鞭展開度:★★★★☆
仲間はここに:★★★★☆
狂気もここに:★★★★★
【あらすじ】
春――。名門キンバリー魔法学校に、今年も新入生がやってくる。黒いローブを身に纏い、腰に白杖と杖剣を一振りずつ。胸には誇りと使命を秘めて。魔法使いの卵たちを迎えるのは、満開の桜と魔法生物のパレード。喧噪の中、周囲の新入生たちと交誼を結ぶオリバーは、一人の少女に目を留める。腰に日本刀を提げたサムライ少女、ナナオ。二人の魔剣を巡る物語が、今始まる──。
超・超・超久々に新たな本であります!!!
元々1年ぐらい前に読んでいたものだったのですが、途中でストップしていたのをまた再開しました。「今……ものすごく魔法学園モノでバトるものが読みたい……!!!」と気分が高まって(笑)。
私にしては珍しいジャンルのお話でした。そしてさすが長編シリーズとなっているだけあってめちゃくちゃ面白い(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
以下ネタバレあり↓
待ってました魔法学園モノ×バトルファンタジー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
ということで、めちゃくちゃ読み応え満点な作品でした。特に戦闘描写がめちゃくちゃ細かくて一瞬一瞬にものすごい文字数費やして描いてくれていることに感動しました。迫力満点で文字を追うのが楽しかったー!!!
女性向け作品ばかりを読んでいる私的に、主人公が説明役、というのもこれまた新鮮でした。
私が読んだ限りの話ですが、結構主人公は物語において初心者、という位置づけなイメージが強いです。周りを取り巻く人物たちの方が知識や経験が豊富です。なので、主人公は説明を受ける側、というのがよくあるかなぁと感じています。これは読者が主人公と一緒にその世界のことを知っていく、といった狙いがあると思うのですが。
後はあったとしても、主人公が専門知識があったとして、でもそれを誰かにたくさん説明するというのはあまりないような。あくまで地の文で語られるくらいか。
主人公が男か女かで変わってくるものなのかも……とか考えてました。こういうの考えるの楽しい( ̄▽ ̄)
とにかくそんなワケで、ここまで同学年の友達にアレコレ懇切丁寧に説明してくれる主人公・オリバーというのは、私にとってかなり新鮮でした。たくさん説明してくれてありがとう、オリバー……(笑)。
あとは主人公が器用貧乏(?)というのも新鮮ですね。今まで、めちゃくちゃ劣等生(笑)、もしくは何かしら突出した何かがある子が多かったので。
突出したものがないと自覚しているあたりも冷静ですよね。あと自分が面白くないことを気にしているのめっちゃかわいくて好きでした……www 魔法コメディの件も丁寧に描かれているあたりこの作品は親切過ぎる(真顔)。
ですがそんなオリバー、いつ如何なる時も冷静で大人びていてそつなくこなせるというワケではなく(コメディの件は一旦置いておいて……www)、友達に対する情に厚く、自分のことなら我慢できるけれど友達がけなされたり危険な目に遭わされるとなれば火がつくところがこれまた魅力的ですよね。そういったところがすごく大好きなキャラクターだなぁと思いました。
それと、「ほっぺにちゅう」のところで動揺するあたりは年相応でかわいらしいですね(笑)。ニマニマしちゃいました(。-_-。)
セレモニーで出来上がった”いつメン”であるあとの5人もすごく良くて!!!
オリバーとシェラの組み合わせがすごく大好きです。恋愛ではなく(笑)。驕らないエリート2人組という感じ。このグループでの保護者的な位置であり、2人とも情に厚くて優等生的な地位は友達の為ならいくらでも捨てられるのでしょう。本当にカッコイイです。
シェラは恋愛じゃない意味でオリバーのこと大好きよな……www
それと今回はカティが印象的だったなぁ……!!!
理不尽にたくさん打ちのめされたのに、その優しい気持ちのまま強くなる、前向きに立ち向かう、という成長ぶりにめちゃくちゃ心打たれました。それはオリバーも泣いちゃうよなぁ。。。本当に、これから先が楽しみな子です。
それとオリバーにキスができてよかったね!www 私はカティを応援したくなっちゃうなぁ~(笑)。
カティもですが、ガイとピートも年相応らしくてホッとしますね(笑)。ガイの気のいい感じも大好きですし、ピートの生意気な感じも微笑ましいです。彼らがこれからどんな葛藤や成長を遂げていくのかと、そちらも楽しみ。
Mr.アンドリューズも印象的だったなぁ。。。
それと教師なんですがガーランド先生はこんなの大好きに決まってる(笑)。
そしてナナオですねー!! サムライ少女最高(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
常に武士言葉(?)みたいな渋い言葉遣いなのが大変味があって良きです。戦いっぷりもスカッとします。誰よりも芯が通っていてまっすぐなだけに危うさもあり。
「――ここに、ござった」は胸にくるものがありました。しかし仲間に背を押され、彼女なりの”生きる”道を探すことに。
……と、思わせておいていつかオリバーとナナオが本気で殺し合う日が来るんだろうなという終わらせ方なのが……!!!
あのオリバーですら例外でなく狂気をしっかりはらんでいたという。。。
すごいですね、この学園ファンタジー。学園モノならではの仲間との絆や派閥的な抗争を描きながら、殺し合いや凌辱もゴロゴロ転がっている。清濁併せ吞むどころか濁の割合スゴくないですか(真顔)。
「七つの魔剣が支配する」ってタイトル回収もスゴ過ぎる(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
一難去って今度は十難な物語、どこまでも読み応え満点で本当に楽しかったです。あとがきもどっぷりキンバリーの世界に浸らせてくれて徹底している……!!!
またいつか続きを読めればと思います。では!
余談。
痴情のもつれ(?)を見守るガイとピートの2人、良過ぎる(笑)。