鞭展開度:★★☆☆☆
主人公チョロイ度:★★★★★
主人公チョロくない度:★★★★★
【あらすじ】
「ここまで煽っといて違う!? どういうことだ!?」――まさかの寸止め120%!! 恋と冒険のアラビアン!
教主の娘を救い出し、仲間と魔神の城に住むことになった魔術師のライラ。一方で、紳士的だけどちょっぴり強引な剣士ザインの求婚には答えが出せずにいた。そんなライラの元に、姉の行方を捜してほしいと少年が城にやってくる。ザインには城から出ないよう言わていたけれど、少年の必死な様子に魔術で外に出た……ところ、奴隷商人に捕まって競売にかけられ――!? アラビアンラブ第二章!
久々にアラビアンな異国情緒あふれるこの世界に帰って来ました‼ いたいけな主人公ライラと絶対彼氏にも恋人にもしない方がいいヒーロー・ザインに今回は新たなメンバーで事件に挑み……いや巻き込まれてるんだよなコレ( ̄▽ ̄;)
おとぎ話らしく今回も派手に大団円です(`・ω・´)
以下ネタバレあり↓
久々に読み返してたからちょっと印象薄れてたけど、君はやっぱりライラを任せたくない男だよザイン(真顔)。
……と、改めてしっかり思うぐらいにはザインが危険な男でした。っていうか1巻で大分いきなり求婚してんのもヤベェしその答えイエスしか認めない仮にノーだったとしてもあきらめませんからね(ニッコリ)なのも怖ェし子どもに対して大人げなさ過ぎてドン引きだわ‼‼www ダハナシュが「大人げな……ッ‼‼」って言ってたのがそれな過ぎるwwwwww
この作品も今売り出されてたら「危険な男に溺愛されてます」的なタイトルになってたんだろうなぁ……( ̄▽ ̄)
そんなザインに対するライラ、ヤベェことは感じ取ってて「怖い……!!!」になってるのに、でもどうしても惹かれてもいるという。
ライラしっかりしろ!!!! 君ならもっと人間としても、男としてもふさわしい人が絶対他にいる!!!!!
……とライラの両肩掴んで前後に全力で揺すりたいところなんですが(真顔)、そんなライラの何だろう、この“流されてるけど流されてない”という不思議な塩梅は……www
ライラの味方だし、ライラの言い分が理解できる方なんですが、そんな私でもザイン同様「……ん? 何だこれ??」とだんだんなってくる不思議……( ̄▽ ̄)
ライラは自分がザインに惹かれていることは自覚しているけれど、このままなし崩しに彼の“もの”になるのは何か違う、って思ってるんですよね。1度彼のものになったら何もかも身を任せてしまう。
だからこそ、キスとか押し倒されたりとかはされるけれど、……そして気持ちいいけれど!!!(ハッキリ書かれてましたね……ww) そのムードをいきなりぶった切る、というねwwwwww
……あれ、待って書いてて思ったんだけどライラのこの「気持ちいい」も性欲的なアレじゃなくて本当にYogiboとかウォーターベッドとかそういう感じの……?ww
ザインおいこらザインとなっている私だけど、もうこのライラがオモロ過ぎてめっちゃ笑いながら読んどりました👍 そりゃマリク殿下も笑いますわなwww
そして改めてこのアラビアンの世界に惹き込まれました。
私は異国の文化にも、ぶっちゃけ日本の文化にも(笑)全然くわしくありません。だから、あくまで私が読んできた物語たちを思い返しての発言になりますが。
耳慣れない単語がたくさんで楽しいってのもありつつ、昔の、身分制度がはっきりとある時代観にもかかわらず、アラビアンってまだ優しい方だなぁと新鮮に思いつつ好感を覚えました。
例えば、後宮付近だけなのかもしれないけれど奴隷に対する扱いがかなりしっかりしています。物扱い、何をしてもいい存在ではない。しっかりと教育を受けさせ、身なりも整えさせる。
今回マルジャーナがたくさん出てくれましたが(うれしい!)、彼女も言葉遣いが丁寧で品があり、剣ができて教養もあり楽器までこなす。気遣いができ頭もよくまわる。とても格好よく素敵な女性です。
それから、当たり前のように「王たる者人徳がなければ」といった話が飛び交う。
宗教観あたりが絡んでいるのかもしれませんが、表向きそう謳っていたとしても、それを真実実行する王家が、少なくとも物語にはあまりいません。たまにいても、何ていうのかな、重臣たちには知られないようにそういった行動を起こすだとか、表向き別の理由を取り繕って民にとって善き方向へ誘うだとか。
そんな感じで、優しき王であることを大っぴらに義務にしているものは、かなり珍しい気がします。ルスタムが副王から引きずり下ろされたのを、「そりゃそうだろ」と貴賤問わず誰もが納得しています。つまり、優しき王であることは理想論でも綺麗事でもない。やって当たり前のことなのだと。
それが珍しく、そしてこういったところもまたアラビアンならではなのかな、と勝手に思っていました。
違ったらごめんね(笑)。でも、違ったら違ったでこの『月と夜の物語』ならではの魅力です。
けれど多分ホスロー王は飛び抜けて優しき王なんだろうな。
今回読み返してて、かなり印象に残った人物でした。民想いという言葉では表し切れません。奴隷として連れて来られたマルジャーナを多額で買い取りながらすぐに自由を与え。貧民街のファリドの願いにも真剣に耳を傾け。さらには自分の妃との間に子を作ったイブン・スィーナーを恨まず、ずっとそばに置き続け。
それだけ優しい王なら、弟がどれだけ愚かな真似をしていても処断なんてことできないよなぁ……と、しみじみ思ってしまいました。
そんな愚かな弟ルスタムも印象的であり。
最初は、いや最後ぐらいまで、やっぱりライラと同じように私腹を肥やした権力欲の塊、みたいに思っていました。
それがライラが咄嗟に彼を支えたことで、彼の本当に欲しかったものが、本当は違ったんじゃないかと分かるなんて。あそこのルスタムとライラの短いやり取りが好きです。きっとルスタムは2度と自由の身にはなれない。それでも、この瞬間があって心からよかったと思えました。
それでいて、絶対ライラが人質に取られるであろうあのシーンでそうならない展開なのが新鮮で楽しかったです。
それからファリドは……賢いなぁ……!!!www
ザインおめぇライラとファリドの感動の再会を邪魔すんなやとは思うものの( ̄▽ ̄)、ザインの地雷を敏感に察して必死にそこを避けるのがすんごいwwwwww それに何だかんだでザインといいコンビになってきてるというか……(笑)。あのザインも結構舌を巻いてましたね(`・ω・´)
それからファリザード誘拐事件について自分で真相に辿り着いてるの、スゴ過ぎる……!!! 命の危険を感じて後宮に移るのといい本当に賢い!! この子は将来、いや近い内に大物になる!!!
あと、キャラビジュがかわいらしくてとっても和みました……(。-_-。) まち先生の描くかわいい系のお顔、ほんと好き……💕
イブン・スィーナーはまさかの一気に子ども2人との再会でわたわたでしたね!www 和みます(。-_-。)
それから、良き魔術師であることが端々から伝わってきて、これからもライラを教え導く存在になってくれたこともうれしいです。
そうそう! あとアガったところといえば、やっぱりライラを賭けた競売のシーン!!!
何だろうね、オークションとかもそうだけどあぁいうシーンはワクワクが止まらない(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
人身売買ではあるんだけど、あそこもアラビアン浴びてる~って気がしたし(笑)、緊迫感あるシーンでもあって大変楽しかったです。
……そう、ライラ……あなたは10億ディナールの女なんですよ……(暗黒微笑)。
何も知らずにライラを売ることになってしまった織物商の男が無事で本当によかった……!!! 自分も家族も生きてく為にはどうしたってお金がいるもんねぇ(泣)。
そしてまさかのニューヨークドリームならぬアラビアンドリームを掴みました( ̄▽ ̄) 驕らず、幸せに生きていけますように。
そんなワケで、今回は私と友達の最推し(笑)シャールカーンはお休みだったんだよなぁ……!!! 3巻は出てくるハズなので、読み返す時を楽しみにしています(`・ω・´)
そうそう、シャールカーンとライラってザインのお気に入りなワケなんだけど、ザイン人を見る目はホントあるよなぁ( ̄▽ ̄)
ではまた!
余談。
ライラが売られた時のあの格好、下着同然なんだ?(向こうじゃアレぐらい普通なんだと思ってた)

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