鞭展開度:★★★★☆
人の心:★★★★★
どうか私を。。。:★★★★★
【あらすじ】
異世界で緋宮(ひみや)と呼ばれる女神的な存在に祭り上げられたヘタレな女子高生、知夏。だけど、身元不明な彼女を部下のはずの神巫たちは認めない。はじめての神事もボイコットされ、嫌がらせに合うけれど…!?
花神遊戯伝今度はこちらが読み返したくなりました第2巻(笑)。知夏がまだこの世界に来たばかり、緋宮の任を受けたばかり。知夏からすれば辛いことばかりの巻になります(どの巻も試練だけど……www)。
初めて読んだ時はあまりにも困難ばかりでおっかなびっくりだったんだけど(笑)、今読んでみるとそれぞれの気持ちや立場もはっきり見えてきて考えさせられました。さらにはのちの巻へのフラグもこの時から既に……!!!
ますます糸森環ワールドに惚れこむことになりました(。-_-。)
以下ネタバレあり↓
えっ緋宮だとあめつちが認めてるんだから帰鼓廷のみんなも認めてくれるんじゃないの!?!?!?
……ってなった初めての時を思い出します( ̄▽ ̄) ならないんだな~これが(泣き笑い)。
でもそれって、知夏をただただ差別してとか、いじめだとかだけではないんですよね。彼らなりの理念もある。朝火の「いつまでも弱いままでいるな、女」ってそういうこと。国を護る女が無知で甘ったれの泣いてばかりの女であるなんて許さない。
ただその一方で、知夏が傷付くのも逃げたくなるのも本当によく分かる。
平和な日本で生きてきた女子高生――いや、大人でも――にはあまりにも酷で。そもそも蒸規の知識や常識だってまるで知らない。頭も心も追いつかないまま、この国で1番重い役目を背負わなくてはならない。下ろすことなど許されない。なのに誰もが認めてくれない。
そんな中で、傷付いて泣いたり逃げ出したりしながらも自分なりのやり方で、知夏は緋宮としての何かをたぐり寄せていくワケで。
どうか私を、忘れてほしい。
一日でも早く、悲しまずにすむように。
……こんな言葉2巻で出てくるぅ!?!?!?(泣)(泣)(泣)
それだけこの役目が重要で、この世界が残酷で極端で、守りたい人が、大好きな人ができたんだってことで。悲しい思いとでも知夏の思いを尊重したいような気持ちとで情緒ぐちゃぐちゃになるわーT ^ T
そんな知夏の“大好きな人”の1人である、佐基さん。
結末を知っているからこそ、今回は彼女にも注目して読んでおりました。
初めて読んだ時は、佐基さんの裏切りにひたすらにショックでついて行けなかったなぁ。。。(苦笑) だからこそ今回、改めて。
この巻の中で何度も出てきてるんだよね、人はすぐに疑ってしまう、何度だって心を確かめたがる、って。
でも知夏だって目まぐるしい日々の中。忙しいということではなく、心がかき乱されるようなことの連続。大勢からのはっきりとした拒絶、重過ぎる役目、大好きな人達が死にそうになって、目の前で人が死ぬのまで見てしまう。
だから私は、知夏を悪いとは言えない。でも、佐基さんの気持ちを想いながら読んでると、それはそれで苦しくなる………………………………。
佐基さんの裏切りが何でショックだったかって、裏切るなんて思いもしなかった人が裏切ったってのもあるけど、あの穏やかで優しい佇まいの中にあれほど激しい思いがあったのが衝撃だった。知夏を嫌いになってとか、最初から裏切るつもりだったとかではなく。……むしろ知夏のことが好きだからこそ、深く傷ついていて、架々裏さんの手を取った。
こんなに優しい人だから、愛情を注ぐのを後回しにしていい。そんな思いが、多分知夏にもあって、読んでる私にもあったんだと、思い知らされたような。
でも、多分この件があったからこそなおさら、知夏はたくさんの人に優しさを、愛情を手渡せる人になっていくんだろうなぁ。。。正直、この佐基さんの件が起きる前から知夏はそういうことができていたと思う。でもこの件で、「これじゃ足りない」と。
何かホントさ~~~~~傷付くところだったり必死に大事なものをたぐり寄せようと足掻くところだったり糸森環作品……ホント好き……って改めてなる~~~~~(悶)
気持ちのひとつひとつをちゃんと見つめて書いてくれているような……こんなん惚れ惚れせずにおらりょうか。
花神遊戯伝マジでラストまでやってくれてありがとうだよ……✨T ^ T✨
江房さんの件も本当にしんどい。
何かさぁ……もしかしたらこれは和解じゃないけど、少なくとも江房さんの中での思いは変わったところじゃんか……。そこでの突然の“死”。本当に、遺言も何も遺させずに。
朝火さんはとりあえず知夏側だからと安心していたのを見事に覆されたよね。。。糸森環ワールドで安心などしてはいけないと今なら分かるけど、あの頃の私は初心者であったー……(遠い目)。
ただ、あのあたりの知夏の恐怖やパニックが本当に知夏を1人の、普通の人間として見事に落とし込んでるなとこれまた魅入られずにはいられない。
辛いシーンの話ばっかりになっちゃってるので(笑)、好きなシーンをば。
剣士たちのところに、知夏が神女を装って潜入捜査! してるところが面白かったーwww めしめし蠢いてるのオモロかわい過ぎるでしょwww
糸森先生、こういうオモロかわいいのを描くのも最高なんだよなぁ……(笑)。
そしてそこでしっかり賭けに勝ちまくってる倶七帝(真顔)。
遠凪さんへの不可解なときめきを募らせる知夏、その描写もすんごい。恋における語彙力も凄まじいのだ、糸森先生は……!!!
ほんのわずかな糸――確かにいる、幸せにしたい人達――を掴んで、遠凪さんの手を取らない選択が、これまた人間くさくていい。ただそこで手を取ったとしても私には知夏を責められーん!!!www
そのルートのお話もあるんなら是非見たいぐらい(真顔)。
今回、知夏がまだ蒸規初心者ということで、国のことだったり、帰鼓廷の仕組みだったりとワクワクな設定も改めて学ぶことができ。……うーん、これは設定資料集も出してほしい。←
そんな感じで、辛く楽しく読み返しておりました!!!www
……そして思う……やっぱ『花神遊戯伝』大好きだ……と……‼‼
このまま佐基さんのことに触れる“あの巻”を読み返したいと思います。待ってろよー、佐基さん……‼‼
余談。
鬼気迫る場面で外す知夏(真顔)。

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