鞭展開度:★★★☆☆
視える度:★★★★★
考察度:★★★★★
【あらすじ】
王宮の謎を聖女が解き明かす!大注目の謎解きファンタジー。
霊が視える少女ヴィクトリアは、平和を司る〈アウレスタ神殿〉の聖女のひとり。しかし能力を疑われ、追放を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士アドラス。「俺が“皇子ではない”ことを君の力で証明してほしい」この奇妙な依頼から、ヴィクトリアはアドラスと共に彼の故郷へ向かい、出生の秘密を調べ始めるが、それは陰謀の絡む帝位継承争いの幕開けだった。皇帝妃が遺した手紙、20年前に殺された皇子――王宮の謎を聖女が解き明かすファンタジー!
面白かったー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
主人公が霊や魔力が視えるんだけどそれ以外はまったく特殊能力がないとか、それ故にきちんと状況を整理して考えていくめちゃくちゃアナログなところとか(笑)、依頼人(?)であるアドラスの「自分が皇子”ではない”ことを証明ほしい」というオーダーとか。
どこか王道からちょっと外れてる感じがちょいちょいあって、それがまた楽しいお話だったなぁ。。。主人公が万能じゃないお話大好きなのでとても楽しめました(。-_-。) 智恵と勇気でいてこませ(`・ω・´)
ヴィクトリアの変化もこれまた楽しかったです。
それと推理が当たってめちゃくちゃガッツポでした(`・ω・´)
以下ネタバレあり↓
特殊能力に頼り切るのではなく自分の頭でちゃんと考える系が大好きなのでこの話はドンピシャなのでは? などと思って買ったワケですが。
想像以上に『考察』だらけの物語だったなー!!!www いやそれが楽しかったんだけど!
ヴィクトリアの「視える」力が想像以上に真実への足掛かりにはならないんだよね。……って書き方だとクレームみたいに見えちゃうのかな⁉💦 違うんだよ!! それが全然ガッカリなんじゃなくて面白いんだよ!!!
どっちかというと聖女ジオーラの教えの影響が大きかったかな。あぁいう女師匠大好きやで(笑)
ヴィクトリアはぽやんとしては見えるけれど見た目以上にかなりドライな印象を受けたなぁ。あまり感情的にならずに客観的に物を見ているような感じ。俯瞰しているとか諦観しているとか。外見がかわいらしい分いざ口を開くと初対面の人はみんな驚くのでは(笑)。
個人的には『境界のRINNNE』の桜ちゃんを思い出すなー!!!www やはり視える女はクールになるものなのか……( ̄▽ ̄)
アドラスさんは何というか……豪胆というか大物というか……(笑)
あそこまで肝が据わっていて皇族じゃないとか逆にウソだろという堂々たる審問会への乱入ぶり・ヴィクトリアの拉致ぶりだったよなぁ……( ̄▽ ̄) 辺境騎士として育ってきてるからそういう教育受けたワケじゃなかろうに。
そしてそっからリコ君の苦労ぶりも窺えるような……www そこにぽやんとドライ少女ヴィクトリアも加わりリコ君の苦労度がさらに跳ね上がるという。。。ボケが増えてしまったパーティでございます。
さてそんな大物っぷりを発揮しながら皇子とは認めていないアドラスさん。
クレマ妃の手紙読んで「さてはアドラスさんエミリオ皇子ではなくフェルナンド皇子だな?」とは分かったものの。
細かい推理の方があんまり当たらんかったなー!!!www
エミリオ皇子が呪殺されているとは思っていたものの、てっきりアドラスさんと現フェルナンドは取り替えられたのだとばかり。そしたらそもそも、マルディナは子どもを産んでいたワケではなかったと。
エミリオ皇子がそもそも何故呪殺できたのかというのも考えられていなかったな……www 答えはめちゃくちゃシンプル。エミリオ皇子に加護の儀をしないよう根回ししていたから。
それらの謎を解くのに、本当に”視える”力そのものが決定打にはならなかったのがまたいいよなぁ。
結局クレマ妃やマルディナの霊とは会えずだし、せいぜいクレマ妃の手紙に魔力的な細工が施されていなかったことやアドラスの聖紋が本物であることがヴィクトリア目線だと確定なことぐらいか。
ヴィクトリアが帝国議会に乗り込むところはカッコ良かったなー……!!! 本当にミアの言う通りヴィクトリアは変わったよなぁと。
どことなく、あまり他人に共感できない子だとヴィクトリアのことを思っていたんだけど。
アドラスのストレートに自分の気持ちを口にして、自分の気持ちに従うところとか。自分の望む結果ではなく真実に向き合うところとか。家族やリコ、そしてヴィクトリアを大事にするところとか。
そういうのに触発されたのかなぁ。ヴィクトリアを何か覚醒させてくれたのがアドラスさんなんだよなぁ。どんどん自分の意志――というよりか気持ちを開花させていくヴィクトリアを見ているのは楽しかった。ミアに一泡吹かせてやったのはナイスでした👍
師であるジオーラと同じく真実を追うことにしたヴィクトリア。俯瞰する力、客観視する力、追究する力は元々培われていたワケなんだけど、人の気持ちを知った今だからこそより真実を見定めることに意味があるんじゃないかなと。
話追ってくとオルタナはすごく人間くさくて嫌いにはなれない感じがしたワケなんだけど、どんなに誰かを苦しめることになっても真実を追うと決めたヴィクトリア、誰かを苦しめることになるのであれば真実を伏せる、捻じ曲げるオルタナ。真逆の立場の聖女がいるのはいいことなんじゃなかろうかなどと思ったり。無論それ故の内部抗争があって大変だろうけども……( ̄▽ ̄;)
何だかんだで、黒幕じみていたアルノーズ侯爵がかなり印象に残ったなぁ。
フェルナンド皇子(アドラスじゃなくてね)を傀儡としてしか思ってなかったのかと思いきや、実の孫であったアドラスをそうと分かっていながら殺そうとしたり皇帝継承選の座から引きずり降ろそうとしたり……。何だかフェルナンド皇子に情があったように見えてしまうのは気のせいかな。
ヴィクトリアに追い詰められる最後の最後までとんだ食わせ者であったのに、そこにきて急に理にかなっていないところが見えてくるのがいいなぁと。
フェルナンド皇子に皇帝の器があるようには到底見えなかったけれど、いきなり自分が皇族ではないと暴かれるのはめちゃくちゃかわいそうだなぁとも思ったり。今後この物語が続くならアドラスとヴィクトリアへの復讐に燃えそうな立場だよね。その場合500%利用されて切り捨てられることになるのでそっち方面に行きませんように。アドラスならアフターケア行いそうな気もするけれどwww
思いの外登場人物が増えていってて楽しかったなぁ。お気に入りはやはりザザヤさんですかね(笑)。
呪術師の歴史とか呪いという概念などなどが非常に面白く。。。ザザヤさん主人公のスピンオフなんて出てくれてもいいんですよ(暗黒微笑)。
ロディス皇子の隙のない感じもかなり好きでした。ベルタは賑やかし要員なのか?(真顔)
この1冊で見事に謎が解き明かされかなり読後の満足感・達成感の強い作品でした。ラストはノンストップで読み進めたよね(`・ω・´)
あんまり恋愛とか期待せずに(……というかこのストーリーの本筋でもなさそうだったのであまり考えずに)読んでいたんだけど、いや~ラストにやられたね!www
どうもアドラスさんに人タラシの気があるようだからそっちがヴィクトリアをワタワタさせるのかと思いきやヴィクトリアの方がうわてだったー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
無自覚天然発言カワイイ。それに対するアドラスさんの「……え」もイイ。こんな風にペースを乱されるアドラスさん珍しいなぁ……!!!
そんなワケでアドラスさんの方が先に自覚症状が出たワケなんだけど、ヴィクトリアはめでたく聖女位のままだからこれはなかなか難しい道のりですよ!! アドラスさん!!!(笑)
皇位継承権第10位となったアドラスさんも大変な立場に置かれたワケだしなぁ。そういったことも含めて今後の話も読みたいな!!!
あとヴィクトリアは眼球が常に”視える”状態にあるから常時魔力を使っているも同然で彼女自身の魔力は常に少ないってメカニズムが好きでした(どういう締め)。
余談。
ヴィクトリアちゃん、モテますなぁ……www