『六花爵と螺子の帝国』(糸森環/一迅社文庫アイリス)

一迅社文庫アイリス

鞭展開度:★★★☆☆
学園ファンタジー:★★★★★
肉体関係←:★★★★★

【あらすじ】
「なんで、私が、そこにいる―――――⁉」
奴隷の少女アオは、精霊王の攻撃から青年貴族ジーンをかばい死亡した……はずだったのに、目覚めたらなぜか二人の身体は入れ替わっていた⁉
魔導学院でも《六花爵》と呼ばれる特権階級のジーンに、畏れ怯えるアオだったけれど――。
「おまえの身体が気に入ったからくれないか」
って、ジーン様、それは無理です!
全寮制の学院に強制入学させられた少女と無自覚天然青年貴族の、逆転学院ラブ!

ふと糸森環先生の学園ファンタジーモノを読みたくなって読み返しておりました(。-_-。) そしてやっぱり面白い!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

さすが糸森環先生というだけあって世界観や学院の空気に惹き込まれるし奴隷制度という理不尽でキツイものが横たわっているけれどそれに負けないコミカルぶり!!!www

改めて読み返すとより面白いなぁと思えて本当に楽しかったです。さて今回はサクッと感想になるのか。←

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

多分私が初めて読んだ鞭展開じゃない糸森環作品でしたね(※当社比)。

アオ自身が汚部屋をこよなく愛し掃除に恍惚とし実はいっぱしの兵士並みの戦闘力があるという面白過ぎるアレコレ。喉を潰して喋ってるけど本当はめちゃくちゃ美声というのも面白い(笑)。

そんな彼女を取り巻くジーンやレンズ達も個性が強く隷民であるアオを人間として扱ってくれるから救われるし「お前ら全員面白過ぎん?(真顔)」てなれる( ̄▽ ̄)

 

そこに男女の入れ替わりという王道(?)面白要素が加わるワケなんだけど糸森先生は別の意味で容赦がなかったwwwww

お風呂……うん、お風呂ね……あっ排泄ですか……(目を逸らしつつ)。

ほぼ会話だけで分かるアレやコレやに笑いを堪えるのが大変過ぎたwww アオは隷民としての振る舞いや鞭を振るわれるかもしれない恐怖がしみついているワケなんだけどたまにそれらすべてを飛び越えていくよね……( ̄▽ ̄)

この子の中から隷民である自分の支配が消え去ったら誰よりも強いんだろーなというのはこのあたりで察しつつ。

 

やっぱり糸森環先生の作り出す世界観が好き過ぎる~~~~~/////

学院の科目についてレンズ先生がアオ改めアレクシアに説明してるあたりでワクワクが止まらなかった(。-_-。) アレクシアからしたら頭抱え案件なんだろうけど頑張ってほしい(笑)。せっかく昔描いた夢に何か近付いてるっぽいんだから!!! ……まぁ今は相当ねじくれて「汚部屋で一生暮らしたい」なんて欲望に変わってしまったけれど……( ̄▽ ̄;)

「生徒」ではなく「使徒」って呼び方する感じとかめっちゃ好きです(。-_-。)

 

糸森環作品にしては鞭展開度低めなものの本物の鞭は出てくるし(※いらんシャレ)容赦ない差別や身分差はやはり、横たわっているもので。

……アオ、木に吊るされたことがあったのかぁぁぁぁぁ……(泣)。

本当ならいっぱしの兵士ぐらい戦えるのに、隷民としてしみついたものがアオを突き動かしてはくれない。「逃げて!」と叫ぶ母の声が、今もそこに。

 

けれどもだからこそ、ジーンやレンズの「掴み取れ」って言葉が宝石のように光って確固たる何かを形作っている。

自分は隷民だとうつむく心の弱さは、決してアオのせいなんかじゃない。それでも、アオはそれを振り切って走り出さなくてはならない。

そんな意志の芽生えにグッとくる。何度も何度も言葉で、行動でアオの心を叩いてくれる周囲の人物に熱くなれる。

 

悪意のあるラクガキのシーンなんて優しさで溢れてたよなぁ……!!!

いつもの糸森環作品ならここから更にアレクシアの心が滅多打ちにされて、悪意がより一層浸透するような画面なのに。

そこにジーンがラクガキを素で付け足してる感も面白かったけど(わざとなのかどうかは最早定かではない……www)、「耽美な狂気が必要だろ‼」と言って乱入してきたお前、ホント誰!!!!!!wwwwwwww

名もなきモブキャラにまで助けられ、ミーシャにクララもいてくれて、さらに怪盗キアレも爆誕して‼www このシーンはあまりにも楽しくてあったかくて大好きです。……糸森環先生……こういうのも書けるんなら早く言ってよ……。←

 

ちなみにロキアスが大好きです。……ほんとコレ個人的なあるあるなんですけど、糸森環作品の主人公は私の推しの男とはくっつかんのよな……(遠い目)。

乙女ゲーム制作会社さん、早く糸森先生をシナリオライターに雇ってください(土下座)。

あとラブはまったく欠片も望んでませんがレンズ先生もかなり好きです( ̄▽ ̄)。研究にうっきうきになるところがかわいいんよなww

 

ミーシャとクララとアレクシアの友情はマジあったかかったなぁ……(。-_-。)

どうやらこの3人の中でのツッコミ役はミーシャ確定みたいなので頑張ってくれwww ジーン差し置いてアレクシアに抱きつく2人がすごく好き。

居眠り三姉妹よ永遠なれ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 

それと糸森先生は誤解を招くいかがわしいセリフのセンスがあり過ぎる!!!!!wwwww

いや、そりゃ男女の爛れた関係を誰もが疑うでしょーが……あとアレクシアがジーンとロキアスがただならぬ関係だと誤解した時のアレやコレやが面白過ぎましたwwww 男2人の絶句ぶりが最高です👍

 

ジーンとアレクシアの会話のテンポ? 空気感? ……も好きです。何でしょうねぇ、このほっこりする間合いは(。-_-。)

アレクシアの敬語がいい味出してるといいますか( ̄▽ ̄)

 

惜しむらくはこの『六花爵と螺子の帝国』が2巻で終わってることですかねー……_:(´ཀ`」 ∠): 2巻なんてこれからさらにもっと面白くなる予感がしていたのに!!!

そんなワケで一迅社文庫アイリス様、今からでも続き出す方でお願い致します。←

 

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