172.『メイデーア転生物語 2 この世界に怖いものなどない救世主』(友麻碧/富士見L文庫)

富士見L文庫

鞭展開度:★★★★☆
舞台装置:いません。
届かない恋:★★★★★

【あらすじ】
王宮通いと魔法学校。救世主の守護者となったマキアの二重生活がはじまる
〈世界で一番悪い魔女〉の末裔マキアは、〈救世主の守護者〉となり引き離された元騎士のトールと、舞踏会で再会を果たした。ところがマキアに守護者の印が現れたことで、事態は一変。〈救世主の少女〉アイリの相談役として、王宮通いを始めることに。
 トールに会えるようにはなったものの、使命の前に力不足を感じたマキアは、魔術師として成長するため魔法学校の授業に励む。だが救世主を狙う刺客は、否応なくマキアの前にも現れはじめ……。
 魔法世界“メイデーア”に選ばれた者たちの物語は交差する。

前回衝撃のラストからバッチリそのあたりの話が進みつつ、学生生活も全力で駆け抜け、秘められた恋もまた描かれ、見たいもの全部見れたー!!! ……という感じです(笑)。

世界の命運を決める大きな歯車は、既に動き出していたのです。

 

以外ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

マキアに“紋章”が現れたのは前の守護者が死んだから、という衝撃の始まり。

そしてマキアの胸元に浮かんだ紋章は間違いなく本物で、トールと同じく守護者に選ばれてしまった、という……。

 

それなら前よりトールと一緒にいられる時間がグッと増えるじゃん、と楽観視することもできず。

 ああ、全く、本当に。
 昨日、あの時、あの場所で。
 私の想いがあなたに伝わっていたら、どんなに良かったか。

……昨日トールに聞こえなかったけれど伝えようと思って告白できたことがどんなにマキアにとって──小田一華を前世に持つ身として──大きな1歩だったかって思ってたのに〜〜〜〜〜!!!!!!(泣)

そしてこの時、改めて思うのです。突然世界に“選ばれる”ことが、どれだけ人生をふいにする残酷なことであるのかを。

 

そうしてそれはマキアやトールだけのことではなく。……これは、マキアが選ばれる前の“4人目”のお話。

世界で最も大切な女性がいるのに、選ばれてしまったが故に、他の女性を最優先にしなくてはいけない。それがどれほど、酷なことであるか。

 

私にとっての良作の条件の1つに、「登場人物を(特に主人公を持ち上げる為の都合のいい)舞台装置にしていない」ってのがあって(だからブログに掲載している作品はそういうものを選んでる)。今回、その部分に物語として踏み込んでてすごいハッとしたよね……!!!

「私たちは、あなたにとって都合の良いように動く“キャラクター”じゃないわ!」

「ここに住む人たちは、一人一人が必死に生きていて、色んな過去を背負っていて、あなたの知らない思いを抱えている。体を乗っ取られて、死んでしまったユージーン・バチストだって。あなたがいったい、彼の何を知っていると言うの……っ!」

私のことを悪い魔女だと思い込んでいる以上に、この世界に生きる人たちを、自分の都合の良いように解釈する姿に、我慢がならなかった。
たとえあなたにショックを与えることになったとしても、真実を告げなければならない。
バチスト先生や、トールたち守護者や、アイリ……あなた自身のために。

田中愛理、ざまあみろなんて思わない。ただ、お前はマキアの──一華の言葉から、学べ。

 

……ていうか物語の主人公達だって!!!! “選ばれし者”であっても周りから簡単に認められなかったりガワだけで評価されてそれでも懸命に努力して葛藤して足掻いて、そうやって本当の意味で“選ばれし者”になっていくんだからな!!!!!

お前は努力も足りん思いやりも思慮も足りーーーーーん💢💢💢💢💢💢

 

にしても、まさかこんなに早く前世をアイリに明かす時が来るとは思ってもみなかったなぁ。もっと後になるのかな、もしかしたら最新巻ですらまだ明かしてないのかも、とすら思っていた。

……でも、“この時”が最もベストのタイミングだったんだね。アイリの為に、メイデーアのみんなの為に。

サブタイトルの「この世界に怖いものなどない救世主」が本当に皮肉が効いている。

 

それから、「“主人公”に尽くす役目を突然与えられた人物にだって、それまでの人生があって出会いがあって絆があるんだから、ポッと出の人間(主人公)の為に簡単に切り替えられるワケがない」ってのは、本当にその通り。むしろアイリにあっさり陥落して妄信的になっているギルバートの方が珍しいような気がしてきたぞ……( ̄▽ ̄;)

しかもそれであっさり婚約者を捨てているし。

 

……んで、その婚約者・ベアトリーチェ。

ここまで書いてて思ったけど、トール達の為に怒ってアイリに前世を明かしたマキアと、ギルバートをモノ扱いする発言に怒ってアイリの頬を打ったベアトリーチェと、実は似た者同士なんだね。……ホント今んとこいいとこねぇなアイリ……( ̄▽ ̄;)

それにマキアとベアトリーチェは、救世主に好きな人を取られちゃった、嫉妬や切なさも。似た者同士。

そんな2人がやっぱりライバルで、でもマキアが守護者であることをベアトリーチェは知ってくれている数少ない人間の1人。それがまたいいですよね。

ギルバートの方は、まぁどうせアイリが1番なんだろうけど、ベアトリーチェに何も思ってないワケではなさそう。よりを戻せとは思わないけど(お前なんかいなくてもベアトリーチェは誇らしく生きていけるんだからな‼︎www)、きれいなさよならぐらいはできるといいのかな。ベアトリーチェはもう吹っ切れてそうだけど。

 

そして、マキアの現状を今のところまだ知っていないガーネットの9班のメンツがこれまたいい。

みんなでワイワイポテトレポートやってるのとかほっこりですよね(。-_-。) ……私はポテトレポートの内容聞いただけで「うげ、めんどくせ」ってなっちゃってました……www ていうかニョッキってジャガイモなんだね!?!?(汗)

表紙イラストの楽しそうな感じも大好きです。

 

正直、マキアが守護者に選ばれちゃったせいで学校生活も取り上げれるんじゃないかと思っていたので(これも“選ばれた”が故の弊害だよね……)、学校生活は送れて本当によかった、という感じです。魔法学園モノなんて、なんぼあってもえぇ(`・ω・´)

それに、前はトールに会う為に首席を目指していたけれど、今は「トールが守らなくて済むように、強くなる」という新しい目標ができましたもんね。……好きな人の為に強くなろうとする女の子……くぅ〜たまらん(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 

本当に、傷だらけになって自分を守ってくれるトールにうっとりするアイリとは大違いです。

どうやらマキアの前世を聞かされてかなり衝撃を受けたみたいだけれど、その後また元気にはなった様子。果たして反省できているのか、それとも何かまたやらかしてるのか。そこも今後の注目ポイントですね。

 

にしてもマキアに庇われて怒ったアイリだけど、あぁいう場面で心配以外の理由で怒ってるっての、新鮮っちゃ新鮮だったな〜😅

正直前半のアイリには騙されかけたんですが、「……いや、トール達に守られてうっとりしてる人間がマキアを心配して怒るワケないよな」と急に冷静になっておりましたwww あと上半身裸のトールに抱きつくのうわぁ〜……て感じ……( ̄▽ ̄;)

 

学校生活の話に戻ると、やっぱフレイとマキアのあの感じ好きだわ〜(笑)

マジで恋愛としてはお互い「コイツ? ないわ〜」って感じで、ガチで男女の友情育んでると思ってます。ていうかこの作品はマキアが無駄にモテたりしないのもいいよなぁwww

 

学校生活はそんな感じなんだけど、世界の脅威と言うべきか、そういった存在も見え始めてきましたね。

今回の敵は〈青の道化師〉。……うわ〜コイツ取り逃したのマジで大きいな( ̄▽ ̄;) 状況的に仕方ないんだけど。

バチスト先生の正体を確かめるべくアイリも連れて来てるのめちゃくちゃ英断だったので、最悪も最悪の事態は避けられてるとも思うし。……アイリ自分の耳で聞かなかったらもっと決めつけ入るだろうからな。うん。

 

ピエロとの対決の中、マキアの涙の魔法が美しかったですね……!!!

前回の紅の魔女の魔法も怖くてカッコ良くて大好きだったんだけど、今回はまた印象がガラリと変わり、これもこれでスゴイ。……にしても紅の魔女が残虐っての、本当かな? と1巻2巻と読んでて思っちゃう。……それとも誰かさんが残虐にしてしまったのか。

あと、火の申し子であるマキアが水の魔法やその中の悪意に敏感でぞわぞわしちゃうって描写がファンタジー好きとしてはたまらんかったです(笑)。あと風の申し子花粉症なのかわいそ過ぎる(真顔)。

 

話は本題に戻してマキアって一応前世が小野一華だけど、その更に前世が紅の魔女ってことになるのかな……? トールもその経由で黒の魔王ってことになりそう。ユリシス先生はもう白の賢者確定だろうなぁ。

……と、もっともらしく書いてはみたけれどメイデーアの今後の某表紙イラストでそう思ったっていうね(笑)。

 

そうそう、そのユリシス先生がマキアの前世を殺した男を知ってそう、何故殺したのか察しがついてそう、ってのも気になるところ。

……んで、しかもその男が今回ラストで出てきたし!!!!!!(汗)

正直まだ出てこないと思ってた……油断できねぇぜメイデーア……‼︎‼︎

 

それから、今回初登場のインパクト強過ぎ司教エスカ。

彼、青の道化師についてその一華を殺した男と似たようなこと言ってませんでしたっけ?

──前世の因縁は今世で晴らす。その為に俺たちは生まれ変わった、と。

まぁ謎の男の方は、「何度生まれ変わっても、俺はお前を、必ず殺す」だけど。前世の因縁があって、殺そうとしているのはどうにもつながりを勘ぐってしまう。

 

あとそのブッ飛んだエスカ司教は一応はマキアを合格にしてくれたようですね!www ……ユリシスとのやり取りから見るに、彼がマキアの師匠みたいな感じになるのかな?🤔 あと、ユリシスの「お義兄さん」発言も気になる。

きっとマキアのアイリへの“啓蒙”が合格に押し上げたんだろうなぁ〜。……いや、涙の魔法を使えたから? 自分で青の道化師の誘惑を跳ね除けたから? どうなんだろww

 

「聖域で男とイチャコラし始めた時はさすがにマイナス120点にした」がた、確かに……てなったわwww ブッ飛んでるクセに妙に律儀でもある、不思議なキャラだ。。。

 

それから今回もトールがカッコイイ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

いや〜、さすがマキアの好きな人!!!(笑) 例え使命に縛られていたとしても、例えその時救世主を優先しなくちゃいけなかったとしても、必ずお嬢の元へ駆けつける。

マキアからすればトールの心が分かるワケないからトールがアイリに惹かれているんじゃないかって怖いし苦しいけれど、私からすればトールはあまりにも安定感抜群のヒーローといいますか……www お嬢一筋なのがよく分かる(`・ω・´)

 

でも、マキアが「前世で好きな人がいた、今もまだ好き」って認めちゃったもんだから、この2人の恋がよりこんがらがっちゃってそう……。トール、無理して笑ってる?

マキアを名前呼びしたがらないのもちょっと気になるよなぁ。。。前世の名残りなのか、自分はマキアの従者だからって戒め的な気持ちが強いのか。

こんなにも強い絆の2人なのに、こんなにも遠いのが切ない。

 

それから、やっぱりそんな2人のワイワイしたやり取りも大好きです(笑)。

トールって従者然としてるクセにいい塩梅にマキアへの扱い雑だしww、マキアもトールにままならない恋心を抱えているけれどそれで自然体でいられない、なんてことはなく素の表情めっちゃ出してるし。

本当に、隣同士であることがしっくりくる2人なんだよなぁ。

 

そんなワケで、謎めく怖くて楽しいメイデーアを久々に味わえて、改めて「お、面白……!!!」と圧倒されてました!www

これは是非続きも読みたい……!!!

 

余談。
メイデーアの住人て全員食リポ上手いの?(真顔)

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