【再掲】『恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。4―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―』(永野水貴/TOブックス)

TOブックス

鞭展開度:★★★★☆
もう戻れない:★★★★★
その時は突然に:★★★★★

【あらすじ】
『このライトノベルがすごい!2023』(宝島社刊)単行本・ノベルズ部門 第6位!シリーズ続々重版!「あなたを置いていきはしない――決して!」孤独な元令嬢×天才肌の貴公子の師弟恋愛ファンタジー第4巻!コミックス第2巻5/15発売!
異界の番人・ウィステリアは目覚めぬ弟子を見つめ自分を責めていた。突然の魔物大量発生の原因を探す中、耐性のないロイドが濃い瘴気を浴びたのは自分を庇ったから。目が覚めた彼に一刻も早く“元の世界“に帰れと迫っても、「あなたを見殺しにできない」と言われるばかり。互いを強く想うがゆえの口論は白熱し、帰還のタイムリミットが近い焦りも加わって決定的な一言を放ってしまう。わだかまりを抱えたまま、残る蛇蔓まものの捜索へ向かうが、懸念していた大蜘蛛が出現!? 「あなたを置いていきはしない――決して!」苛烈な戦いの末にやってくるのは、別れ? それともーー? 孤独な元令嬢×天才肌の貴公子の師弟恋愛ファンタジー第4巻!

待ちに待った『恋した人は』第4巻‼‼ 前回すんごいところで終わってるからの続きとなります。

辛いところも多々あったんですがイチ読者としては「面白くなってきたーーーーーぁ✨」と言わざるを得ません。次巻が楽しみ過ぎる……!!!

ウィステリア、ロイド、それぞれの心情に深く根を下ろしつつとうとう事態は急転するのです。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

ではもう1回言わせてください、

面白くなってきたーーーーーぁ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

正直こんなにも早く帰還の時がやって来るとは思っていませんでした。もしくはいきなりと言うべきか。

ぶっちゃけあと7冊ぐらいはこのまま異界にいてもおかしくないだろうなーという心積もりでいましたので。← じれったい作品が好きな私としましてはここまでのじっくり積み重ねる感じ、めちゃくちゃ好きなのでね(暗黒微笑)。

とはいえ、ついに待ちに待った帰還編となりそうな次回。こっからが永野作品の本番となるのではないでしょーか(笑)。

 

ただ、やっぱりじっくり描いていく印象のある『恋した人は』なので次回でウィステリアがブライトやロザリーと再会するとはあまり思っていません。……というより、そのくらいの心積もりでいた方が次回会わなかったとしてもやきもきせずに済むので(笑)。

 

それに、とうとう2人と一振り(笑)しかいなかった世界から(いや魔物は仰山いたけれども)たくさんの人間がいる世界――人世へと約20年ぶりにウィステリアは戻って来たワケで。

ロイドも危惧していた通り、そこには不死や魔法を手に入れたウィステリアを巡ってたくさんの酷な思惑が絡まり合うでしょう。……ウィステリアが未明の地に行かされたあの時のように、いやそれ以上に……。

『恋した人は』ファンの皆様、一緒に震えて待ちましょうね……_:(´ཀ`」 ∠):

 

とはいえ、ロイドとウィステリアを最初に見つけたのがベンジャミンだったのはまだ幸いだったように思います。未明の地への理解があり、何より、ウィステリアを大事に想っていた人。そしてロイドにとっても信頼に足る人物です。

あとベンジャミン大好きなのでウィステリアと再会を果たしてくれて素直にうれしい‼(笑) ……しかし永野作品なのでそんなベンジャミンもどう転ぶか分からなかったりするのかな……_:(´ཀ`」 ∠):

たくさん警戒しつつ(笑)見守っていきたい所存です(`・ω・´)

 

今回の本題は戦いだらけとなったワケですが、

これぞ魔法ファンタジー!!!!!!

……って感じで見応え満点でした(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ バトルファンタジーの方が正しい気もする(笑)。

挿絵も躍動感ありまくりで本当に豪華、贅沢の極みでした。ウィステリアにもロイドにも見せ場がある、もしやこの2人イケメン師弟なのでは?(真理)。

 

扉絵は最初何も知らずに見たワケですが、それでも胸がじんとしました。1巻で真逆の立場だったことが思い出されて感慨深いし、やっぱりこういう、自分がもらった優しさを相手に返すといった場面はグッときます。

とよた先生の画力・表現力にも感謝です。

 

ロイドを呑み込んだディグラに「返せ‼」と叫ぶウィステリアは鳥肌が立つほど格好よかったし、ロイドが「あなたを置いていきはしない――決して‼」なんて言うのも、あぁもう、ウィステリアにはロイドしかいないじゃないか、と思わせられる。

私は女の子が主人公の作品で主人公がヒーローを助けるっていうのがめちゃくちゃ大好きで。ウィステリアには今回も震えさせられたなぁ。。。

 

ロイドは、ウィステリアの孤独にいつだって本気で腹を立てて、道理を軽々と跳び越えてウィステリアの為に全力を尽くす姿がつくづく格好いいと思わせられる。そして本当にウィステリアを任せたくなる。

何というか、彼があの時あの場に残って魔物を倒し続けたこと自体は、愚かな選択だと私も思います。ロイドは一旦逃げて、動けないウィステリアはサルティスに隠してもらってやり過ごす。それが全員生き残る最善の道なのだろうと。

でも、あの”愚かな選択”は、ウィステリアの心を守るベストな選択だったように思うのです。……ウィステリアはロイドが傷付いていくので生きた心地がしなかったけどね💦 でもそういう、愚かでベストな選択をできるロイドにしかウィステリアを人として救うことはできないように思えました。

 

そうして突然訪れた帰還の時。2人でどうやって乗り越えるのか、本当に次回が楽しみ過ぎる。……え、今年中に続きが出る??? いいんスかそんなすぐに読めちゃって????

 

後はおまけ的に思ったことをいろいろ。

 

サルティスは……何ていうか、怖いなぁ(苦笑)。

いや、サルティスのことは大好きなんですよ。あの尊大過ぎる減らず口とか、ウィステリアとのやり取りとか、最近だとロイドとの応酬とか。

けれど人間とはやっぱり違うんだよね。ウィステリアを哀れんでいるところはぬくもりを感じるけれど、彼(?)はあくまで”剣”で、その道理もまた”剣”そのもので。

どんなにウィステリアが死にそうな目に遭っても、そこで直接手を差し伸べて助けてくれるワケではない(まぁ手ないけど)。

 

アイリーンについては私は結構かわいそうだと思っているぞ(真顔)。

だって自分が心から認めた婚約者が危険な地に行って生きてるか死んでるか分かんないと思ったら女連れで帰って来てるんだよ?? オイオイオイオイってならないか??? しかも実際心変わりしているというか。

あと未明の地に女がいるとも思ってないだろうから完全に死角から殴られた気分になると思う。私ならなる(真顔)。

アイリーンのロイドへの気持ちは甘ったるい恋愛感情とも違うだろうけど、それでも「裏切られた」ってことになるし、周囲からもそういう目で見られる。

今後彼女がウィステリアにどう接するか分かんないけど、今んところはかわいそうだなーと……( ̄▽ ̄;)

”ロイドが1人でどこに行っているか”が序章で触れられて、それが終盤であずかり知らぬロイドがウィステリアにそのことを明かすっていうのも、きれいに伏線が回収されてるとも言えるし皮肉が利いてるなーとも思う。……う~ん、本当にお見事。

 

にしてもロザリーはウィステリアが未明の地に行ったあたりの記憶がないのか。

これは……うーん、ロザリーに対する気持ちは複雑。よくも都合よく忘れてのうのうと生きてこれたな、とまでは思わないけれど、以前「ウィス姉様の分までブライトを愛すわ」って言ってたのはひどく傲慢に思えて嫌だなってなったし。

ただ、そこでロザリーに本当のことを話さなかった両親やブライトに対しては結構嫌悪感増し増しです。……特にのうのうとロザリーと結婚してるブライト、お前はな!!!!!!

ロイドはこの運命じゃなきゃウィステリアと出会えなかったと彼目線で綴られているけれどそれはそれとしてブライトは好きになれません。今んところやっぱり。

……ただ、この世界の仕組みがそもそも残酷で、何の罪もない娘を何人もくべなくては成り立たないものだということも覚えてはおきたい。……果たして本当にそうなのかという疑念も抱えつつ。

 

ブライトについて今までも散々言いましたが(笑)、それだけ憎めるキャラクターがいるのがこの永野作品の良さであり読み応えなんですよねー!!! ホントこれは書いておきます。

 

私としては彼らの罪の証であるウィステリアが昔と変わらない容姿で再会するのが楽しみでならないんですが、ウィステリアは……今でも痛む古傷をさらに抉られることになるんだろうなぁ……。そちら方面でも今の内に覚悟を決めておきたい所存。

あと、ウィステリアが帰還した時には既にブライトもロザリーも亡くなっているぐらい時間が経過した、にはしないところがしっかり皮肉が利いているように思います。……ホント残酷なまでに面白くしてくれるなぁ!!!(笑)

果たしてこれはウィステリアを狂うほどの孤独に追いやったことへの断罪なのか。ただ、もう昔の平和だった頃のような関係には2度と戻れないように思います。

 

コーラルの話が辛過ぎる!!!!!!(泣)

その部分もさらに掘り込むんだもんなぁ~!!! 絶望的なまでの喪失感、私のせいだという苦しみ、ディグラや魔物への恐怖、どんなに体が動かなくて死にそうでも自分を心配して看てくれる人はだぁれもいない。

コーラルとのことがあったからこそ今度は失わないと。

 

紙書籍ならではの挿絵はあそこかな?(笑)

紙派の私としてはニンマリ案件(。-_-。)

 

そういえばのキスシーン(←そういえばて)。私の中で帰還の方が衝撃デカ過ぎて💦 そのシーンがというより、その後のウィステリアがロイドから視線逸らしまくりなのがオモロかった過ぎるwwwww 「床の模様が気になって」は苦し過ぎるてwwwwww ウィステリアのそういうところがかわいいんだよなぁ……( ̄▽ ̄)

ウィステリアからのは完全に人命救助なワケで、ではロイドに押し倒されたアレは何と言えば良いのやら。まぁもうそれどころではなさそうだしウィステリアがアレで浮かれるかというとまた違い。。。

ちゃんと気持ちを伝えてからが本番だと思っています。あとキスしてる挿絵で2人とも目を開けてるのめっちゃエロイなと思いました。←

 

ラストにコミカライズ1話目が掲載されてるの贅沢過ぎる……!!!

改めて見て思ったのは、ロザリーのあの髪型かわいいなぁと(笑)。

そしてウィステリアはひたすらにきれい……!!! 今の髪型も昔の髪型も好きです。きれい系なので下ろすより結んでスッキリめにした方が似合うのかな。ドレス姿にも改めて見惚れました!!! あと小さい頃のあどけない感じかわいい!!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

美麗な印象の強いコミカライズですが(挿絵もだけど(笑))、意外と随所にギャグ顔があるのがほっこりですね。ロザリーが白目剥いてたりウィステリアがちょっとジト目だったりベンジャミンが楽しそうだったり……www

 

さて、ここまで魔物の怖さがかなり伝わった感じでしたが、次回からは人間の怖さが分かってきそう(いい笑顔)。

覚悟を決めて!!! この冬を楽しみにしていきたいと思います(`・ω・´)

 

余談。
サルティスとうとう全部お脱ぎなのに生娘みたいな悲鳴出なかったな(真顔)。

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