『恋と悪魔と黙示録 契約の獣と身代わりの花嫁』(糸森環/一迅社文庫アイリス)

一迅社文庫アイリス

鞭展開度:★★★★☆
ときめき度:★★★★☆
写室から外へ:★★★★☆

【あらすじ】
「あなたは特別。契約して差し上げる」
悪魔の名を記した書を複製する森玄使であるレジナ。
ある日、彼女は教会内で美しい獣型の高位の魔物を召喚してしまう。慌てて自室に獣を匿うけれど、聖祭の《神の花嫁》候補が悪魔に襲われる事件が発生! レジナは囮役として花嫁の身代わりをすることに——。そんな中、彼女の危機に美青年に姿を変えた獣が契約を迫ってきて…!?
一途な魔物と乙女が織りなす、悪魔召喚ラブファンタジー!

一迅社WEB | 一迅社文庫アイリス 恋と悪魔と黙示録 (ichijinsha.co.jp)

こちらも書いておきたかったサクッと感想!!!

実はこの作品については1度読み切った後はパラパラとしか読み返したことがなく、数カ月前にようやっとガッツリ読み返したのでこちらも感想を書かねばと(`・ω・´)

糸森環先生らしいファンタジー設定にときめきが止まりませぬ……(。-_-。)

 

 

以下ネタバレあり↓

 

糸森環作品といえば、私は『花神遊戯伝』『F』『she&sea』を読み終えたあたりで、どれも主人公が異世界トリップしていて彼女の「私」目線で語られる物語。

しかしこちらは主人公レジナ目線ではあるものの「私」語りではなく第三者語りということで、私としては新鮮な驚きを感じながら読んでいました。しかもレジナは異世界トリップしたワケではなく元々その世界の住人。

 

世界観からオリジナル単語からときめきに溢れていましたね……!!!/////

森玄使とか召喚士とか聖沌書。聖陰書。朔使。

何かもう本好きにはたまらない設定がズラリと……!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ……まぁ私は細かい作業とか苦手なので森玄使には間違いなくなれないのですがwww

 

第三者語りなのでどこか淡々としているものの、その中にも匂い立つ世界観がたまらない。

星も凍える赤い夜。

もうこの最初の一文からの吸引力がハンパない。一瞬で虜となりました。

 

セリフ回しが魅力的なのも糸森環作品ならではですよねー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ しかしこの黙示録はまた今までとは違った魅力溢れるセリフ回しで惹きつけてくるのです……(。-_-。)

レジナの文系っぽい賢さを感じさせながらも、どこか冒険心に溢れててときめきを常に秘めているような感じとか。

アガルの尊大なのにおっとりで丁寧で人外らしい傲慢さも見え隠れする口調とか。

卿の飄々としていて色気がありしかし少年心も感じられて人を喰ったようでもあるクセにどこかかわいげもあるセリフ回しとか。

 

糸森環先生、やはり乙女ゲームのシナリオをやりませんか……!?!?(>_<)

 

……などと乙女ゲームもやり込む私としてはモダモダしてしまいます。乙女ゲームやらない人向けに言っておくと、最近の乙女ゲームは糸森環先生が書いても全然イケるくらいにはむごい物語が多いのです……。

 

……何か1巻の感想というよりか全体の感想じみてきているな……www でもこのあたり語らないと次に進めない糸森環民であります( ̄▽ ̄)

 

私の今まで読んできた糸森環作品の中での最推し、卿の登場……!!!✨

黙示録は駆け抜けるように読み切ったのですっかり忘れてたんだけど、結構序盤とか発言がヤバイっスね……www 忘れてたのでちょっと怖かったです( ̄▽ ̄;)

糸森環作品あるあるのひとつにメインヒーローが真っ先に出てこないってのがあると思ってるんだけど、本当に先に登場したの卿ですね(何なら1番目に出てきた男性キャラはリスト殿)。

 

1巻にしてもうレジナと卿の関係性が出来上がってんのが最高過ぎるんよなー!!!wwww

最初はヴィネトの物騒だったり破廉恥だったりする発言にレジナが「⁉︎」てなってたのが「卿!」って大声で言うようになり

「俺って物知りですねえ。ときめきました?」
「卿」
「はいはい冗談」

……ってもうただ静かに一言返すだけになるまでに慣れてんのがたまらんのよwwwwww

その後の卿の返しもホント好きです、「はいはーい、一割は冗談」とかホント大好き過ぎてwwwww

この2人の会話のテンポが好きなんでしょうねぇ、私( ̄▽ ̄)

 

アガルは何か……NEWジャンル築いた感すんごいというか……www

糸森環作品らしく人外らしいむごさはしっかり備えてるんだけど、この尊大おっとり口調と発言のせいで何か緊張感に欠けるというか……( ̄▽ ̄)

糸森環作品の鞭展開は絶品なので(※完全に信者)そこでのアガルの場違いなのんびりさにはかなり救われるなぁ……!!! みんな1回はズコーッてなってるでしょ?www

 

しかしそのおっとり口調のままむごたらしいこと言う感じが1番たまらんのよなぁ……!!!

「おまえは近づかないでください。殺したくなりますので」

これぞ糸森環節ですありがとうございます(ここまで早口)。

あと彼丁寧口調なのに口悪いっていう逆にスゴイとこあるよなwwww コレ関連で2巻で大好きなセリフあるので覚えてたら2巻感想で上げときます👍

 

糸森環作品は主人公の恋心が粉々に砕け散ってからが本番だから……!!!

……みたいなことを先日ツイッターで迸ったのですが(笑)、黙示録では割とちまちま砕いてる感じですかね👍(言い方)

アガルの神魔らしい傲慢さが大変良い。でもレジナへの溢れ出る恋心がまったく隠せていないので他作品での粉々っぷりを知ってる私としてはかなり安心して見れるといいますか……( ̄▽ ̄)

こう、本当にちょこちょこ砕くよね。レジナが期待して浮かれたところにサクッと一撃。ビー玉をアイスピックで的確に突いて粉々にするような。……大丈夫、レジナ。アガルはレジナ大好きで間違いないから。

 

……とは思うものの、レジナからすれば心が浮上する度に砕かれるのだからたまったもんじゃないよねっていう( ̄▽ ̄;)

ずっとひとりぼっちだった子だからなぁ……。温もりを思い出してしまっただけに何度も無邪気かつ無自覚に砕かれてしまうのがキツイ。

けれど恋をあきらめきれずに握り締めるその感じが健気で本当に愛おしい。恋心は砕け散っても尚きらきらと輝いている。

 

あとオルゴールの件がめちゃくちゃ好きです。

 

事件内容というか、それを解決していく流れは本当に面白かったなぁ……!!!

調査パートと日常パートがある感じでしょうか(笑)。どちらも本当に楽しかったぁ(。-_-。)

卿が恋文を密書と勘違いしてレジナを疑った件は何かリアルな気がして好きだったなぁ……www 確かにレジナあまりにも怪し過ぎる( ̄▽ ̄)

 

ただ卿に疑われ偽の花嫁にされ処刑されかかり敬愛するサーロンが死にという展開は心底辛過ぎる……_:(´ཀ`」 ∠):

 

まさかサーロン様があそこで救いを拒否するなんて誰が思おうか……。アガルと契約した意味がなくなるのまで含めてさすが糸森環作品としか言いようがない。

にしてもあまりにもあっさり亡くなるから「えっウソでしょ???」てめちゃくちゃ驚いてしまった。本当に亡くなってしまってるんだよなーーーーーこれが……(T ^ T)

私はサーロン様、かなり好きだったよ……。私もあんな先生に習いたいくらい。

 

そんなワケで黙示録では魅力的なセリフがあまりにも多いけれど、1番好きなセリフはやっぱりコレになるワケで。

「おのれを含めた、人の喜びのために日々励め。過去や未来のために生きるな。そうではないか? 未来のことは、未来の自分にまかせよ。今のおまえは若く、瑞々しい娘であることを忘れるな。希望高く生き、写室を出て、ときには恋もすればいい。人を慕う心とは、光である」

……本当に先生だったのだなぁ、と。これからきっと処刑されるという身で、こんなにも輝く言葉を教え子に贈れる人が、他にいるだろうか。

レジナのことを「バリシオ」と呼んでいるのも、何か好きだったなぁ。愛想があるとは言えない(笑)サーロン様らしい呼び方だ。でも彼なりの愛情があった。

 

そしてこのセリフがあの恋文と繋がっていたと分かる展開がもう、もう、もう……!!!(泣)

本当に、そんな悪戯心もある人だなんて、ズル過ぎる。

そうしてレジナが、

「わたし――いつか、恋をしたいな」

なんて言う展開なのがたまらない!!!/////

やはり恋する乙女は世界一格好良いのです(。-_-。)

 

……何かサクッと感想にするハズが思いの外語ってしまったな……?www

今後も気が向いたら続きの感想を上げてく予定です。改めて感想書いててまた読みたくなってしまった(笑)。しかし買ったばっかの本達が積まれてるので先になるかなぁ……!!!(幸せな苦しみ)

糸森環作品のことは積極的にブログに上げたいなーという野望があるので書けて非常に楽しかったです!www

 

〜2巻感想へ続く〜

 

余談。
「算、記、言」って単語が厨二心に刺さり過ぎる(真顔)。

 

 

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