鞭展開度:★★☆☆☆
人であるということ:★★★★☆
〇〇〇〇:★★★★★
【あらすじ】
書籍 シリーズ別 神招きの庭 – 集英社 オレンジ文庫 (shueisha.co.jp)
兜坂国では神々は実体を持ち、人の営みに介入する。神命に逆らう力を持つ綾芽は、滅国の危機を救ったため春宮(東宮)の二藍の妃に取り立てられた。二藍は、人と神の性質を持ち心術を操る“神ゆらぎ”。綾芽は、二藍を人に戻す方法を探していた。そんなとき、隣の大国・玉央の神が兜坂国に凶作をもたらす神命を下す。災厄を回避するために綾芽と二藍が講じた策は……。
読み返し連続で9冊目!www 前回『竜宮輝夜記』で神様が出てきた平安時代風のものだったのでそんな感じにこちらに致しました( ̄▽ ̄)
今回は斎庭を揺るがす大事件が起きるというよりは1巻で築いた関係を経て綾芽と二藍がより歩み寄る話だったって感じかな。……まさかの〇〇〇〇回ですよ……!!!
そしてやっぱり知恵を以て神の理不尽に立ち向かう斎庭の者達は本当に格好いい。
以下ネタバレあり↓
先程書いた〇〇〇〇。……そう、ヤキモチ回ですよ!!!!!!
正直1巻の終わりでの二藍と綾芽の関係はハッキリと恋仲なのではなく2人が口にしていたように「友」と呼んだものだと思い込んでいたので結構ビックリでした(笑)。
……そして綾芽が本当にかわいいんよ!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
二藍に対する素直な好意がかわいらしい。彼の言動にすごく一喜一憂するし、彼に向かう言葉にはいつも心底から心配していたり思いやっているのが伝わってくる。
千古に比べて自分は……と落ち込むところも、綾芽には悪いけど正直ものすごーくかわいかった(笑)。
対する二藍の素直じゃなさときたら………………………………( ̄▽ ̄;)
本当は綾芽を他の女が浮かばないほど美しいと思っていたり、十櫛に対して激しい嫉妬を覚えたりするほどに綾芽のことを想ってくれているのが分かったのはうれしいけど、カッコつけ過ぎ、そして言い過ぎ。鮎名が「お前は意気地なしだな」とズバリ言ってくれたのが本当にその通り。
せっかく綾芽がつけた紅を「似合っていない」はブン殴ってやろうかと思いました(肩をまわしつつ)。
だからこそ、ようやく綾芽に切なる願いを口にしてくれた時はジンとしました。飾り気のない言葉。本当は、頭がすごく痛い。体もだるい。ずっとそばにいてほしい。――わたしも、人になりたい。
こうした願いを口にすることの、なんと難しいことか。逆に綾芽は泥まみれになってでも成し遂げてやる‼ ……みたいなたくましい平民魂に溢れているので(笑)、二藍はもっと学んでください。
そしてやっぱり神に抗う人の様が本当に今回も胸を打つ。
神の一挙一動を見定め、頭をさげているふりをしながらいなす。そうやって時間稼ぎをする間に、人の利になる道を探す。人の手で先へと進む。
鮎名の言葉もまたすごく好きで。
(消えろ)
(これ以上、我らの民の稲を奪うな)
我らの民、という言葉に、民を守るべくどれだけ心血を注いでいるかが伝わる。愛情という言葉ですら生ぬるい、「護る」という矜持が強くそこにある。
それと、千古のセリフで好きな言葉。
「なければ選べないけど、あれば選べる。選ぶのって楽しいよ」
自分の野心にどこまでもまっすぐな千古、きっと努力に裏打ちされた自信を持つ千古のことが、結構好きです。
……那緒のところは……切なかったな……。二藍の言うように悲しいことではないとしても、やっぱり。
にしても儀式が上手くいってめちゃくちゃよかったのも束の間、石黄に関する謎が深まったりまさかの千古に心術がかけられていたり得体の知れない羅覇の存在であったり……。このあたり鳥肌が止まんなかった。
3巻まで読んでるからこの後どうなるかは知ってるんだけど、それにしてもかなりいけずな終わらせ方だよねwww ……そんなところも好きだ……!!!
またいろいろ読んだのち3巻を読み返して感想を書こうと思います。
余談。
蘇……おいしそう……(ジュルリ)。