鞭展開度:★★★☆☆
陰謀度:★★★★☆
少女の覚醒度:★★★☆☆
【あらすじ】
人気沸騰! 男装の少女が王国の歴史に名を刻む──壮大な学園ストーリー!
門閥貴族の子弟を抑え、田舎騎士の弟が第一席の栄誉を賜る。王立士官学校≪黒の門≫でも異例の快挙を成し遂げたアリシア。少女であることを隠した華奢な少年の功績に、宮廷もざわめくのだった。
その頃、王都に大きな脅威が迫っていた。灰色の革命家──タツミ・アンジュが王族暗殺を画策しているというのだ。廷臣たちの思惑が絡み、黒の門へ護衛の任が下される。
学園を出て王都へ。少年少女たちを陰謀渦巻く危険な任務が待ち受ける! 波乱激動の第2巻。
今回も面白かったー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
前回、ランス島内乱で見せた才覚を取り戻し、しかし再び失ったアリシア。やはりそう上手くはいかないか、そうだよな時間がかかるよなと思っていたら陰謀渦巻く王都はそんなアリシアを待ってくれるほど生優しいものではなく……。
2巻にしてもう陰謀の只中に巻き込まれることになるアリシアを始めとした上位10名の学生達。舞台が《黒の門》から王都全体へと及び、さらに面白い展開が待っていました。
しかし立ち塞がる敵は想像以上に強大で……。
以下ネタバレあり↓
いやー、一気に陰謀渦巻いてきましたな!!!!!
……というのが読んでみての感想。もっとゆっくりアリシアの変化が起きるのだろうかと私個人は気長に構えてすらいたんですが、戦乱の足音が確実に近付く世界はそんなに悠長に待ってはくれなかった。
さらにランス島内乱には我々読者が未だ知らないことがたくさん隠れているようで。。。
……何で気付かなかったんだ私!!!!そもそもセドリック陣営とエレナ陣営に二分された理由がまったく書かれていなかったことに!!!!!(汗)
話についていくのに必死でちっとも頭追いついておらんかった……( ̄▽ ̄;) などと反省しながら読んだ2巻。
タツミ・アンジュがあまりにも強大過ぎる。
戦闘力とか策略とか変装術とか脅威を挙げたらキリがないんだけれど、何よりも人の心や才覚を理解し過ぎているところが本当に怖い。
イェレミアス・ギーヴルの器と火種。アリシア・リーヴラインの才覚と可能性。王都の腐敗ぶりを正確に把握しバトゥ・サインをも妨害する。
それでいて、ただの夢想主義者じゃないところが本当に怖い。他者よりできることが圧倒的に多く実現できることしか口にしない。それにイスカンダル王国への叛乱を企てることがマトモじゃない判断とは思えないというか。
今まで失った仲間の死を無駄にしない、といった意志もある。1巻感想でも書いたように、ここにも頂に近い位置にいながらも確かにタツミも『人間』なのだと思い知らされる。
そしてそしてのアリシアの兄イェレミアスなんだけれど、そういえばアリシアやジーク、バトゥ、タツミといった恐るべき力を持つ者達が一目置いている彼について、私はほとんど何も知らないな、とふと思った。
どうやらすごい人らしいのはランス島内乱をアリシアと共に生き残った点からも分かるけれど、1巻でアリシアの才覚がしばらくピンとこなかったの同様、こちらも実感は薄い。
本当にイスカンダル王国叛乱の火種を抱えている人物なんだろうか? とすら思えるほど。
アリシアのことも理解し切れたとは言えないけれど、彼女が慕って止まないイェレミアスのことはもっと知らない、と実感してしまったのだ。何だかそれは怖いことのように思えた。
アリシアを想い、ランス島の民を想う騎士。それが私の中でのイェレミアス像だ。
そんな彼がいつか再登場し、その脅威に実感を与える日が来るんだろうか。読者としては楽しみでありつつ、ハラハラでもありつつ。
しかしアリシアとジークにお揃いの外套を送ってくれるところは胸があたたかくなったなぁ。。。できればこの兄妹、そして主従は笑い合って再会してもらいたい。
それとジークはお金を全部アリシアを着飾ることに費やしてしまうのねwwwww 今回も安定の金勘定が入ったので自分のことに使いたい案件がたくさんあるのかと思いきや。
ユスフもアリシアに甘いけれど、ジークも本当にアリシアに甘いよなぁ……(笑)。「甘い」の方向性が違うというか( ̄▽ ̄)
ユスフは今回もアリシアに見とれているようでふふっとなりました(笑)
そして相変わらずそうした割合が本当に少ない。何たる微糖。そういうの大好きですよ(`・ω・´)
アリシアとジークが当たり前のようにお揃いの外套を身に付けていることに対するモヤモヤはどういう嫉妬なんだろうね? 恋愛っぽい何かでありつつ、アリシア――イェレミアスの隣に立っていたい、支えたいといった類でありつつ。違ったらすいません(笑)
さてさてそんな恋愛超微糖イスカンダル王国物語だけど、ジーク……カサンドラのことが……!!!
そのシーンに限ったことではないんだけれど、アリシアとジークは視線だけで会話してること多くてホントいい主従だよなぁと勝手にほっこりしております。
アリシアめっちゃ冷静に難しい判定出してたなー( ̄▽ ̄;) ユスフの意識が自分に向いていることは気付いてなさげだけど。
森山先生のあとがきにジークの恋については「90パーセント成就しない」と書かれていて笑いましたwww いやでも10%もあれば可能性は大きい方なのでは……⁉︎⁉︎ 私は数%と踏んでいたので。←
どちらかといえば、私はアリシアとカサンドラの今後の関係が気になるなぁ。……いや恋愛じゃなくてね?www
カサンドラは相変わらずアリシアを侮らず純粋な興味を抱いている様子だし、アリシアはカサンドラに憧れを抱いていて彼女に認めてもらいたいとすら思っていた。
友達になれるのかはさておき(難しそ〜……www)、この女同士の関係性が今後どう変化していくかはかなり気になるところだな、と思ってます。……分かるよアリシア、私もカサンドラ結構好きだもん(笑)
あと面白かったのはジークが料理でも有能(※しかもあらゆる方面に)であることとアリシアの料理がアレらしいことかな……www
ジークはどこまでママを極めるのよ。あと戦乱でというより過労死しそうでめっちゃ心配です。本当に寝てほしい。
アリシア気持ちは分かるけどそろそろ仕事をしような。君の大切な従者が過労で死ぬ。
さて話を真面目な方に戻すと(笑)、2巻にして早くも死人が出るという鞭展開。あまりにもタツミ陣営との戦力差があり過ぎて勝負が一瞬でついてしまう。故に読んでる側までもが「えっ???」と一瞬何が起こったのか分からなくなるという。
トラウゴットの死が結構衝撃的だったなぁ……。今回初登場でそんなに出てきたワケじゃないんだけれど、何だろうね、思いの外ショックでした。
確かに一瞬前まで生きてたって描写があったから余計になのかなぁ……。今後もっとアリシアとかかわっていくのかなとか思ってたし。あとは純粋に学生が死ぬって状況に悲しいものを感じたのかな。
今回こうして感想を書くにあたって改めて最初から読み返してみてたんだけど、タツミが何やら言語のお勉強をしてるっぽいシーンに「あ―――――っ!!!!!」……てなりましたね(笑)。儀仗兵の件の伏線じゃないかー……!!!
そんなイスカル神殿でのアリシアvs.タツミがアツかったー……!!!
1巻の時と違って、自分の意識は保ったままアリシア・リーヴラインとしての才をもって対峙したアリシア。ここでの葛藤とそこからの踏み出しは見ていて気持ち良かった。
この時点で、引き返せない一線を越えたのかなとも思いつつ。確かに猛攻を見せたアリシアは格好良かったしこのシーンめっちゃアニメ化してくれ……!!!なんて思ってた(笑)
少女のような美少年(正真正銘女の子なんだけれど)と神々しささえある叛逆者の一戦なんて見応えがあるに決まってた。文章だけでも興奮冷めらやずでした(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
そうして覚醒を促進されたアリシア。しかしそんな彼女でもまだ足りないものがたくさんあるようで。
まだまだ発展途上のユスフやヘルムート達の今後の変化も楽しみにしつつ。
2巻でこの展開ってことは、次巻はもっと激化するんだろうな……と気を引き締めつつ続きが楽しみな今日この頃です。表紙もお次は誰になるのかめっちゃ楽しみ(。-_-。) アリシアのキャラデザが好き過ぎて。
今回初めて読んだ本に3つ部門(?)を作ってMAX★5で判定するのをやってみました。人によって考えは様々ですが、私としては冒頭の通りとなりました。アリシアはまだまだ覚醒の余地が多分にあるなと思ったので★3にしてみました(笑)
この★判定は今までのブログにも後々つけていきたいなぁと思っております(。-_-。)
やー、イスカンダル王国物語ほんっと面白いな!!!
余談。
スヴェン、布を取れ。