163.【未読者向け感想】『水無月家の許嫁4 恋に狂う一族』(友麻碧/講談社タイガ)

講談社タイガ

鞭展開度:★★★★☆
一途最強度:輝夜姫級
不穏な影:★★★★★

【あらすじ】
「僕はあなたと生きていきたい。それが誰かの恋心を砕くことになっても」

 一族に決められた許嫁の関係を超え、お互いへの恋心を確かにした文也と六花。
だが、輝夜姫の驚異的な力を覚醒させた六花に目をつけた分家は、一人の男を差し向ける。
背後には、かつて文也の命を狙った弥生の姿が。
姉のように優しかった弥生は、なぜ変わってしまったのか。
その秘密が明かされるとき、二人の心は揺れ動く。
天女の亡骸が眠る京丹後。謀略飛び交う一族総会が迫る!

既にネタバレありの感想を上げておりますが、こちらは【3巻まで読んだ人】向け感想となっております。

3巻までは読んでるけど、続きの4巻を買おうか迷っている、具体的なネタバレは知りたくないが4巻はぼんやりどんなもんだったんだろう? という人向けの感想です。

ネタバレありの感想から、重大な真相は抜きにしたものとなっております。よろしければ参考にしてみてください!

 

感想スタート↓

 

いや〜久々に水無月家を浴びたけれど文章の軽やかさ・清涼さの中で深く静かに酔いしれる恋狂い加減がたまりません💕

それでいて、読んでいて改めて思ったのがこの「恋に狂う」様がまさしく“水無月”の名にふさわしいんですよね。

雨が降り続くその受け皿となる土壌のように、ひたひた、確かに土を濡らし徐々に泥沼と化していく……。天より降り注ぐ清らかな雨とぐしゃぐしゃに崩された泥水のどちらをも兼ね備える。友麻先生の言っていた「ドロピュア」がまさにですwww

というワケで、今回もそんなドロピュア具合を楽しませてもらいました‼︎

 

◯六花と文也の両想いの塩梅が最高。

個人的にはちょうど良い塩梅でした(。-_-。)

前回初めてのキスどころか結構激しめのキスまでした2人(笑)。想いも確かめ合って、さて今回からどうなるのかなと思っていたところでした。

 

実は私、恋愛モノが好きは好きなんですが、くっつく“まで”の過程に萌えるタイプ。

なのでくっついてから、あまりにもイチャイチャばっかりになると、食傷を起こすといいますか……www 甘いのは好きだけれど、甘過ぎて、しかもそれが多過ぎると苦手になってしまう。

なので4巻、私的に大丈夫かな……? と、ちょっと心配していました。

 

そしてめちゃくちゃ良かった(真顔)。

物理的なベタベタはほとんどありません!!! いつでもどこでもすぐチュッチュはいたしません(笑)。

高校生同士の健全なお付き合い(?)であり、この時代にそぐわない若き許嫁同士らしく奥ゆかしくあり、そして水無月家の人間らしく貪欲に求め合う。

心の奥深くを繋ぎ止め合うような心の通わせ方に、私は丁寧さを感じて好きでした。

 

◯水無月アキの存在

まさしく水無月家のイケメン(令和代表)!!!www

花邑先生のイラストほんと大好きです(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

それでいて、何と言うのでしょう、ただ甘いルックスのイケメンというだけでなく、性格歪んでそうな(※失礼)油断できない雰囲気も表情から滲み出ている。

美しき歪み、とでも言うんでしょうか。

花邑先生の、そういう美しいだけにとどまらない表現が大好きだな、水無月家という作品にピッタリなんだな、と改めて思いました。

 

しかしフタを開けてみるとアキ君はかなり好きな人間でした(笑)。

女好きのいけすかない、しかも六花ぐらい簡単にオトせると思っている、侮っている大した器のない男。

……になると思っていたハズが、何か、不憫かわいい感じになったというか……www

 

それから、彼の神通力も非常に興味深かったです。

これから水無月家の新キャラが更に出てくることになるんでしょうが、もっといろんな神通力が見れちゃうかも……⁉︎ と、そこもワクワクポイント(。-_-。)

 

そしてこういう主人公を誘惑する悪者ムーブ? なキャラ目線で描かれるの私的に新鮮過ぎましたwwww いやめっちゃオモロイわこんなのwwwww

 

それともう今までの流れで六花がそんなポッと出のイケメンごときに赤面の「せ」の字もしないことは予想ついてたし、友麻先生もXで「文也君以外特に興味のない六花ちゃんが強い」って言ってたんでそのあたり心配してなかったんだけど、いざ読んでみたら、ハイ、それはもう……(笑)。

逆ハーお断り女の子主人公、それが我らが六花ちゃんなのです( ̄▽ ̄)

 

◯“とある女”の再登場

これについてはいろいろ分かって合点がいったり心臓ヒュッてなったりして感情が忙しかったです‼︎www

そして“とある女”とは1人のことを言ってはいないのです………………………………。

 

ただ、これだけは。

この作品は、“特別じゃない”側をも掬い上げる作品なのです。

 

◯京丹後一門の脅威

次なる敵の分家の影がゆらりゆらりと近付いて参ります。あくまで表向きは平和ながら、けれどその影は不意に。

この4巻から『一族総会編』となりますが、その戦い、一族総会は次の巻になるっぽいですね。今回は嵐の前の静けさ、束の間の平和。その緩急が読んでいてとても楽しかったです。

そして5巻が出るまで震えて眠りましょう!!!←

 

◯恋は綺麗事なんかじゃない

もう既にあらすじにありますね、誰かの恋を砕くことになってもあなたと生きていきたい、と。

 

自分達の恋を正当化・美化しておらず、それが誰かの恋心を踏み躙ることをよく分かっているし、それこそ自分がやられたら彼らもまた水無月家らしく狂うのでしょう。

綺麗事じゃないと、身勝手な感情でしかないと自覚がある上でこの恋を貫くと決めた。そんな彼らが果たしてどこへ向かうのか、天女の墓場で果たして何が待っているのか、怖々楽しみにしていきたいと思います……(笑)。

 

 

というワケで、3巻まで読んだ人向け感想いかがだったでしょうか!!!

実験的にやってみて今後も続けるかは考え中。。。( ̄▽ ̄) 楽しんでもらえれば幸いです。

4巻読んだら、ネタバレありの方の感想で会えますように!www

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました