来たイザベラ王太后の夜間のお世話係。
ここで前回サミュエル・エスメ編と繋がってるのが上手いよなー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
前回についてはサミュエルとエスメのことばかり気に入って覚えていた私だったので、ここでイザベラ王太后――「ベラ様」に繋がってめちゃくちゃビックリでした(笑)
正直、前回のイザベラにあんまりいいイメージを持てなかったし。。。
そんなワケでビクビクしながらクローディアのベラ様お世話係生活がスタートしたワケなのですが、ホント廃墟シリーズって心が立ち上がる瞬間の描写がグッとくるよなぁ……!!!
イザベラに悪魔だと言われたクローディアが逆にそれを利用しようとするところは意表を突かれて且つニヤッともしました。何て面白い考え方!!!!
現実の方が、まだおそろしくないのかもしれない。
勇気をもって、踏み出せば。
悪魔。それでもよいわ。
たとえ悪魔と呼ばれても、わたくしは今、こうして人と関われている。
隠者はおしまい。わたくしはフードを取り、悪魔になろう。
このクローディア編は確かにアルバートとクローディアの結びつきを描いてもいるけれど、私はこのクローディアとイザベラの関係の変化がすごく好きで。
あれほど他人との接触に消極的だったクローディアがイザベラに根気強く向き合ってるんだよなぁ。
そうして見えてくるイザベラの人間くささや本来はこういう人だったんだろうな、という面が垣間見えてきておっとなりました。エスメ編では好きじゃなかったハズなのに……!!!(笑)
さてさて、そんなイザベラとの夜の散歩で出会うことになったのがアルバート。
……これは一目惚れなような、そうじゃないような……?www
アルバートの冴え渡り過ぎたカン、によるものなんだもんなぁ。。。
そんなアルバートとクローディアの攻防戦が本当に面白かったwwwwwwwwwww
これは個人的には仲村先生の『シンデレラ伯爵家の靴箱館』も思い出せて楽しかった(笑)
廃墟シリーズらしい重厚な世界観も好きだけど、コミカルなやり取りも大好きなので……www
ベアトリス編の時からアルバートには是非是非心から望む女性になかなかふり向いてもらえず苦労してほしいと思っていたのですが(どんな願望)、クローディアが期待以上に靡かなくてめっちゃ楽しかったなー!!!www
アルバートの手紙を未読無視。
やっと返事を書いたかと思えば穏便にお断りする内容。
アルバートからの大量の本の贈り物はほとんど配布され。
……うーん、まぁクローディアの立場を見ているこちらとしては「でしょうね」としか言いようがない( ̄▽ ̄;)
ところでこの巻、本当にウィルがいいキャラしてませんかねwwwww
ベアトリス編で「……さてはこの人、面白い人だな?www」とは思っておりましたが、今回さらに面白くって私多分この話で1番ウィルに笑わされたのではないかってくらいwww
クローディアにふり回されているアルバートにどこまでも塩なウィルがナイス過ぎました👍←
真面目な話に戻ると、イザベラとクローディアが誘拐される事件はめちゃくちゃアガりましたねー……!!! クローディアが自分だからこそできるやり方で懸命に考えて打破していくところは痛快そのもので(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
昔は(物理的に)戦える女の子が1番好きだったんだけど、今はそんな力はないけれど自分なりに考えて自分にできる範囲で状況を変えようとする女の子が大好きなので、こういうシーンほんと大好きに決まってた(。-_-。)
……まぁクローディアの場合ある意味戦えるんだけどね!www でもそういった心得があるワケではないので決して万能ではなく。。。
そういった中で危機的状況に置かれたクローディアとイザベラがお互い相手がいるからこそ頑張れた、という流れは胸が熱くなる……!!!(泣)
「自分が守らなくちゃ」って存在がいると人って本当に強くなれるんだなぁと。
混乱しないで。
物事は一つ飛びには進まない。焦ってもじたばたしても、けして近道は見つからない。
……うーんすごく含蓄のある言葉(笑)
クローディアが緊迫感の中で必死に自分を落ち着けて頭をフル回転する描写はグッとくるもので。
トロッコを壊してまわっていたというのは本当に頭が良過ぎて感服でした(笑)。自分だったらそこまで浮かばない!!
イザベラがようやく本当の意味で自分の弱さを認められたようなところもあっていつかサミュエルと再会できればいいなと願わずにはいられなかった。
本当にクローディアの言っていた通り、クローディアとイザベラ2人の戦いだったんだなと。
そんなクローディアの元まで救出に来たアルバートはさすがのカッコ良さと押しの強さですねー。
クローディアとアルバートの会話のテンポも好きでした。クローディアが結構言い返せるようになってるしアルバートの返しは軽快だしで。
これは確かにいい組み合わせなのでは✨とも思いましたよ。えぇ。
……しかしそのまま王宮に拉致られるとは聞いてねぇ!!!!!!(いやそうするだろうと思ってたけどwww)
「あの人に目をつけられたのが運の尽きでした」
というウィルのセリフは、確かにその通りで。しかしもうそれでただただ困るばかりのクローディアでもありません。
「おそれながら、わたくしの価値はわたくしが決めます。陛下のお考えはわたくしには関係ありません」
……クローディアがもうカッコいい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
あとここでまったくの我関せずなウィル強過ぎませんかねwww いつかウィルと結婚することになる女性も気になるところ(`・ω・´)
……いやー、しかしアルバートも「俺の王妃となり、俺の子を産め」はダメですよー( ̄▽ ̄;)
読んでる側の私ですらぞっとしてしまったわー(汗)
でも確かにアルバートがクローディアの孤独や弱さを見抜いているのも事実。アルバートは決して思い上がったバカなどではありません。
「近寄らないで」は妥当かつ正当な怒りだったと思います。自分の為に怒っていいんだよと私個人は思ったり。
あとクローディアが去り際にドアの取っ手を壊して逃げるのがあまりにもナイス過ぎるwwwww クローディアはどうも精神的にも物理的にもアルバートの思い通りにはいかんようで( ̄▽ ̄)
「これもし結婚できても初夜でアルバートふっ飛ばすのでは?」と真面目に考えておりました。←
アルバートの中で思いの外「近寄らないで」が効いていたのがよかったなぁー……!!!
初めて傷付くことを知ったアルバートの感覚を表した地の文がこれまた良いですよね(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ハッキリ分かってない頼りない感じがして「この人も人間なんだな」と思えたというか(笑)
「お前、主人の前代未聞の悩みに、どうしてそうスカしていられるんだ」
「俺のことじゃないからですよ」
はいウィルの名言いただきましたwwwww
王宮から逃げ出したクローディアを追うアルバートが果たして何を持って行ったのか分からないでいたのですが、コレが指輪ではなくクローディアに似合う眼帯なのが粋だよなー!!!
修道院に戻りたくて戻ったハズなのに、アルバートのことが忘れられなくなっているクローディア。そこに出くわすのがまさかのジュストというのが震えが止まらなかったァァァァァ(汗)
ホラーかと!!!!思ったわ!!!!!
クローディアを利用するような雰囲気があったのでまさかここで誘拐するのか……⁉︎⁉︎ と思っていたらアルバートに邪魔されるワケでもなくあっさり別れてくれてホッとする反面より恐ろしく感じるような。
しかもクローディアがジュストに嫌な予感を覚えたのを見逃していないところもまた恐ろしいというか……_:(´ཀ`」 ∠):
間違いなくイルバスの脅威になるだろうと予感させられるような。
にしてもまさかアデール編の人物がこうしてまたのちの世代に脅威として現れるとは思わなんだ。。。
最初ミリアムの夫のレナートなのではと思ったのだけど息子の方でしたねwww 確かに年齢的にレナートは難しいか( ̄▽ ̄;)
しかしジュストがクローディアに何もせず去ったお陰でアルバートが駆けつけるという本当にこれぞという展開(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ……クソっ、アルバートがジュストに会わなかったのは惜しいとしか言いようがねぇ……‼︎‼︎
とはいえ、ここでのアルバートが珍しく何を言っていいのか分からない、という様子でニヤニヤしましたね〜(ニヤニヤ)
クローディアにくれた眼帯のデザインは是非藤ヶ咲先生のイラストでも見たいなぁ(。-_-。)
エタンにグレンという懐かしい名が出たことにじんときつつ、アルバートの手を自分の意志で取ったクローディアの行く先が楽しみになる結末でしたね。。。
しかし私、ここでひとつ腑に落ちていないことがありまして。
確かにクローディアにとってアルバートが光であることは間違いない。しかし……、
アルバートを好きになるには早過ぎないか? と。
ここまでの廃墟シリーズ、アデールとエタン、ベアトリスとギャレット、サミュエルとエスメと、恋愛感情がありつつもそれだけじゃない信頼関係もしっかりとある、いった印象があって。
王妃になる決意ができるほどの愛情がこれだけの短い期間で芽生えるだろうか……? なんて不思議に思っていたワケですよ。そしたら、
「あとは陛下と恋に落ちるだけですわね」
クローディア編は一体いくつこういう感じの名言を残していくのwwwwwwwww
そしてそしてのなるほど、そりゃ王妃になるワケだわ……とめちゃくちゃ納得もしたという……www いや、ズルイよそのオチと真相は……wwww
そしてこのあたりで思いますよね。「あれ?? サミュエルとアルバート似てね???」と。
サミュエル・エスメの主従(兼恋愛)推しの私としては、今作で彼らのその後が見れたのもうれしかったなー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
とはいえ、女で大した功績があるワケではないエスメは王杖として周囲に認められてさえおらず。。。
ニカヤといえばアデールが行ってたなぁと懐かしく思い、そこに今はベアトリスがいて、エスメもそこに向かうという……ほんと感慨深い展開が多いなぁ〜、ズルイよもう(笑)
そしてそしてのジュストの登場。
今後アデール編に負けない脅威を巻き起こすことになりそうでハラハラなのですが、何より!!! これは続きが出ると!!!! いうことじゃないですか!!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
「もしやクローディア編で終わりなのでは……!?!?(泣)」と不安になっていたのでめっちゃテンション上がりましたね(`・ω・´) そういった意味ではジュストに感謝。←
エスメを大した脅威だと思ってないようなのでエスメかましてやれー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
しかしこれからエスメが危機に晒されることを考えると、サミュエル先に想いを伝えておいた方がよかったのでは……?🤔
じれじれ恋愛が大好きなので応援しとりますけどね(`・ω・´)
さてさて、それでは人物紹介イラストの感想を簡単に。
◯クローディア。前述したように金色の瞳が印象的なイラストで大好きです。表紙もそうですが宗教画めいていて素敵だ🤔
◯まさかイザベラが見れる日が来るとは……!!!
◯アルバートの自信満々な笑みが本当に魅力的。後ろに控えるウィルがまたカッコ良い(。-_-。)
◯ベアトリスがニカヤの格好をしてますねー!!今までより大人の女性という感じがして新鮮。
◯ギャレットは何か羽織らせようとしてるのかな? 本当にいい旦那さん(。-_-。)
◯サミュエルめっちゃカッコ良くなってません……!?!?///// 前巻より男性に近付いてる感が。
◯エスメの髪のリボン触ってる感じたまんないー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ エスメがニカヤに行く前にあげたリボンはコレか。
まだまだ話が続きそうな廃墟シリーズ(いや公式から告知があったワケじゃないんだけども)。
これからさらに面白くなりそうだしみんなのその後が楽しみだしでもみんな無事でいててくれぇ……_:(´ཀ`」 ∠):
結果として3陣営みんな大好きになったので。
気長に続きを待ちたいと思います(`・ω・´)
余談。
クリスのげっぷが健在で安心しました(?)。