『サバイバー!!(5) アテンション、敵のアジトから生還せよ!』(あさばみゆき/角川つばさ文庫)

角川つばさ文庫

鞭展開度:★★★★☆
あなたが大事:★★★★★
おしめぇだ(真顔):n回目

【あらすじ】
あたしマメ。なんと、ノドカ兄をとらえる黒幕につかまっちゃった!
涼馬くんともはなればなれで絶体絶命の大ピンチ。
監視の目をかいくぐって、なんとかここから逃げださなくちゃ――!!

そんなあたしに研究所は、みんなを救ける「ある提案」をもちかけてきて?

どんな絶望を前にしても、あたしはぜったいあきらめない。
待ってくれてる仲間のもとへ、かならず《全員で》生きて還ってみせます!!

前回めちゃくちゃ気になるところで終わっての今回。5巻にして早くも黒幕の元へという……!!!

囚われのプリンス(←?)になったマメちゃんと、人質になってしまった涼馬君それぞれの目線が交錯していくのが非常に楽しく、一旦ここまでの集大成を見たような気がしました。結構本気でウルッときた(笑)。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

「囚われのプリンセス」と言われつつやっぱりプリンスだったマメちゃん。王子様役やってた時のお話を……どうかプリーズ……!!!

いや私の私利私欲は置いといて(笑)、いざこのワードから今回をふり返ってみると、4巻まではマメちゃんが涼馬君の王子様ww、この5巻は涼馬君がマメちゃんの王子様、という気がしました。

ここまでマメちゃんが全力で涼馬君にぶつかってきた、その言葉を今度は涼馬君がマメちゃんに返す番なんだなぁ……というような。分裂体を生み出そうとするマメちゃんに必死に言葉をかける涼馬君が本当に格好よく、またこれまでのマメちゃんの言葉がどれだけ彼の中で大きく響いていたかが分かるシーンでした。ここホント泣きそうだったわ……_:(´ཀ`」 ∠):

 

それでいてウルッときたシーンといえば他にも。……大人の味方がこんなにもいてくれた!!!(泣)

今まで涼馬君は周りは敵ばかりで、1人でノドカ兄を探し出そうとして、マメちゃんも遠ざけようとしていたけれど、こんなにも同じようにノドカ兄を気にかけてくれてる人達がいたんだなぁ……と。プロのサバイバーである大人達とノドカ兄は対等な仲間なんだなぁと、ノドカ兄のつながりを見れたようでそれもうれしくもありました。

児童書って、子どもだけでがんばるぞ!!! ……なイメージが強く(笑)、もちろんそこが面白いところで私も小さい頃から今に至るまで楽しませてもらってるんだけど、成人を超えると子どもらが心配になるところもあるんですよね。……特にサバイバーみたいなハード展開にもなると……www なので、ここで孤独だった涼馬君が1人じゃなかった、マメちゃんだけじゃなかったっていうのが素直にうれしくて。

あと1人でマメ救出に向かおうとする涼馬君を大人3人で止めてる絵面は多分オモロかったと思う……www 何か見た目に寄らず力強い女性いたよね?( ̄▽ ̄)

 

楽さん、君にも味方はいるよ。

……というのもまた、今回思ったことで。

ここまでこよみちゃんに対する愛情があるのかないのか分からなくて困惑していたけれど、彼が凄絶な過去を歩んできたことが分かり、何とも複雑な気持ちに。。。

そんな楽さんをしつこく(笑)呼び止めるマメちゃんと涼馬君がいてくれてよかったなと思います。手術がどうか上手くいきますように。。。

 

今回は楽さんに限らず、いろんな人の人間くさい表情が見えたよなぁ。。。それは文章にでもあり挿絵にでもあり。何だかとっても贅沢に味わえたような気がします。

それはノドカ兄の手を握るマメちゃんの涙だったり。大人達に頭を撫でられたり、肩に手を置かれた時の涼馬君の表情だったり。自分の心の痛みに気付けていない楽さんだったり。本当の意味でマメと会えたノドカ兄だったり。

……いや、でもそう考えると人間らしさが欠落した表情まで見れてしまったのか……!!! ますますスゴイ。

 

”分裂体”に関する秘密はさらに怖さを増してきたなぁ~(汗) まさか子ども自身から生まれるものだなんて誰が思おうか。

マメちゃんから分裂体が生まれそうになってる時の描写がめちゃくちゃ生々しかった………………………………。『いみちぇん!』1巻読んでた時も思ったけど、あさば先生架空の感覚を言語化する力に長けている(何か実体験を参考に描いた可能性もある)。

 

そして「おしめぇだ」職人のあさば先生は全員生還はさせないのね~~~~~(汗)

……すいません”「おしめぇだ」職人”というのは勝手に名付けました。← 何というかこう……「おしめぇだ」って思考を放棄させられるんですよね、私的に……(遠い目)。

なので最後まで油断はしていませんでしたよ!!! 残り少ないページ数でも「おしめぇだ」させてくる……絶対来る……‼‼ 的な👍

 

楽さんは重傷、ノドカ兄はマメちゃんのことを認識してくれたけれどだからこそ連れて行くこと叶わず。……せっかく生きて会えたのにぃ……T ^ T

ずっとノドカ兄の存在が芯だったマメちゃん、この巻での揺らぎようが凄まじかった。それこそ分裂体を生み出しかねないほどに。それは涼馬君のお陰――マメちゃんの今までやってきたことが返ってきたからマメちゃん自身のお陰でもあると思う――で免れたものの、ノドカ兄を置いて行ってしまったことに対する苦しさがすごい。。。

涼馬君、支えてあげてね。そして今度は1人だけ犠牲になるとか、2人だけで行くとかじゃなくて、みんなで‼ ノドカ兄を救けてほしい。

 

今回は”テロ対策”というかなり重々しいところまで学べて、またいろいろと勉強になったなぁ。読み応え強過ぎる……!!!

次回は中止の可能性すらありそうなハズの合同運動会をやる模様……⁉ 研究所側との水面下での抗争もあるのでエンジョイしてられないところなのかもだけど、ぶっちゃけそういう他校との競い合いとか……超面白そう……(ゴクリ)。

新キャラも楽しみだなぁ~✨ また次回‼‼

 

余談。
……リリコ様……窓ガラス割って助けに来てくれないかなぁ……て現実逃避しててもちろん来なかったんだけど最後いてくれてうれしかった。……涼馬君はうれしくなさそうだった。

 

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