『水無月家の許嫁2 輝夜姫の恋煩い』(友麻碧/講談社タイガ)

講談社タイガ

鞭展開度:★★★★☆
恋煩い:★★★★☆
1人にしない:★★★★☆

【あらすじ】

父を亡くし、生きる理由を見失っていた少女・水無月六花。
本家の当主の文也に手を差し伸べられ、文也の“許嫁”として嵐山の屋敷で暮らすようになってから早2か月。
六花は文也への恋心を自覚していたが、ある晩偶然、文也が「まだ、恋じゃない」と言い放つのを聞いてしまう。
文也との結婚は約束されたもの。けれど、そこに文也の恋愛感情はないことに気が付いた六花は思い悩む。

そんな中、文也たちの母親・照子の入院先にたまたま行くことになる六花。
昏睡状態にある照子だが、耳に神通力を持つ六花は、なぜか照子に呼ばれた気がしてーー。

コミカライズも大好評のシリーズ第2巻!

よーーーーーやっと読めました水無月家第2巻✨T ^ T✨

文章全体から匂い立つ空気感が清涼で読んでいて心地いい。久しぶりに読んで改めてそう思いました。やっぱり水無月家は令和の大和撫子作品だ……!!!(笑) そんなプレゼンは→コチラ。

今回は六花の胸に沸き立つ恋が丁寧に描写されていてうっとりとひたっていました。しかし水無月家の持つ”影”はすぐそこに。。。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

”恋煩い”という言葉が想像以上に重く響いた第2巻。

確かに1巻で出会って2巻でもう恋の自覚。しかも六花達の世界ではまだたったの2ヶ月。けれど、そりゃあ恋に落ちるだろうというのは1巻の時点で充分納得のいくものであり。

何というか、六花と文也は波長が合うんじゃないかな、という気がしています。毎朝文也が花を1輪渡して六花がそれをこれはどの花瓶に生けよう、どこに飾ろうって考える。もうこれだけで素敵過ぎる……(。-_-。) やり取りも品があって惚れ惚れしちゃいます。

 

にしても、水無月家が恋狂う一族だというのは何だか納得がいくなぁ。。。これのひとつ前に上げた『お狐様の異類婚姻譚』も人や怪の恋狂う様が描かれていますが、それともまた違った恋煩い。……立て続けに読んだのでこのあたりの違いを考えて楽しかったです( ̄▽ ̄)

今回初登場の霜門さんは「気を付けろよ」と六花に忠告していたけれど、うーん……恋って最も”気を付ける”ことができない気がする……。水無月家の人間じゃなくったって、例えば「あの人やめといた方がいいよ」って言われてもその人に突っ走るのがセオリーだし。

 

私的に文也の「まだ、恋じゃない」「まだ」って言ってるんだからこれから恋になっていくって意味合いに聞こえるんですが、恋煩いの六花からすれば否定されただけで辛いか。。。

これ以上を望んではいけない、充分幸せだ、でも……って恋心を募らせる六花が私にはとてもまぶしく愛おしく見えました。

 

「これからも毎日花をください」がかわい過ぎるんよ!!!!!!

萌え殺す気か‼‼www あまりに破壊力がスゴくて身悶えたのはこの私です。ほら、文也さんだってオーバーキルだぞ六花ちゃん!!!!!!

「サボったらきっと、私、拗ねますから」がまた愛らしい……(。-_-。) 文也さんが彼女に花をあげてるけど果たして喜んでるのか……と不安を覚えていたのがここで回収されるのがきれいです。

六花ちゃんが文也さんの頭を撫でたシーンは、何だかお互いでないとだめな理由が見えたような気がしました。

 

今回出てきた照子さんは意味深な言葉を残していきましたね。

何だかまるで敢えて眠り続けているかのような。。。親世代のみんなのキャラビジュも見てみたいなぁ~(ニマニマ)。

照子さん自身は、恋煩いに沈み目を覚まさないとは思えない明るく楽しい方でした。……ううん、傷がないワケではないんだよね。

ここにきて六花の両親の自由恋愛の代償みたいなものが見えてきて唸ってしまいました。そしてそういうのを描くのが水無月家という作品ならではなのかな、とも。

今まで、古い時代観でそうしたものに縛られず愛する人との道を行く、みたいなのばかりを読んできていたので、その真逆を行くこの話はとても新鮮です。そして照子さんと天也さんの恋、六花と文也さんの恋に新たな素敵さを感じるのです(。-_-。)

 

照子さんから子ども達への言伝もまた印象深く。。。

それを六花がそれぞれへ手紙でしたためたというのが素敵だなぁ、誠実だなぁと思っていたんですが、文也さんと葉君はもっと奥深くまで読み取っていました。

六花の心の傷は根深いものだけれど、それをやっぱり丁寧に紐解いているこの作品が好きだなぁ。。。そして改めて六花の居場所はここだしここでよかったんだと思ったのでした。

 

しかし丁寧に日々が綴られる中で突如として嵐はやって来るのです。

あーこれは日常生活から丁寧に綴っていく作品だなぁ、まだ水無月家の深部にまでは踏み込まないか~、気長に待と~っと……などと思っていた矢先に!!!! 突然現れやがりましたね長浜一門!!!!!

ていうか女子高生の前で人を撃つな男子高生を撃つな。マジでこれだけ先に言わせていただきたい(真顔)。

 

1巻で葉君が贄……? とかいう不穏な要素がありましたが、まさかこんなに早く、そして急に来るとは思いませんでした。……す、スゲェ……。

にしても葉君、不死は理解できたけど不老は果たして……? 今のところ普通に成長してそうだけど。そのあたりも3巻で分かるのかな。

 

六花ちゃんは力を発揮してきましたね。こうした不思議な異能のコツとは計り知れないものですが、霜門さんが「逆に感情爆発させてみる」といったアドバイスをしていたのが印象的でした。……お、面白い……!!!

そして六花ちゃん、まさにその時のようです。ここまで助けてくれた、支えてくれた家族を彼女が助け支える番が来た……と、思っています。

 

にしても、水無月家不穏らしいけどみんなキャラ濃くて楽しい人らだなー……と思っていた矢先にコレですよ‼‼(汗)

中身おっさんの猫がいきなり居候ってどうなんだろう……って思っていたら文也さん達を気にかけてくれている本当の味方だし。

照子さんは、もっと儚い人なのかなーと思っていたら夢の中でめちゃくちゃおてんばだったし(笑)。

神奈ちゃん(笑)は昔の感じも今の感じも大好きです。自分で稼いで堂々と胸を張っている女性はあまりにもカッコイイ(`・ω・´) 空を飛べる能力、いいなー(。-_-。)

真理雄さん……長浜の人だけどあぁいう主(?)に容赦ない人好きだよ。うん。

次回、果たしてどう動くのか。楽しみで仕方ありません。

 

そして今回も飯テロでしたねー!!!www 友麻先生はお料理得意な方なのかしら……? どのメニューもめちゃくちゃ具体的でお腹減りました( ̄▽ ̄) とろろ昆布と梅のにゅうめんが今巻のベストオブ美味そうですかね(`・ω・´)

冷やし飴は名前がおいしそうなんだけど、生姜だけで食べるのがダメな私でも飲めるかな……名前はホントおいしそうなんだけどな……と葛藤しております(笑)。

水無月家の深部に迫る本編と共に、次巻の飯テロも楽しみです(`・ω・´)

 

余談。
六花ちゃん、スプーン曲げでほっぺたふくらむはそりゃかわい過ぎるんよ……www

 

タイトルとURLをコピーしました