鞭展開度:★★★★☆
神秘の開花:★★★☆☆
その恋は誰そ:★★★★★
【あらすじ】
緋宮という女神的存在になった女子高生、知夏。だけど、大地を守護する知夏の神花が咲かない!! けだものたちが国を襲う楽奪い月(らくばいつき)まであと少し。知夏は国を去ろうとする神様と直接話し合うことに!
ふと読み返したくなりました『花神遊戯伝』、前回のらく魔女感想同様気が向いた巻から読み返すことにしました(笑)。糸森先生のお話の中でも1番大好きなお話、そして私が初めて読んだ糸森環作品でもあります。。。
ふと某人気ゲーム(ヒント:最近新作が出ましたね!)の姫様とこの巻での知夏の境遇が重なるところあるなぁ……と思い読み返してみることに。
久々に飛び込んだ『花神遊戯伝』、神々のおわす世界観が匂い立つよう。これが酔わずにおらりょうか、でした!(笑)
以下ネタバレあり↓
そう、聖なる力を開花させるのはどんな瞬間なのかを知りたかったのです。
つまり花神だと知夏が神花を咲かせるのはどのタイミングだったか、というワケで。……そういう細かいところを忘れてたんですねー( ̄▽ ̄;)
とはいえ、例えば勉強だったらこの公式を覚えるとか、声に出すよりも紙に書いて覚えるとか。スポーツだったらこの筋肉を鍛えるとかフォームを変えるとか。そんな風に具体例のない架空の神秘の力を目覚めさせるのって、現代日本からやって来た知夏からすればあまりにも抽象的なもので。
それがどうやって開花するか、糸森先生ならどう描くか、を中心に読んでいました。
しかし久々の『花神遊戯伝』の魅力的なこと……!!!
他者の命を切り捨てなくては生きていけないほどの厳しいむごい世界。でもその中で確かな星の輝きがあるのです。。。知夏の目線で、知夏の言葉で語られる”この異世界”に惹き込まれずにいられません。
セリフの1つ1つ、動作の1つ1つまでどこもかしこも惚れ惚れさせられる。
さて、知夏が神花を咲かせた瞬間ですが、まさかの違う誰かの記憶がよみがえった瞬間という。
私の中で、こういうのって誰かを助けたくて――そこまで追い詰められてやっと――という印象があり。しかしこの知夏がまったく違っていて、今回めちゃくちゃ驚きました。……しかもその記憶をもう忘れてる‼‼(汗)
遠凪さんが思わぬカンフル剤になった感じ、なのかな……? それでこの異世界に一気に染まったというか。それ故の知夏への負担もこれまたハンパない。。。
知夏の遠凪さんに対する情は間違いなく彼女自身とは違う者の情が入り乱れてる様子でハラハラさせられますね。
今回読み返しててふと思ったんだけど、あの”誰か”の思いが突き上げるシーンを描く為に知夏の「私」目線で地の文書いてきたのかな……?
あの知夏が”誰か”に染まる描写がめちゃくちゃ印象に残ってる。
そうして遠凪さんに並々ならぬ想いを抱えつつも、知夏が好きなのは胡汀なワケで。
だって私は胡汀の飼い鳥だ。胡汀一筋、胡汀大好き、胡汀と一緒にいたいんだもん!
……いやもうかわい過ぎか!!!!!!
とても良い恋の自覚を見せていただきました(。-_-。) やはり恋と事件は乙女の勲章。。。(←コレ糸森先生のお言葉) このシーンほんと大好きです。
にしても知夏って改めてふり返るとほんとオモロイ子だなーwww あの独特の独り言とか美形大好きを公言して憚らない感じとかみんなにお仕置きされがちなところホント大好き過ぎる(笑)。
また糸森先生の作品でこういうイジられ(?)主人公を見てみたいものです。……『かくりよ神獣紀』の2巻出てくれたらうれしいなぁ……(そっとアピール)。
そしてこの巻は2巻でとても怖かった朝火さんに1歩踏み込む話でもあり。ちなみに私の推しです。←
知夏が知夏なりのやり方で朝火さんを少しは御することができた感じがして大変良い(。-_-。) そして彼が”緋宮”に入れ込む理由がとても人間くさいのが心に残っております。
糸森先生は知夏同様、小さなものやことも全て拾い上げるなぁ、と改めて思ったりもしていました。……それがいずれ悲しい結末につながるとしても。
椰真ちゃんが”獣”から落ちた知夏に狼狽するところが結構心臓にウッてきたわ……_:(´ཀ`」 ∠): 長さんやときごえ様はひどく悲しい。
最後の知夏と胡汀のやり取りはとても甘く、知夏の「痣を焼いてください」は彼女の緋宮としての深い覚悟が感じられ。しかし恋も任もそう簡単に上手くはいかなさそうな終わり方。……読み応えあり過ぎィ……!!!
……というワケで改めて読んでみても本当に面白かった『花神遊戯伝』、今後ランダムに(笑)読み返して感想も上げようかなーと思っております! また別の巻でお会いしましょう✨(めっちゃ先になる可能性ある……( ̄▽ ̄))
余談。
……あの伊織さんもとうとう折檻を……www