『首の姫と首なし騎士 いわくつきの訪問者』(睦月けい/角川ビーンズ文庫)

角川ビーンズ文庫

鞭展開度:★★★☆☆
世界が広がり始める:★★★☆☆
答えは自分で:★★★★☆

【あらすじ】
末っ子姫のシャーロットは、兄王子のため城の仕事を手伝うことに。しかしやりがいを感じ始めたある日、暗殺されそうになってしまう! 凄腕騎士のアルベルトに救われるが、何者かの国庫の横領にも気付いてしまい!?

読み返しシリーズもう何弾目だ!?!?www たくさん続いていてうれしいのは確かです(。-_-。)

『首の姫と首なし騎士』今回は2巻、1巻にて引きこもり姫だったシャーロットがちょっとだけ(自室の)外に出ます✨

小さな1歩だけれど、そこからの展開がとても楽しかったです。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

引きこもり姫から一転(?)、王城の財務を担当することになったシャーロット。

一気に城を飛び出す!! 社交界デビューだ!!! ……とかではなく、まずはお城の中のことから。こうした、小さな1歩から始まる感じが何かいいですよね(笑)。ちなみに派手に一転させる展開も好きですよ( ̄▽ ̄)

 

とはいえ、お姫様が仕事をしているというなかなかに珍しい構図に。

お姫様や貴族令嬢といえば社交界に出たりお茶会したり政略結婚だったり、もしくは変わった姫でも引きこもって前巻のシャーロットのように読書しまくってたり。。。こんなにめっちゃ経理の仕事デビューするお姫様は新鮮です(笑)。

一見引きこもる部屋が書類保管室に変わっただけに見えますが、その財務の書類1枚1枚から城の営み、民の営みを感じ取っているシャーロットの豊かさがいいですよね。大変だけれど充実していて楽しそう。

デスクワーク経験者としてはちょっと分かるところあるなぁ(笑)。さすがに会社の営みを愛おしく感じ取れるほど丁寧にやってはいなかったけど……www ただあれこれ工夫して資料作成するのが楽しかったですね( ̄▽ ̄)

 

しかしその一方で、暗殺者に狙われるという前巻とはまた違う穏やかじゃない日々。……う~ん、花とタローを愛でさせてやってくれ!!!

シャーロットのタローかわいがりぶりが逐一見えるのが大変ほっこりします(。-_-。)

 

今回のアルベルトはシャーロットの護衛をきちんとこなさざるを得ない感じでしたね。それでてんてこまいという様子ではないのがアルベルトらしいけれど。

そんなアルベルトに、「あなた恐いの?」と問えたシャーロットはさすがアルベルトの主人なだけあるというか何というか……(苦笑)。いや本人は思ったことが口から勝手に出ただけなんだけどwww

でも、”首なし騎士”であるアルベルトがそういう状態であるって気付けるのがやっぱりアルベルトの主人たるところなんだと思う。カタカタ怯えるだけではそれは気付けない。アルベルト本人だって気付けてない。

 

剣を突きつけられるというひやっとどころじゃ済まない目に遭ってるけど(汗)、「”答え”は奪い取るものなのでしょう?」と答えを渡さないシャーロットがやっぱり格好いい。

怖いもの知らずといえばそうなのかもだけど(首なし騎士の物騒さに慣れてしまってるところはある……www)、それでさらにアルベルトに対して「鈍い!」って思えるのは強過ぎる。剣ではなく思考で戦う主人公は最高ですな(`・ω・´)

王族の娘として政略結婚に既に腹が決まってる感じも好きです。アルベルトはピリピリするけれど(汗)。

 

今回初登場のリオン!!! これより先まで既に読んでいるのでいい人なのは知っていたけど、なるほどシャーロットは昔の彼を思慮深く読み取っていたんだなと。そりゃ今もそうだって思っちゃうよな。

しかし心強い味方です。ハーヴェイも来てくれたことでますます今後のシャーロットたちが楽しみになってくる。

 

自分にはまだまだ知識が足りない、与えられた選択の中で選ぶんじゃない、自分で答えを掴み取るんだって、今回改めて意志を固めたシャーロットは格好いいですね。……女領主、私はいいと思うんだけどなぁ……(笑)。

 

シャーロットとアルベルトの仲は主従というか何というか。お互い相手が特別……否、特殊なものであることは確か(笑)。

男女の性差をシャーロットは突然意識したりはするんだけど、結局アルベルトの「変な男」ぶりに持ってかれるというか。そしてそれに、どこか安堵を覚えるような。

……という、この何ともいえない距離感がたまりません。ひどく歪んだ「愛してる」があるのが確実なんだけどなぁ、というのも踏まえて。

お互い減らず口叩いてるのもいいですよねwww 大好きです( ̄▽ ̄)

 

思ってもみない形だけれど、花とタローを愛でることができたのがすごくよかったなぁ。

 

今回の事件、コールが無関係であるのが何気にホッとしました。あとレイフォード……アルベルトより恐ろしい男なのでは……www

ダグラスが引き返せないほどの不正に手を染めてしまった理由が悲し過ぎましたね。そしてそれを覚えておこうとするシャーロットがこれまたいい。家族の愛をあきらめ切れなかったリトル・レディ。でも前へ進むと決めた王位を決める者。

 

いやセシルは怖いのよ!!!_:(´ཀ`」 ∠):

 

今回は過酷な馬車旅特にお疲れ様でした!!!(汗) 今後さらにシャーロットが世界を広げていくのを楽しみにしています。いずれ3巻感想で!

 

余談。
セシルにかかわってはいけないと思いつつ、もらった本に熱中してしまうシャーロット……分かるよその気持ち……!!!www

 

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