鞭展開度:★★☆☆☆
ヒミツの恋:★★★★★
これまでもこれからも、思い出を:★★★★★
【あらすじ】
わたし、みそら。ふつうの中学生、なんだけど、実は、事故で記憶をなくしちゃったんだ…!でも新学期、ロッカーからひみつの日記帳を見つけたの。書かれていたのは『わたしの好きな人』のこと!過去のわたしのためにも、ヒミツの恋の記憶を思い出したい!
そんななか現れた、優しいけど無愛想な勇晴くん、無口でクールな理雨、カリスマ生徒会長の八雲先輩の3人。彼らと目が合ったとき、頭にパッと映像が浮かんで、胸がドキッとしたんだ。あれ、前にも同じシチュエーションがあった気がする……?もしかして、『わたしの好きな人』って3男子の誰かなの!?
胸キュン☆スリルがとまらない新シリーズ。予測不能の【記憶そうしつ】ラブコメ、はじまります――!
久々に児童文庫新作です‼ あらすじもイラストもかわいい!!! ……ということで読んでみたのですが、内容もかわいい……!!!(笑)
ヒミツの恋にキュンキュンワクワクしつつ、最後まで「好きな人って誰だ……⁉⁉」と目が離せませんでした。至って平和なお話なハズなのに、ネタバレなしで感想を書くのが難し過ぎる‼‼www というワケで、
以下ネタバレあり↓
タイトルに「①」がついてる時点で、“てるてる坊主君”が誰か分からない可能性は考えていましたとも……!!!www
そんなワケで、今回は分からずじまい。もしここで判明した場合はその後どう進めるんだろう??? ……となっていたので、どちらにせよ続きが気になったことは間違いありません(笑)。
さて、まずは記憶喪失になってしまった天野みそらちゃんについて。
……みそらちゃん、かわいいなー‼www 記憶を失う前の恋に一生懸命な感じも愛おしいし今の記憶を失ってても前向きでにぎやかな感じも(笑)大好きです(。-_-。)
記憶喪失っていうと、もちろん私は出くわしたこと……いや実は記憶を失ったこと自体はあるんですよねー( ̄▽ ̄;)
小学生の頃、習っていたプールでプールサイドを走り転倒。後頭部を床に打ちつけ、次の瞬間には何故か自宅のお風呂で湯船に浸かっていたという。
その間、自分がどう過ごしていたのかまったく覚えていません。プールに行っていたこと自体が夢だったんじゃないかとさえ思いました。つまり頭を打ってから数時間の記憶がごっそり抜け落ちていたんです。……多分普通にその後泳ぎを習って帰って来たんだろうけど、他に変なことやっていないよな自分……⁉⁉
……という独り言はさておき、記憶喪失になっているキャラクターって記憶を失う前とパッと見人格が変わってそう、というイメージが、今まで触れてきたストーリー達によって出来上がっています。大人しくなって、ぼうっとしているような。
しかしみそらちゃんは明るかった(笑)。
というよりこれは地の文にも書かれていますが、記憶喪失という異常事態、知らない人達に囲まれているというパニックになるような状況を既に自分なりに乗り越えているんですよね。きっと家族やカスミちゃんのケアも適切だったのでしょう。
そんなみそらちゃんが記憶を失う前の自分の日記を見つけ、好きな人がいたということが判明するのですが……、
コレは本当に誰なんだ!!!www
いろいろと考えてみればみるほど「でもそうなるとここで矛盾しない???」みたいなことが出てきて混乱状態。児童文庫、侮りがたし。。。
そんなワケで容疑者(容疑者て)3人それぞれについての考えをば。
まずは椿勇晴君。
……正直彼が1番怪しいと思ってるかなーwww まずみそらちゃんの表面的じゃないことまで知っている、みそらちゃんに「勇晴くん」と呼ばれていた(つまりそれだけ親しかった?)、“あの花畑”を知っていた、など。人気者な彼とのやり取りを以前のみそらちゃんが隠していたのも納得がいきます。記憶喪失前のみそらちゃんが彼を苦手だと言っていたのも、みそらちゃんによるブラフだとすれば。
さらにメタ的なところを書くと、冒頭のあらすじで真ん中に配置されていたり、角川つばさ文庫の公式ツイッター(新X)のPV的なのでも男子達の中で最初に紹介されていたり。メインヒーロー臭がプンプンします(笑)。
挿絵でも、みそらちゃんが好きな人との記憶がフラッシュパックするところ、八雲先輩と理雨君は表情が描かれていませんが、勇晴君の時は彼の表情がバッチリ描かれています。にしてもここの挿絵、めちゃくちゃいいなー……!!!(笑) この演出、顔が見えない相手に対してはその人ではなく好きな人を見ている、というのを示唆しているのかなーとか。
……とは思うものの、写生大会で“思い出した”みそらちゃんに対しての勇晴君の反応が不自然なんだよなー……。だってみそらちゃんが思い出した内容について「誰に?」って訊くんだもん。その思い出を共有している人物だとしたら、その質問は不自然じゃないのかな……? ちゃんと思い出したのか確認する為に慎重に質問している可能性もあるけれど……う―――――ん……。
さて続いては八雲先輩。
正直、メタ抜きで事実だけを並べ立てると彼が1番“好きな人”に近いように見えます。
学校の王子様的存在なら高嶺の花だと思うのも納得。みそらちゃんのお兄ちゃんと友達なら、そりゃみそらちゃんとも前から繋がりがあるワケで。さらには彼の言動がみそらちゃんがフラッシュバックした“彼”と当てはまりやすい。
みそらちゃんの描いた絵が花畑だと分かったのも、去年連れて来たのが彼だとすれば。。。
……ただ、八雲先輩の話を聞いていると記憶を失う前のみそらちゃんは八雲先輩をいい意味で特別視しなかったらしいんだよなぁ……。ちゃんと1人の人間として見てくれているような。
もちろんそれは八雲先輩の目線から見た話だけど、ここがちょっと引っかかる。
最後は宝生理雨君。
……お前は1番情報がなさ過ぎるんだよ!!!!!www というワケで「この子は違うな」と断定することもできぬ厄介なキャラクターになっております( ̄▽ ̄)
正直、この1巻のみの情報を私なりに精査すると1番違いそうなんだよなー……。言動が「記憶を失う前のみそらちゃんを知っていそう」、でありつつ「記憶を失う前のみそらちゃんが誰を好きか知っていて、それをあきらめてほしそう」にも見えるというか………………………………。
ただそれだって、ブラフの可能性あるよね!?!? 例えば本当はみそらちゃんは理雨君のこと好きだったけど、理雨君はみそらちゃんが別の誰かを好きだと思って、それでいてみそらちゃんのことが好きで、今そんなややこしいことになっている、とか。
そこまでややこしくなくても、単純に記憶を失っていようがいまいが関係ない、とか。むしろ何か思い出してほしいことがあってそうしてる、とか。……いやもうホント分かんないね‼‼(笑)
あとは理雨君が相手だとしたらみそらちゃんが何故憧れの存在だと思ったのかが分からない……っていう言い方するとめっちゃ失礼になるけどwww
そうではなくて、勇晴君や八雲先輩みたいに、分かりやすい“人気者”、みたいな符号が彼には見当たらないんだよね。何だか男子より女子の中にいるのが自然っぽいけど、それは少なくとも、分かりやすい憧れの存在になり得るポジションではない。
後は“てるてる坊主君”という呼び方。
普通に考えれば勇“晴”君かなーと思うけれど、そのてるてる坊主が逆さまの可能性だってある。だったら理“雨”君が正解になる。
でも思い出そのものに付随した呼び方ならこれも関係ない可能性が……などともう、ごちゃごちゃ(笑)。
あと、例えば箱を開ける数字が本当にてるてる坊主君の誕生日だとして、勇晴君と理雨君は嘘をついている可能性もあるんですよね。八雲先輩の誕生日は、お兄ちゃんに訊いたから嘘ではな……いやあのお兄ちゃんなら間違ってる可能性もなくはないのか……www
みそらちゃんの記憶喪失に対する態度? も気になるところ。
記憶を取り戻すことについて、勇晴君と理雨君はどこか否定的。八雲先輩はみそらちゃんが思い出しても出さなくてもいいって感じに見えます。
みそらちゃんが本当にてるてる坊主君と揉めてたなら、勇晴君・理雨君の感じが当てはまるような……???
というかまぁ、ここまで自分で頭を整理する為に書いてきたけど、多分この1巻だけじゃ確定できないようになっているんだろうなぁ……(苦笑)。だからこその2巻が楽しみなワケで。
理雨君もですけど、みそらちゃんについても分からないこといっぱいなんですよね。勇晴君、八雲先輩共に「根っこはみそらのまま」という風に言っていますが、やっぱりそれってパッと見の印象は前と違って見えたということなんじゃないでしょうか。日記だけでは分かりません。
さて、そんなみそらちゃん、面白いのが“目の前の相手”にドキドキしているのではなく、“好きな人との思い出”にドキドキしていることなんですよね。今の彼女自身が恋をしているのとは少し違います。
何というかこう、記憶を失う前のみそらちゃんが、分厚い壁を何度も何度も叩いて、「思い出して‼」って叫び続けているような気がします。そうだとしたら胸がぎゅっとなる。
「よーし思い出すぞー!!!」という前向きさは児童文庫らしく明るく軽やかでワクワクしますが、それだけではありません。「本当に思い出せるの?」とグラグラ心が揺れるし、やっぱり記憶喪失になって傷付いていないワケがない。
そうした人間くさい弱い部分も描いてくれていて、そしてそこから立ち上がれるところも描いてくれて。そんなところに、惹かれないワケがありませんでした。
さてみそらちゃんの好きな人は誰だ⁉⁉ とそればかり書いてしまっていたので(笑)、キャラクターの印象も書いておこうかと。みそらちゃんについては書いたからそれ以外だな。
勇晴君。
こういう男子キャラ好きなんだよなー……!!!(笑) 多分世代どストライクです、いやこの手の男子はいつの世も王道なのか?ww
口の悪い感じがしますがいい奴です、間違いありません(笑)。挿絵の笑顔がまぶしい……!!!
続いて八雲先輩。
正直表紙イラスト見ただけじゃどういう人かある意味分からなかった‼www この手の王子様キャラって本当にいい人か腹黒かに極端に二分化するんだよなー……( ̄▽ ̄;)
結果優しくて人間くさい前者でした、よかったー(笑)。みそらちゃんのこと好きに見えるんですがどうなんでしょうね? あの人間くささがたまりません。
まだまだ謎が多い理雨君。
正直キャラビジュや雰囲気は好きなんですが、彼がいい子かどうかはまだまだ分かりません。みそらちゃんもカスミちゃんも前向きに捉えてるけどね。
ただ「知りたい」と思わせる点においてとてつもなく魅力的なキャラクターだなと感じます。
ラストで爆弾発言をかましてましたが、まだ「(~に行くの)付き合って」の可能性が否めなくて私は男子ズほどには凍りついておりません……(笑)。
今回、みそらちゃんのてるてる坊主君探しに協力してくれたカスミちゃん。
あらすじだけだとみそらちゃん1人で探すのかな~と思ってたらめちゃくちゃ協力者いた‼www 頼もしく優しい友達がいてくれてうれしい限りです(。-_-。)
ただ、そうなるとみそらちゃんが何でカスミちゃんにも好きな人のことを内緒にしていたのかが気になるところ。実は彼女も何かしら絡んでいるのかな?
みそらちゃんのお兄ちゃん、真宙君。
愉快なお兄ちゃんでしたねーwww あと八雲先輩をちゃんと対等に見ている気がします。八雲先輩、よかったね……なんて微笑ましく思いつつ(笑)
あとあの理雨君を手なずけてるの最強かな?(真顔)
そんなワケで、各キャラクターに惹かれつつ「好きな人は誰だ!?!?」とたくさん考えつつ記憶喪失に対するスタンスも楽しみつつ挿絵も堪能しつつでめちゃくちゃ面白かったです‼‼
2巻の発売が楽しみだー(。-_-。)
余談。
……自分の「ヒミツの恋」を全力で叫ぶみそらちゃん……www

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