『サバイバー!!(3) 大バクハツ! とらわれの博物館』(あさばみゆき/角川つばさ文庫)

角川つばさ文庫

鞭展開度:★★★☆☆
焦りと贖罪:★★★★★
リーダーの表情:☆☆☆☆☆(無)

【あらすじ】
あたしマメ。
どんな状況でも必ず生き残って人を救ける「サバイバー」めざしてます!
 
今日は夏休み前さいごの行事・学年遠足で博物館へ。そんな日に、なんと転校生がやってきた!
彼女はどうやら涼馬くんと知り合いみたいで、おまけに超強い他校S組のエース。いきなりあたしに「弱き者はS組にはいらない」って言ってきて――
たしかに、めざす背中はすごく遠い。だけどぜったいあきらめず、追いかけてみせる!
 
このいきおい、止まらない!
サバイバルな学園生活・試練の夏は「すっごくヤバい」遠足へ!?
 
超話題の人気シリーズ、息つく間もない3巻め!

「……あれコレ……小学生たちが巻き込まれる事件……?」とふと首をかしげるほどのハードぶり。困難、困難、またしても困難!!! なのがサバイバーの醍醐味。

いろんな激情渦巻く波乱の巻でしたね。文章からドッと浴びて挿絵からもドッと浴びてのハラハラな展開でした。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

いやもう「大バクハツ」っつってますもんね。

そりゃあ大バクハツしますよもう。派手に。何発も。

でもそれと同時に、マメの中で何かが爆ぜた回のようにも感じたかな。

 

本当に前半はガッツリ楽しいレクリエーションなんだけどなぁ~(笑)。

めちゃくちゃどうでもいいこと思い出したんだけど「レクレーション」って言うヤツもしくは書くヤツいたな。いやホントにどうでもえぇな。

 

個人的に、実行委員の子たちめちゃくちゃ優秀だな、とそっちにビックリしておりました(笑)。

てっきりS組だけ10分15分遅れてスタートとかそういう感じなのかな、と思いきやまさかのスタンプをもらう為にミッションを成功させないといけないという。これめちゃくちゃ頭いいなって!!! あからさまなハンデではなく、みんな等しく楽しめるアイディアだなぁと思いました。学生時代、こういう工夫が欲しかった時があったなってふと思ったり。……まぁお陰で涼馬君の精神力がゴッソリ削られていたけれど……www

あと涼馬君、まさかの音痴……? 『お題キッチン』は何故クリアできた(真顔)。

 

忘れちゃいけないのがここでまさかの新キャラ・リリコの登場。

……いや、この時期に転校するってだけでもキツ過ぎるのに(もうクラスの相関図が完全に出来上がっているので……)レクリエーションに単身乗り込んで来れるリリコちゃん、強過ぎ……( ̄▽ ̄;) 親の事情ではなく自分の意志で転校してくるヤツ、海外ドラマ以外で初めて見ました。

 

個人的には、こういうギャップだらけの女の子、イイですねー(笑)。

育ちのいいお嬢さんって見た目で言葉遣いもお嬢様、でもS組でしかも涼馬君と並ぶほどの実力のアタッカー。何か「弱肉強食」がモットーという。

 

多分物事を白黒ハッキリ捉えていて、彼女にとってはそれが「弱者」であるか「強者」であるか。

サバイバーとしてそれはどうなの? と少々心配にはなるものの、涼馬君に対するアタックぶりは嫌いじゃないなと思いました。

 

何かその、自分の欲望?(笑)に忠実に生きるところ、むしろ好ましいくらいです。私が10代くらいまでずっと無欲な主人公タイプが好きだった分、今無欲でいられない大胆タイプに「好き」の反動が来ているというか(笑)。

チームでプレイするという点では難アリな子ですが、涼馬君を一心に慕い、隣に並びたいと望んでいる気持ちは本物で。涼馬君に大事にされているマメに対してずるいと声高に叫ぶストレートさは、本来なかなか表に出せない人間くささだと思っています。それを表に出せるからこそ、それがリリコちゃんの魅力だし、物語がグッと面白くなる。

 

……あとリリコちゃんに盛大に煽られた唯ちゃんが輝いていたので、あの2人いずれ絶対仲良くなるだろ……www

 

さて、望むものに一直線なのはマメもまた同じ。

今回、リリコちゃんというマメが欲しいものを既に持っている子が出てきたことで、マメも気持ちをかき乱されっぱなしだし、涼馬君の特別扱いにも「悔しい」という思いが爆発。……彼女の場合自分の内側で静かに爆発させるなと思っております。宇宙で爆発したのかな的な(そういうのいらん)。

 

ここでストレートに「悔しい」って言葉が出るのが双葉マメの魅力なんだよなぁ……!!!

「特別扱い」だとか「守る」って言葉に浮かれられない。だって恋愛感情からじゃないとマメなりに冷静に判断しているし、何より「悔しい」って思えるくらい彼女の心はサバイバーのものだ。

何かすごく、怒りみたいなエネルギーを感じて最高でしたね。「ありがとうって思うべきだけど」と思考が及んでるのもスゴイ。

 

そしてこのあたりは「一見ときめきかと思いきやときめきじゃない」に萌えてしまう私としては激アツ過ぎる……!!! ……うん、何言ってんのかな私は。

でも本当に、このぐらいの糖度(……塩度の間違いかな? 塩鬼いるし)が大好きなんです。スパルタ男子×追いかけたい劣等生女子の醍醐味……!!!

仲間としてとか、あの人の妹だからとか、夢に正直だったり、それだって情じゃないですか。恋一色じゃないそのアツさが心地いい。

 

さて、マメちゃんが爆ぜたのはそこだけじゃなく。

「風見涼馬、生きろ‼」

……もう本当に格好よかった。

何かここについては多くを語ると減っちゃう気がするのでもうこれだけ。挿絵のそれぞれの表情含め本当に激情がドッと押し寄せて来たよね。

 

前回密かに活動していた巨大生物が出てきたけど、モグラだったワケね。。。

穴を掘るでアリしか想像していなかった自分の想像力のなさを知る(真顔)。茶色い塊で穴を掘るならそりゃモグラだわな……。

何か火だるまみたいになってて今回の巨大生物についてはかわいそうな印象の方が強かったかも( ̄▽ ̄;)

にしても、どんどん巨大生物を目撃する人の輪が広がってきているなぁ。。。吉と出るか凶と出るか。今回は共鳴しているらしき人間が見当たらなかったのもナゾだ。マメ目線で見当たらなかっただけで、見えないところにいたのかな……?

 

楽さんまさかのタイミングで高みの見物しててワロタなーwww あの小さく描かれた顔が妙にツボだったわ( ̄▽ ̄)

しかしそうしたいい先輩でばかりもいられないのかどうか。。。疑惑が浮上し私としては「おっ、遂に来たねぇ(ニヤニヤ)」という感じでした(笑)。あの子は敵だったとしても敵に見せかけた味方だったとしても敵でも味方でもない存在だったとしても面白い。

あと「こよみちゃん」っていい名前ですねぇ(そこじゃない)。

 

今回はずっとナゾだったノドカ兄のことがちょっとだけ知れたのもよかったなぁ。是非彼の妹自慢を聞いてみたい……(笑)。

いなくなったタイミングや、それまでの彼の言動からして逃げたとは到底思えないけどなぁ。一体どれほどの人間があのメッセージを鵜呑みにして、どれほどの人間が不自然だと思ったのか。何にせよ涼馬君とマメちゃんにはもう少し味方が必要だろうな。

 

リリコちゃんが「弱肉強食」にこだわる理由もなかなか。

これもまたマメ同様、理不尽というものにひとつ自分の中で何かが”爆ぜた”んだろうな、と。そしてマメちゃんに対する「だまれですわよ」もまた格好良く。……うん、S組女子イケメン揃いだなぁ!?!?!?(男装のうてなちゃん然り……)

崖を渡るところでの緊迫した中でのマメちゃん・リリコちゃんのやり取り、最高でした。

 

そういえば、今回驚いたのが「涼馬君はリーダーとしてチームの和のことも考えてたんだな」ということで。

……何というか、「塩鬼」と恐れられるぐらいビシバシシゴきながらもそこまで考えが及んでたんだ……というのがかなり驚きで。何の考えもなしに厳しくしてるとまでは思ってなかったけど、彼なりにそのあたりのバランス調整してたんだなっていうのが透けて見えて。

改めてこの小5やりよる……と思いました。それとド塩砲喰らってシビれたリリコちゃんはドMかな?☺

 

実行委員の子たちをマメ達が避難誘導するところも印象的でした。

こう、要救助者であることには変わりないんだけど、彼女達を侮るのもまた違うんだよな、と。。。サバイバー側が大人でプロならまた話が変わったかもだけど、同じ小5で去年までクラスメイトだったりした子達。支え合えるところがあるのはグッときたし、そりゃマメだって感極まるよなぁと。

決してS組におんぶにだっこになり切るつもりじゃない彼らもまた今回格好良かったと思います。崖から崖へ渡るだとか、巨大生物だとかでパニクるのは当たり前のこと!!!(笑)

あけっぴろげにのん気な雰囲気を作り出せるマメもまたすごい。あれを意図してやってることとか。それによってより涼馬君とリリコちゃんに負担をかけることも分かっていてそれを謝れるところとか。

 

そして挿絵感想をザッと。

新キャラリリコちゃん、見た目もかなり好きだなぁ~(笑)。リボンの位置がまたいいです。かわいい(。-_-。) うさ耳もかわいかった。

涼馬君一直線なリリコちゃんにドン引きしているうてなちゃんの表情がよかったです(笑)。あの子結構イケメン耐性強いというか思ってることを容赦なく顔に出すというか……www

うてなちゃんによって三つ編みにされたマメ、挿絵でもそれがしっかり反映されているのが細かいな~と感動。ちゃんとほどいた後はクリクリになってる……あの感じ好き……(。-_-。)

うてなちゃん達の男装もよかったんだけど明らかに高みの見物な楽さんに全部持ってかれましたwwwwww

綾と美空も好きです。オシャレ!! かわいい!!!

マンガみたいな演出になったところ、面白いですね。

綾と美空に優しいこと言われてうりゅりゅってなってるマメちゃん、かわいい。。。

どの挿絵も表情が生き生きとしていて本当、大好きです。

 

1巻2巻と、襲いかかる困難、困難、困難!!! ……の末に、気になる終わり方ながらもひとまず決着はついた感じだったけど、今回2人気絶して終わってるねぇ!?!?!?(汗)

目覚めた時に安全な病院であることを祈る……!!! そしてあさば先生の意味深な半角あとがきによれば(半角で始まるあとがき生まれて初めて読んだわ……www)ノドカ兄や楽さんに関する何かがあるようで。。。

おまけ話はまだ身近に疑惑を持たないでいられた束の間の平和だったんだろうなぁ。その思い出自体は大事にしてほしい。

 

余談。
ブログを掲載する際はその作品の広告を載せるのですが(アフィリエイトに加入中です)、商品名を検索して該当するのを選ぶワケなんですね。なので今回「サバイバー」と雑に入れて検索したら↓

めちゃくちゃ効きそうなエナジードリンクですね……( ̄▽ ̄)

 

タイトルとURLをコピーしました