『浪漫邸へようこそ』(深山くのえ/ルルル文庫)

ルルル文庫

鞭展開度:★★★☆☆
ほのかな恋:★★★☆☆
みんなで協力!:★★★★☆

【あらすじ】
大正初期。ある事情から、十六歳で家を背負うことになった貧乏子爵家の長女、紗子(すずこ)。偶然、危ないところを助けてくれた帝大生、伊織(いおり)との出会いをきっかけに、紗子は子爵邸で秘密の下宿屋を始めることになる。早速集まったのは、帝大生と画家と本屋、それに作家と写真屋というなんとも個性的な人々で!? ワケあり子爵家ではじまった、賑やかで優しい同居生活とほのかな恋。美しく密やかに、乙女の恋は花開く――大正ロマン譚開幕!

読み返しシリーズもう何弾目なのか……www ここまで続けられているのがうれしいです(`・ω・´)

今回は大正時代を舞台にしたお話。ファンタジー系ばかり読む私にしては珍しく魔法だったり怪物だったりは出てきません(笑)。

奥ゆかしくも丁寧に日々を過ごす紗子たちの日常が楽しいです。こういうのもっと読みたくなってきた!www

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

あき先生のイラストが本当にこの作品にピタリとハマっているんだよなぁ……!!!

紗子かわいい。伊織さん素敵。紗子の伊織に向ける恋い焦がれる眼差しの愛おしいことといったらないです。

尚彦の利発そうな感じや、正鵠の偏屈ぶりもいいですよね! ……光也さんは人物紹介の時点でキラキラしておられる……www 実巳さんかわいいなぁ( ̄▽ ̄) しのさんの姐さん女房的な雰囲気も好きです。カッコええ(。-_-。)

個人的に1番ツボは時雄さんでした(笑)。

 

この物語、決して”傷付かない物語”ではなく、理不尽に傷付けてくる人間をしっかり描きながらも、そういった人間だけじゃない、味方でいてくれる人もこんなにもいる、って描き方なのが個人的に大好きなところでした。

そうして下宿屋のみんなで、今回であれば椿子さんの問題を話し合って見事解決に導いたチームワーク(?)が最高でした。

 

……あとしのさんが光也さんに往復ビンタして起こそうとしてるのと他の下宿人たちがそれをコソコソ見てる光景がめちゃくちゃ好きです……www 光也さんのキラキラはしのさんには特に効かぬ( ̄▽ ̄)

 

家族のご令嬢が主人公となるとどうしても知り合うことになる人物は限られますが、それが下宿屋をスタートさせるということで一気にいろんな人が顔を出すのがとても面白いですよね。しかも面白い人ばかり(笑)。

特に正鵠は印象的でしたね~www 図々しいとも言える押しかけ方をしたワケだけど、何だか憎めないという(笑)。紗子のお父さんやおばあさんはどうしようもなく図々しいけど、それとはまた違う。。。

この憎めなさは正鵠の生まれ持っての才能ですかね( ̄▽ ̄)

 

そんなにぎやかな下宿生活もさることながら、紗子の女学生姿も拝めたのがとてもうれしく(。-_-。)

いいですよねぇ、クラスメイトの婚約が決まったとか、すれ違った上級生に挨拶するとか、同級生だけどお互い名前にさん付けで呼ぶとか。

特に椿子さんの紗子への当たりのきつさを椿子さんの友達が注意するというのが印象的でした。何というか、そういうの女子の派閥(?)的なので判断するんじゃなくて、普通に道理として見てそれは違うんじゃないか、みたいな。あの子が単にいい子だったのもあるだろうけど(笑)。

 

梨影さんも素敵だったなぁ~✨✨✨

まず「梨影」って名前が素敵よねぇ(。-_-。) ~子、じゃないんだって。あと影って名前に入ってんのカッコよろし(`・ω・´) ちなみに「紗」の字大好きなので紗子って名前も目に入る度にときめきます。

彼女は華族ではないんだよね。それでずっとお行儀良くは無理! ってところとか、紗子の為に椿子さんに怒ったりとか。あれだけハキハキ自分の意見を述べられるって、そりゃあ下級生も憧れる!www

 

紗子と伊織さんの恋模様も好きなんだけど、私的には……尚彦とりんがとても……キュンとくる……!!!/////

2人とも実年齢以上にしっかりしていていい子だよね。もしかしたらこの時代、11歳やそこらでそうなるものなのかもしれないけど、尚彦は次期当主って自覚がもうあってお姉さんを支えようとしていて、りんもしのや紗子のお手伝いをがんばっていて鞠子の面倒も見ていて。

何かもう……この健気な恋、応援するしかない……!!!✨T ^ T✨

 

りんは身分差的にかなり気が引けている様子だけど、尚彦はまっすぐりんに好意を示している気がします。この2人のその後のスピンオフください(真顔)

そして鞠子がかわいらしくて本当に和みます(。-_-。) 序盤でのエピソードは尚彦も年相応で2人ともかわいらしかった。

 

このお話は全3巻なんですが、この1巻をよく読み返していた記憶はあるもののあと2冊は多分全然読み返せていなかったような……? なので今後読み返すのが楽しみです。

 

余談。
おまけ話で伊織さんが言ってた謎のお菓子……何だったんだ……?www

 

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