鞭展開度:★★★★☆
ここに集結:★★★★★
あまりに激しい恋心:★★★★★
【あらすじ】
ひそかに互いを想い合う春日小路家次期当主・翔也と使用人・炉子。
しかし、一年かけて行われる翔也の縁談行事は未だ継続中で……。
そこへ、過去に破談にされた令嬢が同家を奇襲する事件が勃発。
彼女に取り憑いた怨霊は、炉子の隠れた“異能”を覚醒させる。
累計26万部「京都府警あやかし課の事件簿」著者による豪華絢爛ファンタジー、シリーズ完結篇!
春日小路家めでたくここに完結です。
次回からの今回でどうつながるのか、“あの日”翔也の身に何が起きたのか、そして縁談はどう終幕を迎えるのか……。
それらがきれいにまとまり完結した巻でした。本当にスッキリ!!!
強いて言うなら……、
以下ネタバレあり↓
みんなのこと大好きになったから、短くてもいいからみんなの後日談ください‼‼(笑)
まさか縁談バトルで集ったみんな――そこに炉子も含めて――でこんなにも協力して春日小路家の脅威に打ち勝つだなんて……胸アツ……‼‼✨T ^ T✨
1巻の頃には思ってもみませんでした。それでいてこれほどみんながつながれたのは炉子ちゃんの、小さいことかもしれなくても相手への思いやりや気遣いを示していたその優しさによるものです。翔也が縁談相手の1人1人に向けた労りやあたたかさによるものです。そしてそうした恩を恩で返したいという縁談相手達の誠意によるものです。……思いやりが……人から人へ巡っている……!!!(泣)
にしても、その縁談形式も思いもよらない形だったなぁ。
季節ごとに縁談相手の1人が翔也だけでなく他の縁談相手達をもてなす、っていうだけでも面白かったけれど、まさかの1人また1人と脱落(しかもそれぞれまったく違う理由で‼)、ラストの貴史(この男性が混じっているのも今の時代っぽい。。。)に至っては道雄さんが襲われた後の、翔也の護衛も兼ねてという展開です。
私は結構序盤というのもあって愛子が突然翔也にバトルを挑むってのが印象的だったなぁ。なんてカッコイイ女の子なんだ‼ とも思いました(笑)。
さてそんなラスト冬のお見合いの中で、少なくとも翔也から炉子への想いが露呈していくことに。……いやもうホント炉子ちゃんボロボロなんよ!!!!!!(泣)
2巻で妖に襲われるのはそれで大怪我していなかったり、炉子ちゃん自身の心が折れていなかったのでまだ大丈夫という気がしていたけれど、3巻ホント……炉子ちゃん死んじゃうかと思ったぁ……_:(´ཀ`) ∠):
“引き寄せ”の力のことまで暴かれてしまい心もボロボロ。そんな中でも翔也の為にと体を張り続けるんです、こんなの何かさぁ……貴史が「負けた」ってなるのも分かるんよな……そしてそれは敗北感以上に納得感というか。
そしてそこからの翔也から貴史への誠意もスゴイ。
色恋って、当人達以外の立場で見ていると「そこはもう少し良識持ってほしい」となることも珍しくありません。それは物語であっても。むしろ読者として俯瞰しているからこそその気持ちが強くなることもある、かもしれない。
でも翔也の決断はしっかりしていましたね。きちんと縁談のルールに従って結論を決めたことや、貴史の為にも考えてくれていて。大事な友達だと示してくれていて。
……と、ここまで書いていてふと思ったんだけど、もしかしたら色恋における“良識”って当人同士以外の人間への配慮(もちろん互いへの思いやりも必要なワケで)なのかもしれない。うん、1つ学びになった(`・ω・´)
……そんなワケで、最後縁談相手達が炉子ちゃんを翔也の北の方として推挙してくれたのもすごく自然な流れだと思いました。すごい、身分違いの恋をこうやって叶えたんだ……!!!
個人的にはるいちゃんが挽回のチャンスというか、あの夏のお見舞いで終わらなかったことが、特にうれしかったです。……とはいえ怨霊に取りつかれて心身ともにボロボロだと思うんだけど‼(汗)
でも、炉子ちゃんの優しさを受け取って、今度は私が守るんだ‼ って懸命に走るところ。るいちゃんも本当に格好いい女の子です。これからの未来でもっともっと素敵な女性になっていくのが楽しみで仕方なくなっちゃいます(笑)。
それから“春日小路家の光る君”ってそういう意味ね!?!?!?
ツイッター(新X)で作者さんより「実はこの“光る君”には真の意味が……」と仰っていたので「えッこれ以上意味が!?!?」と楽しみにしておりました(笑)。まさか能力に付随するものだったとは……!!!
それでいて、2巻までだと翔也と炉子の能力は同じものだと思っていたので、実はまったくの別物というのも面白かったです。
それからずっと出てこなかった“裳子”という存在。
最後まで直接会うシーンはなかったけれど、裳子は確かに炉子を見守っていてくれて、そして炉子にとっても裳子は大切な存在で。
再会を果たすところまでは描かないのが新鮮だったし、きっといつか、絶対また会えるという気持ちにさせてくれる終わり方で、とても素敵でした。
……と、こんな感じで春日小路家、最後までバッチリ楽しませてもらいました‼
3巻の感想というよりは全体の感想になったかな?( ̄▽ ̄) 染夜叉姫によるタネ明かしを踏まえた上でもう1回1巻から読み返すのも楽しそうです(`・ω・´)
私の推しはそうだな~、最終的には……道雄さんかな? 由良さんがめちゃくちゃ食いつきそうだな……www かの付喪神が同担拒否じゃなくてよかったです( ̄▽ ̄) あまりにも格好いい大人で「この人の下で働きたい……‼」とリアルに思いました(笑)。
それから好きな人の為に一生懸命な女の子が大好きな私は、炉子ちゃんの優しさが行き渡った、けれど激しく“あまりに危険な恋心”に惹かれずにはいられませんでした。この物語に出会えて本当に良かった。
そんな彼女達のこれからに、心からの幸あれ。
余談。
翔也の「振られたら慰めてくれ」と「ばらしたらぶっ飛ばす」めっちゃ好きwwwwww 普通の男の子って感じでホッとしますね( ̄▽ ̄)

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