鞭展開度:★★☆☆☆
プロポーズ度:☆☆☆☆☆→★★★★★
変化の中に:★★★★☆
【あらすじ】
キス事件(?)をきっかけに、アランへの恋心を自覚したエデル。ところが、彼に美貌の貴族令嬢との婚約話があがっていると聞いて、気が気ではない! そんな彼女をよそに、アランは研修という名の王都旅行(しかもふたりきり!)を決めてしまった。恋の決断は旅の後で……そう思ったエデルの前に、≪魔術師の靴≫の気をまとう自分とよく似た青年が現れて⁉ 靴と恋の物語、波乱含みの第3弾!
久々に続き更新です『シンデレラ伯爵家』シリーズ第3弾。
毎巻次は何のおとぎ話をモチーフにした靴なんだろうとワクワクが止まりません。……どこかの誰かさんの残念度が高まってきているのも……www
しかしアランの飾り気のない言葉にエデルはいつだって救われているのです。
以下ネタバレあり↓
とうとう現れたかアランの婚約者候補……!!!
いずれは来る話だろうなと覚悟していました。そうでなくてもアランは大層モテるのでね(恋愛における残念さをご令嬢方は知らないので……(小声))。
とはいえ、その婚約者候補のシレーヌはアランが好きなワケではなく、アランとの結婚が自分の夢に都合がいいからという理由。
正直、この時代この身分の女性の強さみたいなものが見えて好ましかったです。
伯爵家だから結婚相手として申し分ない、男色家なのも許します(男色家じゃないんだけどね……www)、愛する女性がいるのならどうぞご自由に、その人との子ども(男の子)をこちらの子としてもいいです、などなど。
自分の夢の為というのもありますが、多分こういう割り切りみたいなのが義務での政略結婚ではある程度大事なような気がします。アランに夢を見ず、結構現実的な提案をしていて好ましかったです。
その一方で「本当は愛されたかった」。
だからこそ歌を歌う。何者でもないシレーヌとして歌い、本当の意味で必要とされたい。
この掘り下げ方がひどく胸を打ちました。歌が好きだからというだけではない、そういったもっと奥深くに理由があり、オーウェンが言ったように最後のシレーヌはもう彼女なりの飢えた少女の気持ちを知っている。
彼女が今後どんな道を歩むのかは分からないけれど、今の彼女だからこその強さで納得のいく道を進んで行ければなと思います。
シレーヌの歌を愛してくれる(笑)オーウェンも結構好きなので、この2人に何かいい展開があればいいなぁ、とも。身分的に結婚なんかは難しいし、シレーヌが彼を愛するのかは分からない。せめて歌を通じて何か通じ合えればなと。
今回は、エデルが変化を恐れているのも印象的で。
要はアランの婚約に胸を痛めていたってことなんだけど、それを「時が経つのが怖い」と表現するのがエデルらしいような。職人であることや、人間としても見た目的にもアランと釣り合わない自分(エデルはそう評価している)故に、アランへの恋心が報われないのは彼女の中で確定していて。だったら、ずっと今のままでいてほしいと願うのは自然な流れだよなぁと思いました。
だからこそのアランのまっすぐで飾り気のない言葉がエデルの胸に響く。
……いやあのホント……アランはあの本ない方がカッコイイんだって……www ルディアの「お兄様であそぼ」がホント止まんない。……いやルディアですらもアランのあの奇行は予想できなかった気がしてきたな……( ̄▽ ̄;)
ルディアは貴族社会のことをよく分かっている上で障害だらけのアランとエデルの恋を応援しているどころか着火させた張本人のような気がします。そういうところ好きだなーwww
一方の、エデルにプロポーズするぞと意気込んでるアランの方。
……いやぁ……もうアランとエデルがお似合い過ぎて……www 先程のエデルを勇気づけられるアランもそうなんですが、何かこの2人ともズレてる感じといいますか、デートでまさかの皮なめし工場見学とか(そこの職人さん方スゴ過ぎ……!!!)エデルのことをアメフラシだザリガニだと言ったりだとか。エデルじゃなかったら100年の恋も一瞬で醒めかねないヒドさです。
プロポーズの言葉はまだマシなんですけどねぇ……でもそれで通じないエデルの気持ちもよーく分かる( ̄▽ ̄) 朝飯がてらミーティングすんのかなって私でも思う。
だからこその、ラストの逆ギレ(笑)プロポーズがすごくアランらしくてよかったなぁとも思います。結局ストレートが1番ですよ。いや本読まなくても分かってくれ(笑)。
そしてここ、ラストの終わり方がとても好きです。
アランの気持ちをようやく、正しく理解できたエデル(ぶっちゃけ私はもっとかかる覚悟もしてた)。アランへの恋心もとうに自覚している。けれどそこで自分の父親の言葉がよみがえり……。
……うーん、どう考えてもいい予感がしない!(汗)
アランのことを好きだと、自分の口から伝えたエデル。けれど力なく微笑んで、その巻は終了。この曖昧な終わらせ方が妙に印象的でした。次の巻、このシーンのまま続くのか、それとも数時間後とか後日とかに移るのか。めちゃくちゃ気になる終わり方!!!
……まぁ、全巻読破しているので知っているんですけどね(ニンマリ)。気になる続きもまた読み返して感想を書きたいな。
そしてエデルの靴作りに向き合う姿勢が好きだなぁ、と改めて。
アランの婚約者であるシレーヌに嫉妬して踏み込み切れずにいたエデルですが、最終的にシレーヌの為の一足を作ることができました。この、作業に取り組んでいる時の描写が毎巻好きです。
あとジジとディックがほんと面白くてなごむよなぁ(笑)。カーレン様も、1巻の頃を思うと感慨深い変化。こういう女の子、大好きです。
それでは、気になる(笑)次の巻の感想で!
余談。
アランの屋敷の人達あらゆる意味で優秀過ぎん?(真顔)

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