『椅子職人ヴィクトール&杏の怪奇録④ お聞かせしましょう、カクトワールの令嬢たち』(糸森環/ウィングス文庫)

ウィングス文庫

鞭展開度:★★☆☆☆
心臓ひんやり度:★★★★★
目が死んでる:★★★★★

【あらすじ】
霊感体質の女子高生・杏は、バイト先の椅子工房「TSUKURA」オーナーであるヴィクトールと椅子の展覧会へ行くことになった。そこでは主催者の夫妻と息子の諍いに巻き込まれてしまうものの、おおむね楽しい休日となる。ところが、その展覧会へ行って以来、茶色のトイプードルと犬の飼い主らしい男の幽霊が杏たちの前にたびたび現れるようになり…?ヴィクトールに導かれ、杏の初めてのスツール作りもスタート。甘さ微増量でお届けする、ふんわりオカルティック・ラブ第四幕。

表紙のヴィクトールがイケメン過ぎる。いやそうじゃなくて。

……いやぁ、今回も心臓をひやりと撫でられていったなぁ……_:(´ཀ`」 ∠):

このお話に出てきた幽霊が私の夢に出てくるぐらいには惹き込まれ……というか引きずり込まれました( ̄▽ ̄;) しかし面白いんだよなぁコレが……!!!!

恋の描写も本当に胸踊りますよね。

糸森環先生はこうしてまた我々をダメにしていくのである……。

 

 

以下ネタバレあり↓

 

最初にツッコませてもらおう。

サブタイトルに『令嬢たち』ってあったからてっきりそういう幽霊が出てくるのかなって思ってたらオッサンばっかじゃねぇか!!!!!!!wwwww

……すんませんどうしても言っておきたかった( ̄▽ ̄)

 

いやだから忘れた頃のネタを引っ張り出して再び心臓をひやりと撫でて去って行かないで。まさかの1巻での仲睦まじい老夫婦(※死んでる)登場に忘れかけていたこの作品ならではの恐怖体験を思い出したのであります。

ヴィクトールって大体秋に出てるイメージあるんで私の中で秋こそが恐怖の季節なのです……(死んだ目)。最早ヴィクトールと同じ死んだ目になりながら読み進めておりました。……いやホント生きてる人類も死んでる人類も迷惑過ぎ……(再び死んだ目)。

 

わたくし挿絵のある小説は先にパラパラページをめくって先にイラストを全部見る派なんですが、明らかに杏とヴィクトールが顔引きつらせてるのあってあっハイいつものですね……分かってます……分かってます……てなっていた(再三死んだ目)。

もうね、4巻目ともなるとね、分かってくるんですよ。あっこの人生きてないとかね。あっこのトイプードル絶対幽霊だぁとか。

椅子オタクにはならないものの、どんどんヴィクトール化現象が進んでいく………………………………………………(死んだ目)。

だからコレ読んでる時の私相当すごい顔してたと思います。いやマジで。

 

今や杏たち霊感体質ズの皆々様よりヴィクトールの方が感性マトモってのも知っておりますからね。。。

また変人ぶりを発揮してると思われる言動に何かマトモな感性がかかわっていることは百も承知ですとも。えぇ。……まぁどんな推理が為されているかはまったく分からんけれども。←

 

4巻目ともなると慣れたもので、ヴィクトールと杏による椅子談義も読んでて心地良く、楽しくなってくるんだよなぁ♪( ´▽`)

……1巻目の時はヴィクトールのウンチクがちっとも頭に入りませんでした。だって歴史とか苦手なんだもん_:(´ཀ`」 ∠):

 

それと、私は元々完全異世界ファンタジーばかりを好んで読んできたから、こういう現代日本が舞台のって、実は全然読み慣れてなくて。何なら敬遠しがちです。

ヴィクトールを買ったのも糸森環先生の作品だからということで、糸森環作品を今まで読んできた私としては、ヴィクトールはあまりにも毛色が違くて1巻を読み進めながら大分戸惑いました。めっちゃ現代日本の話。いやちょっと幽霊は出てくるけれども。

ぶっちゃけ人様の家庭事情などに興味がない私には椅子を皮切りに調査に乗り出す杏とヴィクトールにあまり共感できず、1度本を読むのをやめています。……じ、時間を置いてまた読む気が起きたら読もう、と。

しかしツイッターのフォロワーさんが読み切って「面白かった!」と断言しており、それに背中を押される形で最後まで読み切ることができました。……そして結果、新たな糸森環ワールドの虜になることに……!!! そのフォロワーさんには感謝してもし切れません。

 

話が長くなってしまいましたが、ヴィクトールの面白みを把握したことで2巻以降はワクワクしながら読めるようになっていったんです。……まぁ夜眠れなくなるぐらい怖い思いもしたけれども……(死んだ目)。

歴史が大の苦手でカタカナの言葉も苦手な私にとってヴィクトールの椅子談義はかなりヒィヒィするものだったんですが、杏も結構ヒィヒィしていたので安心できました(笑)。

そうして「脳みその容量オーバーだったら仕方あるまい」と開き直って読める形になったといいますか。しかし人は慣れる生き物らしく4巻目となる今回私も素直に楽しく椅子談義が楽しめました。……いやぁ、私も成長したなぁ(。-_-。)

 

杏の食べ物や飲み物なんかに分かりやすく例えてくれるの、私は大好きなんだけどなぁ!(笑) しかしヴィクトールという大人の男性に恋する杏はもっと大人の会話ができればと恥ずかしくなるようで。

杏の恋に対する前向きさとでも言うんでしょうか、そういうのが分かる文章もまた、読んでて本当に心地いい。

ヴィクトールに対する恋心もそうなんだけど、恋全般に対してそんなところがあるよね。今回だと、室井さんの奥さんである香代さんとの会話とか。

 

……ところで香代さん登場に真っ先に「この人死んでるのでは?」と思ってしまったのは私だけだったんでしょーか……( ̄▽ ̄;)

左手の小指と薬指がないとのことでますます「絶対幽霊じゃん‼︎‼︎‼︎‼︎」とか思ってたら本当の本当に生身の人間だった模様。ごめんなさい私が疑心暗鬼になってましたホント失礼でしたすみません(土下座)。

……今書いててふと思ったんだけど、左の薬指がないってことは結婚指輪ができない……? いやそれが何につながるかまでは考えれてないんだけど。

 
恋に対する前向きな文章が好きという話に戻ると。

 

他人の片思い話ほど楽しいものはない。

きたきた、こういう胸が締め付けられるような苦い展開を待っていた!

片思い話にアップルパイという組み合わせは最強すぎて困る。

 

……あー、アップルパイ食べたくなってきたなぁ。というのはさておき。

今回はアップルパイ×片思い話が胸キュンならぬうずキュンでした。……胸が『疼』いて『キュン』ともなる、でございます。すんません今テキトーに作りました。

 

ヴィクトールと杏の椅子談義の時に流れる空気感も最近はたまんないんだよなぁ……!!!

一生懸命話について行こうとする、時に知ったかぶりをして恥をかいたりする杏がかわいくて。

ヴィクトールの雰囲気も少なからず甘くなってきてるんだよなぁ!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ それを味わうのがたまらんです。椅子の話も素直に面白く感じられるようになったし。

今回はカクトワールの件がやはりキュンでした(。-_-。)

 

……と、慣れがありつつもヴィクトール独特の心臓ひやり体験は今回も安定なんだよなぁ……(死んだ目)。もうね、怖すぎて逆に笑ってしまっていましたよ。トイプードルの飼い主さん初登場の時とか。

お陰様で私の夢にもトイプードルの霊とその飼い主さんの霊が出てきましたとも………………………………………………。

夢の中で何とかがんばって成仏させました。朝起きて寝た気がしませんでした(死んだ目)。

 

にしても対物性愛者って言葉初めて聞いたなぁ。めっちゃびっくりしてしまった。

それでいてそういう『異常』と捉えかねない恋に対するヴィクトールのスタンスってホントいいよね。……いや彼は人類嫌いなだけなんだがwww

使う言葉がたまたま素敵過ぎるって言えばいいのかなぁ? しかもそれを平然と言い切れるところがまた格好良く見えるというか。いや人類嫌いなだけなんだけども。

ヴィクトールもそうなのでは、と思って本気で堪える杏が何か印象的でした。恋に前向き女子高生は椅子が本気で恋敵なのです。。。

 

『青ざめる椅子の冒険』

星川さんがとうとうイラストに登場!!あらやだ格好いい!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

……などと呑気にはしゃいでいられるワケがなかった(死んだ目)。

杏とヴィクトールと一緒にいるつなぎの男が幽霊なのかと思っていたらまさかのそっちが星川さんで星川さんだと思ってた方が幽霊だったパターン。いやこっわ。

こんなに短いページ数でもしっかり怖がらせられるの、ホント糸森環先生何なの……_:(´ཀ`」 ∠): ちなみにアニメイト特典SSが紙1枚という短さなのにそこでもガッツリ怖い要素入れてきましたからね(死んだ目)。

そろそろ杏の視覚情報すらも信じられなくなってしまいました。幽霊のバリエーションが豊か過ぎる。

 

……そんなワケで今回も全然ふんわりしてないふんわりオカルティック・ラブさせてもらいました(※ダセェ言い方)。

ヴィクトールって確かに1巻読み切りスタイルではあるんだけど以前のエピソードもふんだんに心臓ひんやりエッセンスとなって戻って来るんだよね……(死んだ目)。

生きてる人類も死んでる人類も嫌になってきた分楽しいです。みんな、次巻も恐怖を仲良く分け合おうな……(死んだ目)。

 

余談。
ずっと目が死んでる(死んだ目)。

 

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