鞭展開度:★★★★★
根付く神話:★★★★★
恋を知る:★★★★★
【あらすじ】〈輝〉の大御神の双子の御子と、〈闇〉の氏族とが激しく争う戦乱の世。〈輝〉の御子に憧れる十五歳の村娘狭也は、訪れた〈闇〉の氏族に、空色の勾玉を手渡される。それは、鎮めの玉、狭也が〈闇〉の巫女姫であるしるし……。
自分の運命を受け入れられず、〈輝の宮〉に身を寄せた狭也を待っていたのは、深い絶望と、不思議な出会いだった。宮の奥深くに縛められていた少年稚羽矢は、すべてのものを滅ぼすという〈大蛇の剣〉の主だったのだ……。
神々が地上を歩いていた古代の日本を舞台に、絢爛豪華に織りあげられた、日本のファンタジーの金字塔!
また新たな和風ファンタジーに出会えてしまった……!!!✨ え、このハイクオリティでデビュー作……?(震)
荻原先生の作品はRDGしか読めていなかったので、さらに広げることができてよかったです。いやホント、マジで面白いの!!!(笑)
それでいて王道クラッシャー感もあってたまんなかったです(`・ω・´)
以下ネタバレあり↓
いや「ここで出てくるのが運命の男やろ」って時に出てくるの大体鳥彦~~~~~(笑)。
王道クラッシャー主にコイツですwww しかし彼の存在がめっちゃ救いになる……この世界なかなかに厳しいの_:(´ཀ`) ∠):
私は荻原作品をRDGしか通っていなかったので狭也みたいな主人公は新鮮で結構驚きでしたwww RDG主人公の泉水子ちゃんは内向的な子だったので( ̄▽ ̄)
狭也はいわゆる入内をしても全然負けてなくてスゲーってなってましたwww 滅入るところもあったけれど宮廷人の心ない態度で弱っていくというワケではなく。
シンデレラストーリーにもならないのが『空色勾玉』の面白いところでもあり。
月代王が真に惹かれているのが狭也でもなく水の乙女でもなく照日王なのが結構びっくりだったー……!!! イケナイものを見てしまった感。それでいてそれを理解する狭也が聡い子だなーと。
それに、自然に触れて生き生きとするのが狭也なのに対して、月代王に連れられた宮は狭也にとって息苦しいものであり。改めてシンデレラストーリーって途方もないほどの奇跡なんだなと思いました。
そうして出会うのがぼんやりした稚羽矢。(ぼんやりて)
……本当に……会話がビミョーに成り立たない……www 何というか、本当に視座が違うんですよね。照日王・月代王ともまた異なる。この2人よりさらに視座が高いのでは? ぐらい。
闇の氏族は「稚羽矢と会話ができるのは狭也だけ」というようなことを言っていましたが、狭也ともアレは……成り立ってるのか……?ww とはいえ狭也とが1番マシなのは分かる。まだ「手のかかる子」認定で世話焼いてるワケで。
……と言いつつ、1番会話が成り立っていたのは伊吹王な気がしています。というより、伊吹王が1番稚羽矢を普通の子みたいに扱っていたような……? 分かろうとしていたと言うべきか。
そんな伊吹王が稚羽矢の手で(稚羽矢の意志ではない。。。)殺されてしまうというのが何ともやるせなかった……。
それに対し狭也は間違いを犯す。この展開が今までの感じから意外でありでも人間らしくて納得もいくというか。
稚羽矢を自分達と同じ人間として、思いやりを以て接するのがどれだけ難しいかも分かる気がします。さすがに奈津女を殺したと糾弾するのは大分やり過ぎてる気がするけれど。。。
ここまで何だかんだで稚羽矢の面倒を見て、味方をしていた狭也ですら稚羽矢を確かに傷付けた。主人公のこういう過ちを描く感じ、結構好きだなー。犯した間違いにどう向き合うかも含めて。
稚羽矢を迎えに行った狭也(もうこの子がヒーロー……www)と海で再会した稚羽矢とのやり取りがまた心に残ったなぁ。確かに傷付いた顔をしていた稚羽矢がそれを自覚し切れていないというか、初めての感情に戸惑っているような感じが、徐々に人に、生に近付いていってるような。
多分狭也と稚羽矢がその内恋愛になるんだろうなーと思いつつ、「……いやコレなるのか……?」とずっと自信なかったんですが(笑)、このあたりではもうしっくりくるようになってたし狭也がここでようやく恋を見つけ認められているのが何か感慨深かったなぁ。。。かがいでも全然しっくりこず月代王に対してもやっぱり違っていた狭也なので。
そんな月代王に狭也が攫われてからの稚羽矢の変化がすごい。
今までふわふわしていた意識がはっきりと地に足ついたような。殺されても死なない身だけれど確かに生身の人間と感じさせられました。
にしても狭也が死んでしまうとは……!!!(汗)
正直ここまで読んでたらその展開もあるのではと覚悟せざるを得なかったT ^ T 奈津女の夫は狭也を守って死んで(でもはっきりと無駄死にと書かれていた……)奈津女もお腹の子も照日王に殺されて伊吹王は稚羽矢に殺されて……。照日王子どもの姿してる時マジで怖かった_:(´ཀ`) ∠):
しかし黄泉へと迎えに行く稚羽矢がカッコ良過ぎる……!!!
黄泉に来て泣く狭也の描写もすごく刺さったT ^ T こんな道半ばで人生が終わってしまったら辛いなんてもんじゃないよな。。。
サラッと「口づけ」って言葉があったのを私は見逃さなかったぞ(真顔)←
あまりにも強大なものと戦わなくてはならないお話だったけれど、視座は違えどそこに愛はある……みたいなのを感じた和風ファンタジーでした。個人的には狭也が自分を闇の氏族なんだと受け入れるところがすごく好きで。
最後がオチみたいな終わり方にも笑いましたwww 普通の人になれたとはいえやっぱりそこは稚羽矢だったーwwww
神話の世界にどっぷり浸れるお話に心から感謝を(。-_-。)
余談。
途中「鳥彦戻って来て―――――(泣)(泣)(泣)」て結構なってた(真顔)。

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