鞭展開度:★★★☆☆
はつこい:★★★★★
ア・メーラ:★★★★★
【あらすじ】赤の国の婚約パーティにでかけたフウカたち。エンゲージリングをなくしてしまった王女にかわって、フウカたちがさがしにでかけますが・・・。
来月とうとうらくだい魔女の新刊が10年以上ぶりに発売……!!! ということで、1番印象に残ってたこの巻を読み返してみました(※書いた当時そのあたりの時期でした( ̄▽ ̄))。……今まで思い入れが強過ぎて逆に読み返せなかったという……www
そしてやっぱりほろ苦い“はつこい”に情緒をかき乱されつつ(笑)、改めてこの『らくだい魔女』のいろんな面白さを実感しました。大人だから読まないなんてもったいない!!! 一応大人である今だからこそやっぱりそう思えました(。-_-。)
以下ネタバレあり↓
“ちょっぴり初恋”を謳うらく魔女が描く、忘れられない初恋から前に進んで新たな恋に改めて向き合う物語。
……もうね、切なさがヤバイ!!!!!!(泣) 突然終わらせられた初恋に、消えゆく理想郷。カイ目線じゃないからこそカイはどう思ってるんだろうって考えずにはいられない。表にあまり出さないから思い入れがないなんてそんなワケがなく。
らく魔女、つくづくスゴイな~って思うのがこういうとこ。主人公のフウカ目線はそのままに、フウカがすべてを知ることはなくけれど読者には100以上を伝えている。らく魔女ならではの面白さでありスゴさだなぁと。
……いやカイのこと読者も把握し切れてないんだけどね!?!?!?(汗)(汗)(汗)
う~ん、裏主人公と言いたいとこなんだけど、それだとフウカと対になる存在、似て非なる存在みたいになるんだよなぁ。そうじゃなくて、カイはまったく違う主軸を持った主人公という感じがします。……え、ひとつの作品でまったく違うふたつの物語が同時並行で進んでおられる??? これも私的には新しい。。。
そして今回印象に残ったのはもちろんサヤ王女とカイ……なんだけど、思いがけずその次に印象的だったのはカリンでした。
カリン、チトセにフラれたのがつい数冊前。……フラれたっていうか、告白したワケではないんだけど「カリンは友達だ」って言われたのが突き刺さったワケでね……。
そんなカリンが、忘れられない、後悔している初恋を抱えているサヤ王女の為にすごく一生懸命で。そんな初恋から前に踏み出す為にあの指輪が必要なんじゃって、そう思えるのはチトセのことをきっとまだ大好きなんだろうカリンだからこそなんだよなぁ。。。
だから実は、カリンにとってもひとつの儀式だったんじゃないでしょうか。きっとまだチトセへの恋心から卒業……とはいかなくても、何か、ほんの少しでも前に進む為の。
さて、今回の主人公と言えるカイについて。
サヤ王女とのこともあるけれど、自分の故郷を自分の手で終わらせるという……!!!(泣)
いやコレほんとカイ目線で読みたかった。……でもらく魔女はフウカ目線だからこそだし、その時のカイの気持ちはカイだけのものだし……ぐぬぬぬぬぬぬ……‼‼www
サヤ王女への突っかかり方、結構胸にきたなぁ……!!! 本当に君は!! どんな気持ちで言っていたんだい!!!
きつい言い方をしていたけれど、つまりは自分のことなんて忘れて幸せになってくれって、そう言ってるワケで。
サヤ王女はカイがレオだって気付いてないけど気付いてるんだよなぁ。
レオはどうやらかなり無口で表情も分かりづらかったようだけど(顔を隠していたってのもある)、それでも“どういう時に”“どういう仕草をする”かちゃんと分かってるんだよね。もうこれだけでサヤのレオへの愛情が伝わってくる。
にしてもカイって、年齢どうなってるんだろう……? カンドラの民だから年を取らなくなっている??? だとしたらそれはそれで悲しいんだが!?!?!?(泣)
分からないけど、そのあたりでフウカも点と点を線にしかねてるんだよなぁ。多分チトセやカリンも。……果たしてこの謎が解ける日は来るのか……(遠い目)。
話を本編に戻しましてラストでの怪盗Xとサヤ王女のやり取りと挿絵が!!!!すごくいい!!!!!(泣)
怪盗Xに攻撃しようとした衛兵を止めたのが他でもないサヤ王女の婚約者のユリシス様なのもまたすごくいい……!!!✨T ^ T✨ サヤ王女の選んだ人が間違いないことが分かります。
ここ、本当に幼なじみの2人だけが通じ合ってて本当によかったです。そして短い言葉の中でサヤ王女への掛け値なしの愛情や本気で幸せを願っていることが伝わってくる。。。サヤ王女にかける言葉が短いこと自体もすごくよかったなと思います。
そしてその後のカイの「昔は何も言えなくていっぱい後悔したから」って言葉がさぁ~~~~~!!!!!!(泣)
フウカ達が初めての恋というものにじたばたして、素直になれなかったり勇気がなかなか出せなかったりする中で、“また恋を始める”男は言うことなすことまた違ってきます。もしかしたらサヤ王女の方もユリシス様に対してそうなのかも。
そして最後は、カイがサヤ王女だけに捧げる「ア・メーラ」で幕を閉じる。。。
切ないながらも余韻まで素晴らしいストーリーでした。カイにもサヤ王女にも、幸あれ。
そしてそんな初恋も素晴らしいながら赤の国の文化だったり、カンドラだったりと細かい描写も面白い!!! 魔獣を司るとかカッコイイ✨ 衣装もちょっとアラビアっぽくてエキゾチックで素敵(。-_-。)
また赤の国で大冒険してくれないかな~とか期待しても……いいのかな⁉www だって来月には新刊が出るワケなんだし(`・ω・´)
そんなワケで、切なく楽しく読ませていただきました!
また不定期でいろいろ読み返していきたいと思います(。-_-。) そして新刊も読むぞ(`・ω・´)
余談。
チトセの兄達、本当にヒデェな……www

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