『京都・春日小路家の光る君 二』(天花寺さやか/文春文庫)

文春文庫

鞭展開度:★★★★☆
寄り添う心:★★★★☆
命がけの縁談バトル:★★★★★

【あらすじ】
私は、使用人でしかないのに――。
春日小路家の次期当主・翔也をめぐる縁談で、花嫁候補の一人に呪詛の疑惑が持ち上がる。
野心と欲望に満ちた家同士の熾烈な戦いに、使用人の炉子までもが巻き込まれていく。
そんな中、炉子と翔也の関係は立場を超えて深まり……。
付喪神を使役する名家の華やかな「縁談バトル」は激しさを増し、秋の行事「競べ馬」へと突入する。

累計26万部「京都府警あやかし課の事件簿」著者による豪華絢爛ファンタジー、注目の続編。

今回はとある人物ピックアップな印象。その人に感情移入しつつ、炉子や翔也達春日小路家の良心や思いやりにまた心温められました(。-_-。)

心地いい良識ある大人達のベストを見つつ、最後まさかの急展開。目が離せなんだ。。。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

今回は炉子と翔也の距離がぐっと縮まりましたね。

前回正直炉子目線だと翔也が炉子のことを好きなのかどうかまでは分からず、翔也目線でやっと確定できたという感じからの今回はかなりお互い――いや特に翔也かな?ww――相手への気持ちが表に漏れ出てきているなと思いました。

 

身分違いの恋とだけ謳えば美しいけれど、実際翔也は縁談中の身。そして立場を超えて近付けば、使用人である炉子が悪く言われるのもまた確か。

そういったところを翔也の兄である篤がちゃんと注意しているのもすごくよかったし、それに対し翔也も炉子も真摯に謝っているのがとてもよかったです。こういうところホント良識の塊で好きなんだよな~‼(笑)

春日小路家に出てくる大人は見習いたい人達が多いです。私も炉子達みたいな大人になれるといいな……!!!

 

それでいて炉子ちゃん、気の配り方もまた素晴らしい。翔也が今辛いのだと気が付いて咄嗟の嘘でその場を連れ出す、なんて最早ヒーローじゃないですか……!!!

男だからどう女だからどうと言うのが「はて?」を呼ぶ時代ではありますが、それならばヒーローというワードは男女どちらに使ってもいいと思うのです(`・ω・´)

1巻でも思ったけど、炉子ちゃんの気配りが本当に素敵。読んでて元気づけられます。

 

それと、何て言えばいいんだろう、気配りに根拠があるって言うんですかね。

主人公が他人を気遣う場面はたくさんあるけれど、その気遣いが例えば、作品では美しく取り上げられているけれど読者や視聴者として俯瞰して見ていると「それはどうなんだろう……?」と首を傾げたくなったり、何だかその気配りに至った根拠がふんわりしていて「まぁ、フィクションだしな」と自分を納得させることが、私はあるんです。

けれどこの作品、そういうのがないっていうか。本当の、リアルな気配りって感じで、フィクションなんだけど私はとてもすんなり腑に落ちたんです。……いや、あくまで素人目線の考えなんですが……( ̄▽ ̄;)

とにかくそんなワケで、そのハッキリとした“根拠”のお陰で私は炉子ちゃん達の思いやりと、その示し方により一層心をあっためられたんだと思っています。

 

そして今回そんな彼女達に助けられたのが中村樹里。そして豊親。

前回どうしても彼女らを疑ってしまったんだけど、なるほど、そういうことだったのね……!!!(泣)

養父を殺そうとするまでに追い詰められているのが見ていて辛かったし、彼女の危機を知ったのが炉子や翔也で、本当によかった。心から。

 

樹里と豊親の関係性もすごく好きでした。

豊親の元の主は悠真だったんだね……‼ でも悠真と豊親、樹里と3人で絆を深めてきたんだなって感じがとても素敵で。

樹里がいい恋に出会えて、そして家族同然の存在ができてよかった。これから本当に自分達の道を歩んでいってほしい。

 

そして寛治は最低のクズ男でしたが、彼が自分で直接手を下すほどの度胸がない、恐らく死に直結することにまでは手をつけないところから、翔也の命を狙っているワケではなさそう……という感じです。

「(翔也を)法律で決まってなければ殺してやったのに」といったことを言っていて、これはつまり今手出ししていないことと、あとこの発言自体が強がりであるような気がします。そこまでできる人間は、多分こんなことは言わないのではと。

翔也の記憶喪失について噛んでいるかは、謎ですけどね。。。 黒幕ではないんだろうな。絶対そこまでの器ではない。

 

それから炉子ちゃんの方にも何かナゾがあるようで。というか翔也と炉子どっちにもかな。

ものすごーく派手なことではないけれど、でも実は何か決め手になっているような。炉子ちゃんについてはお母さんが詰っていたのがそれと関係しているのかな……?

 

あとそれについて炉子ちゃんがお父さんが尋ねに行く、ってなった時の翔也の「なるべく喧嘩せんようにな」って配慮好き過ぎるー……!!! どこまでもいろんな人への思いやりに満ちている✨T ^ T✨

その優しさまさに清水の如し……炉子ちゃんも……道雄さんや由良さん、円地さんも……。春日小路家のお商売のやり方もすごくいいよね、こういう雇い主の下で働きたい(。-_-。)

 

何かもうずっと結局炉子ちゃんや春日小路家がいい人達って結論に行きつくなーwww でも本当にそうなんだもん(笑)。

そんなワケで、また炉子ちゃん含めた春日小路陣営(笑)に惚れ直した2巻なのでした( ̄▽ ̄)

 

きっと翔也と炉子ちゃんが手を取り合えるんだろうと信じているけれど(3巻のあの表紙で違ったら悲し過ぎる‼ww)、2巻読み終わった時点でどう収束するのか皆目見当がつかず。。。まぁだからこそ読み応えがあるってもんよ!!!

3巻は2巻と一緒に買ってあります‼

ちょっと間を空けてから、見届けに行って参ろうと思います(。-_-。)

 

余談。
由良さん何競べ馬バックレようとしてんのwwwww

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