鞭展開度:★★★☆☆
最善の選択:★★★★★
全員、そろった!:★★★★★★
【あらすじ】
ルックスも頭も良くて女子に大人気のセロン。 可愛くおとなしそうで実は正義感あふれる天然系(?)のメグ。 セロンの親友、熱血漢金髪のラリー。 長身でメガネをかけたサバサバ女子のナタリア。 美形長髪でちょっと皮肉屋のニック。 たった一人の新聞部員、カメラを手放さないジェニー。 6人の個性豊かなメンバーによる、恋あり、友情あり、ミステリーあり、のドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語、第2巻! 夏休み、演劇部の合宿に手伝いで参加した6人は、謎の人物(?)が潜んでいるらしい倉庫へと探検に出かける! 謎の人物の正体は――!? セロンの想いはメグに届くのか――!? “三三〇五年の夏休み” 完結編!
気になる下巻、面白かったー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
というワケで、今回実験的に2巻なので1巻だけ読んだ人向けのネタバレなし感想から行ければ〜……と思っていたんですが、さすがに無理だったので普通にネタバレあり感想に入ります!www
これは言ってしまえば“小さな事件”です。でもそこには誰かの人生がかかっている。そんなお話です。セロン達が行動を起こしたことに少なくとも価値があったお話なのです。
以外ネタバレあり↓
◯この後半戦を本1冊分の文章で書いてるのスゴくない???
さっきも書いたように、このお話は“小さな事件”。正直箇条書きにしてしまえばそれで済むほどの。
でもそれをひとつひとつきちんと整理された言葉で描いて、感情そのものを地の文ではほとんど描かずに、でも誰かの人生を確かに変える何かになっていく。この描き方がスゴイ。
そしてそんな小さな事件の中でのセロンのひとつひとつの推理や判断が、やはり小さなものではあるけれどすごいことなんです。ほとんどの人間が見逃すことを丁寧に掬い上げていく。
すごいのは彼だけではありません。この、ただの倉庫代わりになってる古い建物の地下に行くだけの話の中で、それぞれが特技を活かして真実への道を拓く。まさに、この6人だからこそできたことです。……こんなに自由人が多い中で……www
あと頭いい組が自国の歴史や仕組みをサラッと教えられるのすごいな……私外国人に日本のことそこまで教えられんわ……( ̄▽ ̄;)
◯ロクシェとスー・ベー・イル、ふたつの巨大国家という設定の面白さ
そうそう、アリソン〜メグセロシリーズの面白さってココにもあるんだった!!!
……そう懐かしさと興奮に駆られてしまいました(。-_-。) 本当にそう、コレが面白い。
今回地下にいた謎の人物はロクシェ人でしたが、心はスー・ベー・イルにあるんですね。
故にここでメグミカとのコミュニケーションが心を繋ぎ、彼にとって最善の道が拓けていく。
サンドイッチを口にして涙するところもだけど、メグのベゼル語のソプラノに「帰りたい」と泣くところが何だかこっちまで泣きたくなりました。
……ぶっちゃけ時雨沢先生の作品って容赦なく人が死ぬので、この人は死ななくて本当によかった……(遠い目)。
ロクシェ人でありながらスー・ベー・イルに焦がれる“マードック”。どうかあなたがあなたのいたい場所で、心穏やかに暮らしていけますように。
◯6人について
・セロン
メグミカのことが大好きで、彼女に見つめられるとついチョロくなっちゃうところも(笑)。でも、“地下の人間”が悪い人であれば警察に差し出さなければならない、というところで、そこはメグの意見に流されないところがエライな、と思いました。バート・マードックは捕まえるべき人じゃなかった、と分かった時のずるい(笑)柔軟さもいいですね。これから、がんばれ!!!
・ラリー
今回“地下への冒険”に行くにあたって冒険気分じゃなかったのは、セロンとラリーぐらいなんじゃないでしょうか。正直15歳という年でそこを油断せず、用心して事に当たれる子はそうそういないと思います。ていうか私なら探検気分よwww 彼もまたスゴイ‼︎‼︎
あと、ラリーは誰と会話しても面白くなるんだよな……www イッテQの宮川大輔かな?( ̄▽ ̄)私の推しキャラです(`・ω・´)
・メグミカ
彼女も冒険気分でセロン達について行ったワケではないけれど、セロン・ラリーに比べて無謀ではあったかなと。なので“冒険気分じゃない”メンバーには入れませんでした。
今改めて読むと、正義感が強く、かなり危なっかしい子なんじゃないか⁉︎⁉︎ という気がします。だからこそ冷静なセロンと(いや彼そのメグのことになると冷静でいられないんだけど……www)相性がいい気がします。ニンマリ(。-_-。)
・ナタリア
ナータもかなり好きですwww サバサバしてて格好良くてボケもツッコミもイケるwwww 最高かよwwwww
1巻で思ったことですが、仲の悪いポートマン先輩について結構冷静に分析していて「そりゃあたしが気に食わないよねー」とフラットに受け止めているのがスゴイんだよなぁ。フラットに、てとこも結構ポイント。
メグとセロンが床に倒れ込んだ時にメグの名前しか叫ばないところが大好きですwww
・ニック
とりあえずセロンとラリーで仲良くしててそこ2人で世界がある種出来上がってる中に当たり前に入って行くの心臓強過ぎるだろwwwww そしてセロン大好きのようですがラリーに対してもフツーに友好的。感じがいいっちゃいい。
頭がいいのでセロンの話についてくのが早くてすんごい。
挿絵でパッと見新聞部メンバー過半数女子なんだな〜に見える元凶ですね( ̄▽ ̄)
・ジェニー
今んとこでっち上げ記者という印象が強めwwww それで頭もいいから厄介なんだよな〜敵にまわすと恐ろしい( ̄▽ ̄)
彼女については今後分かっていくからコメントできることが今はあまりなく。ただ、読み返してて「あっ“あのこと”の伏線もう既にあったんだ……」てなって楽しかった(。-_-。)
あのショートヘアの両側にちょうちょの髪飾りという発想が天才。かわいい。
◯床ドンって。。。
セロンがメグを押し倒しかける事故が発生。その際、メグを抱えて咄嗟にぐるっと位置を180度変えたの、エラ過ぎる!!!www
そうだよね、床ドンってラブコメの定番だけど実際やったら下になってる人危ないよね!?!?(汗)
そして下になったセロンは床に頭ぶつかるわメグの頭が顎にぶつかるわでめちゃくちゃ痛そうだった……す、好きな女の子を守るって大変だぁ……‼︎‼︎‼︎_:(´ཀ`」 ∠):
何かすんごい現実を突きつけられてオモロかったです。メグミカさん、セロンにちゃんとお礼言ってくださいm(_ _)m
◯『セロンの夢』
前回の感想で「第三者視点」と書いておいてのここでは完全にセロンの「俺」視点‼︎‼︎ これはこれでまた楽しいね(。-_-。)
こんなに夢を見てる本人が夢って分かってて夢の中もちゃんと夢の中らしくどこかゴチャゴチャしてるのがまたいい。ラリーがいいキャラしてる(笑)。そして考えるのはメグミカさんのこと。。。
まったく認識されてないところから格段に進歩したのが分かってまだ2巻なのに感慨深くなりました(笑)。
◯『ラリーとセロン』
こちらはラリー主人公の話。そして語りが童話みたいになっている……楽しい!!!www
にしてもラリーって本当に成績ギリギリなんだな……勉強苦手なら上級学校なおさら大変だろうな……( ̄▽ ̄;)
そしてそんな上級学校のカリキュラム……大学形式でうらやましい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
……と、思いつつ、中1の私がこんなに自己判断に委ねられる形式いきなりブチ込まれたらパニックで泣いてたかも……( ̄▽ ̄;) 大学1年目の時も授業組むのド緊張だったもん。
でも、そこは“パック”もあるという行き届きよう。上級学校、さすがです(笑)。
そういえば私、こういうストーリーに直接関係ないところまで細かく教えてくれるの、すごく好きなのかもしれないなぁ。ほら、ハリポタ賢者の石で科目の羅列にすっごくワクワクした時の気分(笑)。
メグセロはそういう説明も多くて楽しいです(。-_-。)
そしてラリー、もといラリーのご先祖様の考えについて。
「ただ助けを乞うだけの者は、助けなくても良い」。
正直に言えば、100%賛同はできません。何故なら、怖くて本当に声が出ないという状況を知っているから。相手が(この場合加害してくる可能性のある相手ですね)何をしてくるか分からない以上、下手な抵抗ができないことを学んでいるから。
だから、ひとえに盗賊団に無抵抗を決め込んだ村が悪い、とは考えられないんですよね。このあたり、私が女だからかもしれません。ていうか1番悪いの村を襲う盗賊だろって思うし( ̄▽ ̄)
ただ一方で、この一家言も分からないワケではない。
要は自分では何の努力もせずに他人の助けだけをアテにする奴は助けるに値しない、ってことなんだと。
少し話はズレちゃうかもですが、ユニセフ募金が必要な紛争地帯だったり、貧困国。彼らを助けるボランティアは、必要以上の手助けはしないと聞きます。何故なら、何でもかんでもやってあげてしまうと、彼らは何もしなくなるから。全部ボランティア任せにするから。だから、自立を促すやり方で助けるのだそうです。
被害者が必ずしも善人とは限らないし、謙虚だとも限らない。
あと、『お狐様の異類婚姻譚』にあった「弱い奴は、強い奴が助けたいと思うくらい、足掻けよ」ってやつが近そう。
ラリーの置かれてる状況は、今目の前にいる“かわいそうな被害者”が、果たして助けるに値するのか? ──ということなんだと思います。
人を助けるって、それなりにエネルギーを使います。なので、この見極めは自分を守る上でも大事なんだろうな、と思います。向こうが調子乗って依存してきたらたまったもんじゃないもんなぁ〜( ̄▽ ̄;)
そしてセロンは正当防衛宣言(笑)。勝てるワケがないけれど最初の1人だけは確実に殺る、とwww
そうしてラリーは足を踏み出し、2人は友達になったのでした……めでたしめでたし。
……なんだけど、この後ラリーはめっちゃセロンの世話になるというねwwww もしかしたらそれでセロンの恋を応援するの余計に張り切ってるのかもwww 今度は俺が助ける番だぞー!!! みたいな(笑)。そう考えるとかわいいな!www
そんなワケで、楽しく読ませてもらいました〜メグセロ✨
次回から新聞部本格始動ですね(多分)!! 楽しみ!!!
というワケでこれから読んできます! またそちらの感想で〜👋
余談。
「演劇部に入れば」がとうとう褒め言葉じゃなくて皮肉に使われてんの最高なんだよなwww


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