『シンデレラ伯爵家の靴箱館 荒野の乙女は夢をみる』(仲村つばき/ビーズログ文庫)

ビーズログ文庫

鞭展開度:★★☆☆☆
それでも夢を:★★★★★
キスとは……(笑):★★★★★

【あらすじ】
人を不幸にする≪魔術師の靴≫。その靴を蒐集するシンデレラの末裔・アランの靴店で働き始めたエデルは、厳しくも真摯(でも時々、挙動不審?)な彼の元で、充実した毎日を送っていた。そんなある日、竜巻事故で亡くなった少女の”銀の靴”が消える事件が! 魔術師の靴と踏んだアランが事件を追う一方、エデルは靴の行方を知る人物からある勝負を持ちかけられ……⁉ 靴と恋の物語、第2弾!

読み返しシリーズ、ちょっとぶりにシンデレラ伯爵家に戻ってまいりました( ̄▽ ̄)

このあたりからアランの残念ぶりが加速していくんですよね……www

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

今回のゲストキャラ(?)ジュディ、学生時代よりも今の方が思い入れが強くなるというか、気持ち分かるなって気がするなぁ。

現実的に夢を叶えるのが難しいのは分かってる、だから夢をあきらめる、でも本当は手放したくない。

銀の靴を履いて、視力を失う未来を目前にして、やっとその本当の気持ちを口に出せたというのが何だかとても切ない。ジュディに限った話じゃなく、ほとんどの人間がそこまで追い込まれないと自分の本当の気持ちが分からなかったり、自分の本当の気持ちに従って動けなかったりするんじゃないのかな。自分含めて。

エデルの前で流した涙がすごく胸に残りました。。。イラストでの泣き方がまた印象に残り。

 

もう1人印象的だったのはやはりセスですね。。。

というか1巻の時点でもう犯人が分かっている! というのが私には新鮮でした。犯人って、焦らしに焦らして分かるものだと思い込んでいる節がある……www

 

……からのまだ2巻。まさかもうエデルが犯人と勘付いて、セス本人もそれを認めるとは……!!! 少しもごまかそうとしないところが怖いですよね。ゾッとしたというか。

そしてまだ2巻なのに、もうセスは魔術師の世界を抜けることに決め、さらにアランにそれを告白し(アランがまったく気付いていなかったのも結構意外だった。ルディアが身辺調査をしていなかったとはいえ、それだけセスがうわてだったのもあるのかも。)、ガラスドームを退職――いや、休職したのも拍子抜けしたというか。

それだけ、そもそもガラスドームで過ごした時間が長かったり、そこでの生活を悪くないと思ってたんだろうな、そしてその中に付き合いの長いアランやジジ達だけでなくまだ付き合いの短いエデルも入っていたんだな、と思うとどこか胸があたたかくなるような。……うーん、エデルが来る前のガラスドームのエピソードも見てみたい!!!(笑)

得体の知れない男という面がありつつそんな風にも思える不思議な立ち位置のキャラでした。エデルを導いてくれる上司としての面が特に大好きです。

……あ、でも年上の女性云々も別ベクトルで恐怖を覚えるなぁ!!!www

 

今回、前半の方での休日に靴職人たちでこれからのシーズンに出す靴を決めるシーンが特に好きでした。あぁいうみんなで真剣にプロとして話し合う感じ、大好きです。みんなカッコイイ(。-_-。)

貝殻の靴というのも素敵ですよね✨

 

あ、あとエデルがルディアの接客するシーンも好きだったなぁ。エデル、怯えるところがありつつもヒントをつなぎ合わせて真剣に自分の答えを出している。これもまたカッコイイ。

ルディアがたまにはエデルに浮気するって言ってたけど、その言い回しが好きです(笑)。そしてこの靴もイラスト見たかったー!!!www

 

そしてアランさんあなたという人はwwwwww

経営者としての面や、銀の靴のところで真剣にエデルを守ろうとするところはカッコイイのに、いざ恋愛!!! ってなると何故そんなに残念になるの、あなたは……www

いくらルディアのせいで女性が苦手とはいえキスに対するその清過ぎるイメージはどっから来たんだ……( ̄▽ ̄;)

 

あき先生イラストって、ふわっと繊細な雰囲気で、どこか絵本を読んでいるような気分にさせてくれる印象があります。……なので、あんまりギャグなイメージがなかったのですが、

アランの残念な口説きぶりを見事あき先生のタッチのまま表現してくださりましたwwwwww

真顔やめてね面白すぎるんよwwww

 

一方のエデルは、今回アランへの恋を十中八九自覚するワケですが、本当にこの子はかわいいですね(。-_-。) 胸がほわってなる。他人――カーレン――に言われて自覚するっていうシチュエーションはやはり良いものですね(ニマニマ)。

そしてそんなあまりにも恋愛初心者なエデルだからあんな残念な褒め方されても少なからずガッカリはしないんだぞアラン様……wwwww

 

それとエデルのキスのエピソード、お母さんの愛がガッツリ伝わってとても好きです。

5歳の娘を父親に預けて自分は劇団に、ってだけ聞くとひどい母親みたいに聞こえそうですが、それもまた娘の為にやったことだし、そうやってめちゃくちゃかわいがってたエピソードはエデルにとっていいものだと思いました。他人からの心ない言葉に不安を感じた時もあったけれど、エデルは自分が母に愛されていたことをちゃんと知っている。

 

あまりにも清過ぎる事故チューはいい方向に働いたと思います( ̄▽ ̄)

あと自分をどこかの山奥に埋めてほしいアランがルディアの容赦のない人脈の駆使で山狩りに遭うところまで想像していたの笑いましたwwwww 私もそう思う( ̄▽ ̄)

 

アランの初恋暴走ぶりにワクワクしつついずれ3巻を読みますね(`・ω・´) ←

 

余談。
スカートの中にアレは私ならどんな大怪我をしてでも暴れる(真顔)。

 

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