『首の姫と首なし騎士』(睦月けい/角川ビーンズ文庫)

角川ビーンズ文庫

鞭展開度:★★★☆☆
主人公の理屈っぽさ:★★★★★
騎士の物騒度:★★★★★

【あらすじ】
建国の英雄の孫、シャーロットは、本を愛する末っ子姫。お見合いにも失敗ばかりの彼女は、父王から、建国時の戦での恐るべき活躍から「首なし騎士」と呼ばれる凄腕騎士、アルベルトと共に狩りに行けと命じられて!?

首の姫と首なし騎士 | 角川ビーンズ文庫公式サイト (kadokawa.co.jp)

読み返し強化期間まだまだ継続中(笑)。今回はこちらの王宮ミステリです。懐かしい!!!www

改めてシャーロットという主人公が大好きだな、と思う作品でした。もちろん首なし騎士も(笑)。

それぞれの意図に理性と人間らしさが絡んでいてこれがまた本当に面白いんだよなぁ。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

シャーロットの理屈っぽさが本当にいいんだよなぁ(笑)。

改めてそう思った1巻でした。何だろうね、単純に発言が面白いっていうのもあるし、長々しゃべってても何かテンポが良いというか、あ、コレ一生聞いてられるかも、なんて思うような。小気味いいってやつですかね?

多分本人的には1番ツライ時期を通り越してる故の諦観めいたもの(でもあきらめ切れずにいる何か)なんだろうけど、国王様やクローヴィスに皮肉で返せるので読んでてそこまでこちらもツラくならずに済んだといいますか。シャーロットは否定しそうだけどそれもまた強さだと思う。

 

それでいて、シャーロットの理屈っぽさ(笑)に引っ張られるのか、他の人達の受け答えも何か面白いwww パトリックの全力ツッコミも大好きです( ̄▽ ̄)

パトリックといえば、やはり日本人なのでタローにはふふっとなります。かわいいですねぇ。勝手に柴犬かなって思ってたんだけど挿絵見るともっと大きいような……??? 秋田犬の可能性も真剣に考え始めてる今日この頃です(真顔)。

 

さて、シャーロットが面白い一方で突然彼女の騎士となったアルベルトホースマンもまた面白く(笑)。

……うーん、どうしてもフルネームで言いたくなってしまう( ̄▽ ̄) いやそれはさておき。

物騒な呼び名と言動のせいでもっと猟奇的なのを想像しがちなんですが、実際の彼もまた理屈っぽいというか。これはシャーロットと相性良いのでは、と思ったのはかなり最初の方から。

あと、身分がいいワケではないのに妙に上品なんですよねぇ。。。シャーロットよりも下手すれば品がありそう(笑)。所作というか、本人から醸し出される雰囲気というか。

シャーロットとアルベルトの会話がテンポ良くてめっちゃ好きです👍

 

そうしてどこか理知的に物語が進む一方、人間らしい感情もたくさん絡んでいるのが印象的でした。しかもそれがシャーロット1人に留まらず誰もがそうであるという。……あのジョセフ・フォルモントでさえも。

どんなに大それた悪事に手を染めたとしても、どんなに物事を客観的に見つめようとしていても、心の奥底にある願いは実はすごくシンプルなことだったりするんだよな、と改めて感じた事件でした。認められたい、愛されたい。本当はただそれだけ。

 

クローヴィスが特に結構かわいそうだったかなぁ。。。

ずっと自分を縛っていた呪いが国王様の裏切りによるものだったなんて、あまりにもむご過ぎる。「悪かった」というたった一言にシャーロットが救われたのが何かまた分かるよね。

 

そしてそうした人間らしさの中にアルベルトも入っているのもまたこのお話の魅力。

シャーロットは本当にアルベルトが欲しがってた言葉をくれるよなぁ。本人ですら望んでいると気付かないでいたものなのに。

そして最後にお祖父様とアルベルトのやり取りを持ってくるのがニクイ演出ですよね(。-_-。) アルベルトがこのことを思い出す日が楽しみです。

 

こちらの作品、私実は5巻までしか読めてないんですよねぇ……T ^ T

これを機にちょこちょこ読み返しつつ現在出ている8巻まで買っていけたらいいなぁと思っています。そしていつか続きが出てくれたらうれしく思ったり。

読み返し期間はまだまだ続きます、乞うご期待~(笑)。

 

余談。
「ロッティ」呼びはヤバイ(真顔)。

 

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