鞭展開度:★★★★★
ファンタジー度:★★★★☆
本当の自分を取り戻せ:★★★★★
【あらすじ】
「この顔は……誰?」少女騎士が見出す真実とは――
帝政ドラゴニア――飛竜が舞い、真っ白な淡雪のように美しくも悲しい四花雨(しのはなさめ)が降る空。種々の悪魔が暗い翳を落とすこの国で大悪魔、‟顔狩り“によって一夜にして故郷も家族も自分の顔さえ……奪われた少女騎士フィアは仇敵に復讐を誓う。双子の兄が受け継ぐはずだった騎士の証竜骨剣を背に、当代最強の竜騎士ヴァルと共にフィアは大悪魔を討伐し自分自身を取り戻す夏追いの旅へ!
少女小説(ってことでいいのかな?)の中では珍しい(※私個人の感覚です)正統なる化け物退治系……!!!✨ ということで嬉々として買わせていただきました(`・ω・´) 何となく女性向け作品での人外は戦うよりも交流する印象があって( ̄▽ ̄)
そしてタイトルを見ててっきり騎士のふたごが2人揃って旅に出るのかと思いきやそうではなく……。では何故タイトルにわざわざ『双子』と入れたのか? 読んでみてかなり納得でした。
そしていい意味で思ってたのと違うところが印象に残りました。
以下ネタバレあり↓
女の子が騎士!! 悪魔退治!!! 最強の竜騎士との師弟関係ひゃっほう!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
……などと喜び勇んで読み始めた頃の自分をブン殴りてぇ(真顔)。もっとずっと深刻なものでした。
家族皆殺しにされて頭がなくなっているというだけでも酷だというのに、せっかくかわいい女の子の顔が悪魔によってまったくの別人にすげ替えられるというのもなかなか容赦がない。
あとそんな上級悪魔に一太刀くれてやってるフィアすご過ぎません⁉www
まだ12歳ぐらいだったハズ……待ってくれしかも女の子でそれは強過ぎる……_:(´ཀ`」 ∠): なかなかに苛烈な強さを秘めたお嬢さんという印象を受けました( ̄▽ ̄)
そしてそしての本当にガッツリ悪魔と戦う物語。
敵討ちをすべく旅に出ているフィアなんだけど、その”顔狩”だけではなく他の悪魔との戦いがいくつも描かれていたのが個人的にうれしかったなぁ。……すいません本当に人外との戦いが好きなものでして(笑)。
兄弟にかかわる事件ばかりなのがいい具合にゾッとして楽しかったです(`・ω・´)←
個人的にはフィアとヴァルのやり取りをもっと見たかったんだけど、フィアはずっとヒューと仲良しだったなー!www ヒューかわいかったけどね(。-_-。)
悪魔と化したロブとフィア・ヒューの対峙がかなり印象的でした。その後のジルトや里の人達の対応まで含めて。あの何ともやるせない感じが現実味ありますよね。対応そのものは腹立つんでスプラトゥーンしてやりたいところですけどね。←
にしても亡くなったフィン目線のエピソードがいっちゃん印象に残るとは思わなかったなー……!!!
何でフィアの夢でフィン目線になるの?? もしかして本当はフィアだと思ってた子はフィアじゃなくてフィンだったの??? ……と完全に大混乱。
読めば読むほど、フィアではなくフィンにどんどん感情移入していくのがこれまた本当に面白くて。
フィン目線で見るフィアとフィア目線でのフィアの印象がどうも違くて、余計に混乱するんだよね……!!!
だんだんフィア目線よりフィン目線が気になってきていたや( ̄▽ ̄)
結局フィアだと思っていた子はそのままフィアでよかったワケなんだけど、フィンの中でいろいろと真実が覆ったのがなかなかにキツかったなぁ………………………………………………………………。
妹であるフィアの方が強くて、父の期待がそっちに行っていることとか。
だから魔術を学んで自分なりに強くなって妹に勝てたと思ってたのに、妹はわざと負けていて父親もそれを見抜いていたとか。
危険な目に遭う2番目の子が本当は妹じゃなくて自分だったとか。
……うーん、特に妹がわざと負けてくれていたのがキツイかなぁ……( ̄▽ ̄;) 浮かれてた自分が恥ずかしいみたいになるのも何かすごくリアルというか。。。
最後の最後、フィンが「妹に死んでほしい」という気持ちに呑まれずに立ち向かったのが本当によかったなぁ。。。
フィンの葛藤も最期の足掻きも、誰も知らないっていうのがまたね。フィアはいろいろと夢を通して見ていたけれど、ハッキリ事実として認識してるワケではないし。
あのクソみたいな悪魔だけが知っているのが業腹なんだけど(※口が悪い)、フィンの人間臭さが大好きだなぁ。
……なんてことが1番印象に残った話でした。
葛藤の末顔狩を倒せたフィアだけど、何とこの悪魔とは一生付き合っていかなくちゃならない模様。しかもこの流れだといつかフィアがヴァルを殺さないといけなくなりそう……?
という具合に、何もかもがスッキリ解決したワケじゃない幕引きまで含めて印象的な話でした。鞭展開好きにはいいスパイスでした(`・ω・´)
余談。
私も小栗鼠を肩にのせたい(真顔)。