鞭展開度:★★★★☆
歪んだ愛:★★★★★
2人で逃げろ‼:★★★★★
【あらすじ】
霊感体質の女子高生・杏はヴィクトールたち椅子工房「TSUKURA」の面々と共に、隣町の文化センターに来ていた。来月に閉鎖されるというこの施設で使用されていた古い家具類を買い取るためだ。小椋の話術もあり、交渉は円滑に進む。だが遅れてやってきた取引相手の一人が、たくさんの不気味な子どもの幽霊をその身にまとわりつかせているのを杏と雪路だけが見てしまい…?杏とヴィクトールのムズキュンなやりとりからも目が離せない!!ふんわりオカルティック・ラブ第六幕。
よーやっと読めました最新刊。今回は杏ちゃんと雪路君の高校生組回と言っても過言ではないのではないでしょうか。雪路君好きなのでうれしい‼www
とはいえ、高校生2人にとっては本当に笑い事じゃありません。この作品にそれなりに慣れたつもりの私としては幽霊も怖かったけれどそれ以上に幽霊が湧く原因の方にゾッとさせられました。
以下ネタバレあり↓
まずは杏ちゃん雪路君、お疲れ様でした( ̄▽ ̄;)
それはもう、ありとあらゆる意味で。おじさん談義に待たされる退屈ぶりはよーく分かるし(笑)2人を完全ロックオンして怪奇現象起きてましたからね……ホラー万能かよ……。
この作品、本当に行動だけを見たら恋愛的な甘さがあるんだけど状況的にまったく違うというのがあるあるで。そりゃしがみつきたくもなるよなと杏ちゃんにも雪路君にも同情が尽きませんでした。
扉絵(?)の高校生組はてっきりキスでもしてんのかと思ってたんですが(※無論お互い甘い気持ちでの合意とまでは思えず)、アレもう怖過ぎてしがみついていたというか、雪路君は杏を守ろうとしてたんだなと。。。もうそうするしか精神的にも現実的にも道がない感じ。
いやもうホント、除霊なんて分からない設定なのが本当にかわいそうになってきますね( ̄▽ ̄;) しかしそれでみんな仲良く恐怖を分け合いながらどうにかこうにかしていくのがこの作品の新しいところであり、読んでる側を夢中にさせるところであり。。。
今作に慣れてきた(※多分)私としては今回ビクビクしまくりながらのみんなの会話に笑いっぱなしでした……www や、すまんみんな。でもほんとみんなオモロイのよ。個人的に雪路君・星川さんが特にツボです( ̄▽ ̄)
にしてもここまで生きている人間の業までやられると本当に人類嫌いになりそうになるわ……( ̄▽ ̄;)
本当にそっちの方がゾッとした。子どもの幽霊がたくさんいる時点でいい予感はしなかったけど、心に泥を押し込められるようなあの光景。本当は杏ちゃんや雪路君の目にも触れてほしくなかった。
表紙イラストかなり好きなんですが事件を知ってからだとあの椅子が真ん中にあるので顔をしかめたくなります。
にしても、米倉さんがあの幽霊たちと無関係だったのが意外でした。女の子の幽霊に齧られていた(いやもうコレが怖いのよ)くらいだからコイツどんな悪事をと思っていたんですがww まさか無関係だからこそ縋っていたとは。
それから何冊も前の書き下ろしをここで回収してくるなんて誰が思うよ~~~~~(泣)。
よりにもよって怖かったあの『赤い靴の秘密』。この6巻読み終わった後に読み返して参りました。え、植木鉢もらっちゃったのヤバくない?(真顔) 今も柘倉のロッカーに押し込められているんですが。
そのせいでせっかくの”100年の恋”にときめくどころじゃなかったぞ……( ̄▽ ̄;) せっかく今回、ヴィクトールの杏ちゃんへの気持ちはアレだ、”純愛”なんだってちゃんと分かったのに。これはいろんな恐怖を噛み砕いた先でやっと噛みしめられるものだな。
あのパンドラの箱がどこに通じるのか謎だけれど(しかも嫌な方)、心の準備をしっかりして次の巻を待とうね。。。
今回、珍しく杏ちゃんが雪路君とのほぼ2人行動だったワケなんだけど、杏ちゃんにはヴィクトールが必要なんだなっていうのがよぉく分かりました。耐えしのぐしかない杏ちゃんに、見え方を教えてくれる人。
杏ちゃんがヴィクトールを好きになったのはだからというワケではないと思うんですが(笑)、たまたまそんなヴィクトールが必要な人だったというように見えました。
でもそれはヴィクトールにとってもなんだなというのは、今までで分かること。椅子談義を聞いてくれることもそうだけれど(笑)、見え過ぎて、気になり過ぎてしまうヴィクトールの目を、時々塞いでくれる子、なのかな。
しかしその一方で、杏ちゃんにとっては雪路君もかけがえのない同士なのです。
「悩みに、答えをくれるのはっ、ヴィクトールさんだけど! 私と一緒に走って逃げてくれるのは、雪路君だよ!」
……あまりにもその通り。1人1人、特別な理由は異なるもので。
それから杏ちゃんが男の人に見下ろされるのが苦手っていうのが悲しくなりました。。。
そうだよな、あんな恐怖味わったらそうなるよなと。雪路君にも話せてよかったんじゃないかなと思います。杏ちゃん、あんまり大事なこと話せないでいる気がするので(杏ちゃんがというのもあるけど人間そうなるものって気もする)。
今回読んでてチョコが怖くなりました( ̄▽ ̄;)
室井さんの奥さんと杏ちゃんの間に友情が続いているのはほっこりエピソードだったけど。私もお菓子作りをするようになったのでシンパシーを感じました(`・ω・´)
書き下ろしについて。
本当にかわいい話だった。(真顔)
……よかった―――――長靴の中に人間の手足入ってるとかそういう話じゃなかった!!!!!!(汗) 今まで書き下ろしも激怖い話だったので今回も身構えた私は何にも悪くないぞ。うん。
でも店舗特典SSは怖かったです(真顔)。
今回も面白激怖かった『ヴィクトール』、次巻は”最終幕”とのことなんだけど、これは最終巻とは……違うんだろうか……? どっちにせよ終わりは近いようです。とりあえず杏ちゃんが”あっち側”に行かないように祈りながら見守りましょうか(遠い目)。
そういえば今回ヴィクトールの出番も少なめだったから椅子談義もあんまり聞けなかったな。そのあたりも次巻楽しみにしよう(。-_-。)
いつかは杏ちゃんの恋のライバル(?)の大人の女性が出てくるんじゃないかと思っていたので、そういった方面でも次巻が楽しみです(`・ω・´) がんばれ杏ちゃんー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
余談。
おじさんらの”奥さんの手作りお菓子”談義に楽しさを感じたのを返してくれ(真顔)。

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