鞭展開度:★★★☆☆
まるで海外小説:★★★★☆
でもやっぱり糸森環作品:★★★★★
【あらすじ】
ジュディは触ったもの全てを眠らせる。そのせいで養父に疎まれ悪名高い“階段坂の魔法使い”と婚約することに! なのに魔法使いから結婚するつもりはないと拒絶され、帰る所のないジュディは彼のもとに居座るが…?
絶対『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を読んでた影響なんだけど(笑)、手紙を扱うお話が他にも読みたくなって階段坂を読み返しました( ̄▽ ̄)
……いやー、改めて読み返すとホント面白いなぁ!!!
しかし文字数の関係上仕方ないとは思うんだがあらすじに鳥獣郵便のことは書いておいてほしかったー!!💦 ここが本当に魅力的なポイントの1つだから(>_<)
魔法の郵便を扱う郵便局がとっても素敵なんですよというのを読んでない人の為にここに記しておこう。手紙も本当に素敵なんだ。
と思いつつ既に読んでるものなのでサクッと感想……にするつもりなんだけどサクッとするかなぁ〜〜〜〜〜〜( ̄▽ ̄;)
以下ネタバレあり↓
あの糸森環作品なのに全然鞭じゃない!!!!!!
……という毎度おなじみ感覚麻痺故の驚きと共に当時読んでた記憶。……いやいや、しっかり人の心の弱さとか他人を傷付ける言動とか描かれてるから( ̄▽ ̄;)
ただ、弱くて醜いだけじゃない深い愛情や心弾む恋をも描いてくれているんだよね。だから他人を、前よりほんの少し信じたくなるお話。……いや決して私が人間不信というワケではゲフンゲフン。
主人公ジュディの強さと弱さを兼ね備えたバランス加減……もしくはアンバランスさと言うべきなのか、その塩梅がさすがですよね。もうね、めっちゃ好き(笑)
「人を強くするのは愛じゃない、仕事のあとのパン!」
……って言葉がたくましくて大好きなんだけど、他人に拒絶される痛みを知っていて臆病でもある子なんだよなぁ。。。
「人に嫌われるくらいなら、自分を嫌いになるほうがまし?」
「あなたは、自分を失うくらいなら、他人を失うほうがまし?」
……本当に相変わらずドキッとさせるよなぁ!(笑)
鳥獣郵便、めちゃくちゃかわいいですよねー(。-_-。) 糸森環先生の鳥獣ラブが相変わらず溢れてたなぁwww
私だったらリンみたいな狼がいいです。そしてでっかい獣のお腹を枕にして寝るという私の夢を叶えたい、叶えるまで名乗らない(`・ω・´)←
でもこの巻でのベストオブかわいいはペンギンですね!www
……ていうかリンですよリン。いやリンというかルイス。
他の存在になりすまして主人公の本音を聞きたがる系ヒーローでしたか!!!!!!
いやそこまではまだ見たことあるからいいんだけど2人と1頭になりすますのさすがに初めてなんだがwwwwww どの姿の時にどういう会話したか絶対ゴチャるやろ( ̄▽ ̄)
しかしこのリンの動作がまたかわいいんよなぁ……これぞ糸森環マジック。動物のかわいさの何たるやをよぉく心得ていらっしゃるのよホント。憎たらしいところまでも愛しているのがよく分かる( ̄▽ ̄)
ヴィクターの手紙を読んでるジュディの反応を窺ってるリンの反応がホントかわいいんだよなぁ、こんちくしょう!!!!www
でもホント一緒に寝た件についてはリンの歯茎グッてしてやりたい(歯茎グッとは)。
海外の児童書読んでるような気持ちにもさせられる不思議な文章だったなぁ。ジュディとヴィクター(……いやルイスなんだけど)のやり取りがまた小気味よくときめきを運んでくる(。-_-。)
ヴィクターは明らかにひねくれ者だし、ジュディはむっとするばかりだし。
……それなのに、どうしてこんなにムズムズニヤニヤさせられるんだろう……!!!(笑)
ジュディがむっとしながらも浮かれたり恥ずかしくなったりしてるのがたまらないし、ヴィクターが何だか素直じゃないなりに多分謝ろうとしてるんだろうなって手紙とかたまんない。
あとはジュディが魔法使いを庇った時のヴィクターのニヤニヤしちゃってる感じとか!!www
しかし個人的に1番粋だなぁと思ったのはロブでしょうか(笑)。無論英国流粋であります(`・ω・´)
ジュディのことを「レディ」と呼ぶのも素敵だし、セリフがいちいち茶目っ気があって魅力的なんですよねぇ。。。
「私は空想家じゃない。けれども、人は生きていくのに夢が必要です。夢見る余地もない暮らしは、人を枯らすから」
……大丈夫ジュディ、私もどきっとしたから!!!www
すごく覚えておきたい言葉だと思ったので書いてみました。ぶっちゃけルイスよりもロブの方が素敵だと思う(真顔)。
ロブのジュディへのたしなめ方がちょっと甘いのがいいんですよねぇ(n*´ω`*n)。あとリンへの容赦のなさよ……www
ジュディによる内部犯特定の流れも面白かったよなー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
正直エドモンドのことにばっかり意識が行ってて、そういう可能性をまるで考えとらんかった………………………………………………。
今回読み返すにあたってそのあたりの記憶はうっすらある状態だったので、読み返しながら「いやしれっと伏線入れとるやん……」て糸森先生の妙技にまた酔いしれておりました( ̄▽ ̄)
最後の手紙はあまりにもズルくありませんかー!?!?!?(泣)
ケニーがそんな風に思ってたなんて誰が思おうか。いやその前にジュディがかけられた呪いの正体にめちゃくちゃ驚かされたんだけど。
ホント糸森環トリック、最後まで読まんと全部は見えてこんのよね……。事件が解決してようが最後まで油断したらいけんやーつ( ̄▽ ̄)
ジュディも、キャスリンも、ケニーも、愛情と憎しみが混ざり合ったすごく複雑な感情を抱えてたんだよなぁ。。。
ケイシーの手紙、特に最後のP.S.的な文章にケニーとキャスリンのジュディに対する家族としての愛情が滲んでたと思ってる。
ルイスとジュディは、お互いややこしい呪いを抱えているしルイスは永久誓約なんか書いちまうし(やっぱ歯茎グッしよう(真顔))、ジュディは「魔法使いが私を嫌いでよかった」なんて言うし……。
こんなにも呪い以上にこんがらがった恋が他にあるだろーかッッッッッ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
しかし自然とそこまで重苦しく捉えずに読んでいられる……何だろう……ところどころでニマニマしちゃうやり取りや噴き出しそうになるところがあるからかな……www
ハッピーエンドが約束されてそう、っていうのが、お話全体から感じられるからってのもあるなー!!!
そんなワケで、お話から匂い立つ気持ちが上向く魅力的な魔力にやられずにはいられない作品なのでした(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
余談。
図書郵便、最高👍