『春夏秋冬代行者 春の舞 下』(暁佳奈/電撃文庫)

電撃文庫

鞭展開度:★★★★★
もはや映画化してくれ度:★★★★★
我らが春夏秋冬に幸あれ:★★★★★

【あらすじ】

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の暁 佳奈が贈る、四季の物語。

「独りにしないで。お願い帰ってきて」
 世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
 『春』の少女神雛菊には生涯の忠誠を誓う剣士が居た。名を「さくら」。職位は代行者護衛官。愛する主を拐かした者へ、悲劇を傍観していた者へ、自分達を傷つけた全ての者に復讐すべく刀を抜く。主を守って死ぬと決めた。だからもう迷わない。師と仰いだ男への恋慕は捨てた。これより先は、覚悟ある者だけが進める戦場なり。いざや、春の舞を踊ろうぞ。
 暁 佳奈が贈る、春を世に顕現する役割を持つ少女神の物語。堂々完結。

上巻からのめり込んでそのまま徹夜で下巻も読み切るくらいには面白かったー……!!!パタリ(五体投地)

過去と今とを渡る旅路のようであった上巻から一転、春の主従をはじめとした春夏秋冬代行者が手を組みひとつの『復讐』に乗り出します。私としてはここでようやく時計の針が動き出したようでノンストップで読み進めちゃいました(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

もう既に続刊が決まっているので「続き出してくれぇぇぇ……!!!_:(´ཀ`」 ∠):」とハンカチ噛み切らないで済むのが本当に救い(真顔)。

いやでもよくよく考えたら上下巻同時発売がそもそも神の采配では?

 

 

以外ネタバレあり↓

 

個人的に『春夏秋冬代行者』は後から思い返すと狂ったような切なさだとか苦しいほどの愛おしさばかりが思い出されるんだけど、今回改めて読み返してみたら下巻ってめっちゃハード展開なんよな(真顔)。最早映画コ◯ン。

現代らしい恐ろしいテロ組織と現人神達という幻想的な者達とのれっきとした戦いの火蓋が切られていました。……もうね、ノンストップハラハラなんよ……_:(´ཀ`」 ∠):

上巻はタイトルに相応しい繊細な描写で人の心も季節も彩ってくれてたけど下巻は一気にジャンル変わった!?!?ぐらいな急展開。ハリウッドイケるでコレ(真顔)。

 

いや、でも人の心を丁寧に大切に描写してくれてもいるんよなぁぁぁ……!!!!!!(泣)

雛菊のお母さんの話とか、雛菊とさくらの出会いだとかの過去のお話もまた心に残り。撫子を誘拐された竜胆の描写もまた心に刺さり。

本当に、これほど手を替え品を替えしながらも根本はしっかり『人の心』にある。そう感じさせる物語でした。

……そういえばヴァイオレット・エヴァーガーデンもガッツリ戦争の描写あったもんなぁ……( ̄▽ ̄;) なんて今更思い出してみたりも、する……。

 

とにかくありとあらゆる方面・あらゆる緩急強弱で人の心をズタボロにしてくれる作品。それが暁作品なのではないかと(※言い方)。

 

下巻では竜胆、夏姉妹による撫子救出作戦・春主従を襲う四季庁庁舎テロ事件・冬主従もまた賊に追われ……と一気にいろんなことが起こっておられる!!!!!!(汗)

こんなんやめ時が分かるかぁぁぁ!!!ですよ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 

今回この感想を書くにあたって読み返してたんだけど、個人的には瑠璃が殺された時のあやめの描写で泣きまくったなぁ………………………………………………。

初めて読んだ時は早く先の展開が知りたくてガッと読み進めていたりとか、瑠璃が本当に死んだことが信じられなくて、心臓にとてつもない圧迫感を感じながらも泣くことはなかったんですよ。

……が、改めてこうじっくり読むとめちゃくちゃ涙腺に突き刺さりましてだなぁぁぁ……(T ^ T)

瑠璃が生き返ることは知っているのに泣かずにいられなかった。やっぱ家族モノに弱いんよなぁ、私。。。

 

葉桜姉妹の場合、他の主従と違って本当に血が繋がった姉妹なんで衝突の仕方とか逆に気心知れない感じとかがまた違うんだよなぁ。ふたごで姉妹ってのも大きいのだろうけど。

今回史上初の双子神となってしまった葉桜姉妹の今後が続刊で見れる……のかな??? めちゃくちゃ楽しみなんだよなコレが!!!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

是非是非2人の婚約者殿もお目にかかりたい。スオウ先生イラストならもうイケメン確定だと思っております(`・ω・´)

それとわたくしメロンブックスさんで春夏秋冬代行者を買ったので、特典であやめの婚約者さんについては少し知ってるんだよなー!!!(ドヤァ) そしてますます気になったので瑠璃の婚約者のこと含めホント楽しみなのだー(。-_-。)

 

印象的といえば、まさかのテロリスト美上視点。……いやぁ、これはスゴかったなぁ……。

雛菊や撫子にしたことがあまりに最低過ぎて観鈴を許すことはできない。彼女も被害者としての側面があったのは確かだけど他者に与えた傷があまりに多く深過ぎる。

しかしその一方で、美上の考えがどこか分かってしまうというこの不思議よ………………………………………………。

いやビルから落っことしてもよかったと思うけどね?←

さくらと凍蝶による『復讐』は胸がスカッとするものではない……けれども、そうやって綺麗じゃない部分まで描くことこそが『春夏秋冬代行者』の醍醐味なんじゃないかとも、思ったりするのです………………………………………………。

さくらの笑い声にゾクッとさせられつつ。

 

雛菊の言っていた「前の雛菊は死んだ」の真相も明らかに。……スゴイな、上巻で抉ったところをさらに容赦なく抉ってくるこの感じ……。

私は幸いにもあぁした心理状態に縁がなく、周りにそんな人もいなかったので(もしかしたら気付いてないだけでいたのかもしれない……)雛菊のそうした状態は、どこか浮世離れしてるというか現実味のないものでした。

 

でも多分、本当にこういうことはあるんだと。

 

何かそういう爪痕を残していった作品でした。

自分ではなくなっていく感覚がして。そんな自分を守ろうとする、もう1人の自分がいて。心だって死んだら、もう2度とよみがえらない。

 

何というか、私には自分も誰かをそうさせる可能性があるのだと胸に迫るものがあったんだよなぁ。。。

無論そんなひどいことはするつもりがないし、絶対許したくない。でもその一方で、ほんのちょっとした言葉が誰かをここに近づける小さな引っ掻き傷にはなり得るのだな、というか。

心が壊れることと同じくらい、壊せることをも胸に刺して来たように感じたのでした。

 

春主従と冬主従の再会、ようやくラストにて!!!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

いや〜、ホントいいタイミングで来てくれたなぁ、冬主従……!!!めちゃくちゃカッコイイタイミングじゃん✨

上巻からここまでまだかまだかと待ち望んではいたけれど、1番最後の最後でバイク吹っ飛ばして駆けつけてくれるのやっぱコナ◯映画感……!!!……というおふざけは置いといて。

 

さくらと凍蝶は電話で先にお話していたものの、雛菊と狼星は本当の本当に10年ぶりの再会と相成りました……!!!!!!(泣)

もう本当にね、満を持して。

 

……いや、再会とは呼べないのかもしれない。雛菊はもう、前の雛菊ではないのだから。

それでも、10年越しの告白の返事と。

新しい、初めての出会いと。

「おかえり」で。

この苦しみだらけの10年が報われたなんて簡単には言えない。それでも。

確かにこの物語はこの瞬間の為にあったんだ、と。そう思わずには、いられなかった。

 

……というワケで、上下巻でめちゃくちゃ濃いお話だったなぁ〜、『春夏秋冬代行者』!!!!

何というか、2冊で10年分の万感の想いが込められていたというか!!!

痛みも確かにあるのに、愛おしい。残酷な世界であるのに、優しい。

そんな傷付くのに惹かれずにはいられないストーリーでしたねぇ。。。はぁ〜〜〜〜〜本当に続き出るんだよね!?!?ね!?!?!?(うれし過ぎて時々現実味なくなる)

 

個人的には主従もそれぞれに好きだったのですが、主従じゃない組み合わせもめっちゃ好きでした(笑)

さくらと狼星はお互い口が悪くてぜっっっっったい恋に落ちない男女という感じがもうたまりません。図書館戦争でいう、郁と手塚的な(笑)。もはや男同士の友情すら感じるぞ……( ̄▽ ̄)

竜胆と夏姉妹もかなり好きだったんよなー!!!
賊に対するノンストップ悪口大会だとか。紳士な竜胆、強い竜胆に対して婚約者がいるにもかかわらずきゃーってなる感じとかwww

雛菊と凍蝶の電話の内容も切なかったよなぁ。。。メロンブックス特典小冊子でのやり取りも大好きです(笑)

さくら・竜胆の護衛官コンビもかなり好きです。イケメン2人。こちらもメロンブックス特典小冊子でのぼやき(?)がたまらんです。そのぼやきだけ延々観ていたい( ̄▽ ̄)

 

あとは主従の話になるけど、撫子がなー……!!!

 
「……りんどう、かわいい……」

幼い身にして、年上の男の可愛らしさに目覚めている。

 

早ェよ!!!!!!!!wwwwww

しかし目覚めちまったもんは仕方あるまい。秋主従の話も今後読めるのかな?

それにしても上巻感想でも取り上げたけど、やはり『生命腐敗』のお力、恐れ入る。正直最上位の冬の能力よりも恐ろしいのではと思っている次第。

 

……というワケで下巻感想はこれにて!www
本当はメロンブックス特典小冊子の感想も書きたかったんだけど、それはまた別で上げようかなぁ……?🤔などと考えつつ。

コミカライズも決まって非常にわーいなのです✨ これからも応援できることに感謝しつつ。

これからも我らが春夏秋冬に幸あれ!!!!!!

 

余談。
竜胆と狼星、呑み会やっちゃって(笑)。

 

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