『図書館革命 図書館戦争シリーズ4』(有川浩/角川文庫)

角川文庫

鞭展開度:★★★★☆
主人公成長度:★★★★★
みんなで守れ:★★★★★

【あらすじ】
正化33年12月14日、図書隊を創設した稲嶺が勇退。図書隊は新しい時代に突入する。年始、原子力発電所を襲った国際テロ。それが図書隊史上最大の作戦(ザ・ロンゲスト・デイ)の始まりだった。シリーズ完結巻。

とうとう最終巻‼︎ いや〜あまりに面白過ぎて最後まで読み返してしまった(。-_-。)

今回はアニメでも映画化してる通りまさに映画映えする内容。やっぱり郁の成長が各所で感じられて感慨深くなりました。

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

とうとう言葉狩りから作家狩りに乗り出した良化隊。「本を焼く国はいずれ人を焼く」がますます現実味を帯びてきます。

そうしてはじまる当麻蔵人護衛作戦。

個人的には今までずーっと抗争は図書隊と良化隊のモノだったので、そこに一般人が深く絡んでくるのが新鮮であり面白くもあり。彼がいることで図書隊ってスゴイんだなと改めて思いました。

 

……んだけど、その前に郁と堂上のデートについて(笑)。

堂上、めちゃくちゃ攻めてるな〜!!!www 今も昔もナゾなんだけど、堂上は何きっかけであんなに頑なだったのからこんなに堂々と郁を女扱いするに至ったんだろう。。。🤔

3巻の昇任試験で成長を強く実感したのとか茨城での抗争での「負けた」発言がそういう意味も含んでたのかな。

でも確かに子ども認定する要素がなくなっていったらそりゃ元から意識しまくってたんだから女扱いになるか。

 

そして郁の側が自分に恋の勝算があるのか分からんのも分かる……www

今までまさしく脈アリなことが“いろいろあった”ワケなんだけどそこに特殊な事情が絡み過ぎてる……でもラブコメイベントが起きざるを得ない事件が起きまくってるのが逆にラブコメ適性高いんだよな、郁……( ̄▽ ̄)

あと今までの堂上が意地になってたのもあって女扱いしてないせいもあるwww(胸にレコーダー挟めないを遠回しにした発言が限りなく余計なお世話である)

 

そしてラブコメといえばの手塚と柴崎よ。

……いや、初めて読んだ当時も今も笑っちゃったよ……www えっ主人公カップルより先にそっちがキスしちゃうんだ!?!? っていうwww

更に柴崎の「魔が差した」発言。……あれ、もしや手塚ってヒロインだった……?ww

しかもそこで3回もキスした挙句その後しばら〜く進展はないのです。。。( ̄▽ ̄)

 

ここまできたら取り上げておきたい小牧・毬江ちゃんの2人。

……毬江ちゃんが……ホント成長したね……!!!✨T ^ T✨

毬江ちゃんってメインキャラからはやや外れると思っています。だって図書隊員じゃなく主人公の郁と直接接することがあんまりないから。

でも、たまに出てくる回でそこきっかけでまたひとつ成長したんだな、ってのが伝わってきてとても感慨深いです。小牧教官はもっと実感してるのでしょう。

小牧からもらったホイッスルを大事にして「1番大事なものをくれる人」と言えるのがこれまた愛おしいです(。-_-。)

 

というワケで本題へ(笑)。

当麻先生を守るにあたり稲嶺司令が出てくるのがめちゃくちゃうれしかったしまさかの稲嶺司令(すいませんもう司令じゃないけどどうしても司令呼びになっちゃう……www)が良化隊を引きつけてる間に堂上と郁と当麻先生が逃げるというのがアツ過ぎる!!!

稲嶺司令が誘拐された時は何が何でも守るぞ助けるぞという気概に満ちていたのが、今回は違って(これは郁の成長を象徴しているワケではなくて)彼だからこそこの危機的状況を任せられる、って信頼なんですよね。本物の地獄を知りそこから立ち上がった穏やかで苛烈な人。

そしてまた稲嶺司令も本当にやってのける。もうこの何もかもが格好いい。

 

そして(一応)特殊部隊ではないけれど格好いい立役者がもう1人。

……はいそれが柴崎ですね〜!!!www いや手塚の唇奪ったからとかそういうワケではなく( ̄▽ ̄;)

手塚慧との1対1のやり取りが強過ぎる。ホント柴崎って何でこんなに頭がいい上に度胸もあるの……!?!?(笑)

「歴史にあたしの名前が載るのよ」と軽く言ってのける強さに手塚慧と一緒に感服でした(笑)。

 

けれどそこからがバトンを手渡された(?)手塚慧の強さの発揮です。

立ち回りが巧い、まさしく広報向きである、などもさることながら、柴崎の「卑怯なことに対してフェアである」という評価に唸ってしまう。

これまで敵……という言い方までするのもちょっと違う、けれど味方とは言えない立ち回りをしていたキャラがここに来ていい意味での大立ち回り。すごい展開だ。

 

そして手塚はそうなってくれたことに本当はホッとしてるんだろうな。まだ素直にはなれないけれど(それも分かる(笑))。

郁が泣くぐらい心配していたので郁にとってもよかったな、と思ったり。

 

そんな郁が大成長(???)を見せるのが当麻先生と2人での大阪突撃‼︎‼︎(笑)

堂上が撃たれてしまったのはかなり辛いけれど(泣)、ここからは1人で守り切るんだ、って思いと、堂上のそばにいたい、連絡して無事を確認したい、って思いを死ぬほど我慢してるのがたまらんかったです。この人間くささと任務への真摯さたるや!!!

送り出す堂上がまたいいんだよな。郁のこと当麻先生のこと考えていて。そしてあれだけ過保護だった堂上が郁たった1人に当麻先生を託すのもものすごい変化を感じる。このバトンが渡される感じ、ホントいい。

 

そしてそこからの道中がかなり大好き‼︎www

郁がペーパードライバーでめちゃくちゃパニクりながら運転してるのがいいwww やっぱりここまでシリアスに寄らないの天才なのよ柴崎も言ってたけどwwww(※会議で堂上をブン殴った件)

当麻先生と2人でサク戦立てながら進むのがまたいい。当麻先生、もうすっかりアドリブもこなされるようになって(笑)

 

こういう、旅っぽくて不便な中でどうするか頭使ってベストを尽くしていく、みたいな過程昔から大好きなんですよね〜。

多分自覚したのは最近だけど小さい頃から大好きだったように思います。高校生の頃もこの旅路好きだったし(笑)。

 

そうして郁はやれる限りのことをし(そこにはタスクフォースへの支援要請も含まれます)、関西図書隊が当麻先生を保護。郁はやり遂げたのでしたー……!!!

マジでこの遠くで仲間がベストを尽くしてくれる感じとか、あぁ、関西でも同じように本を守ってくれている人達がいるんだな、って分かって、じんときます。当麻先生を逃がす為に一般の人達も手を貸してくれて……郁は1人だけど、1人じゃなかった。

 

そうして最後に訪れる恋の試練(笑)。

……うん、郁と堂上はお互い意識しまくってるからいいけど本来相手の合意なく唇を奪うは愛情表現じゃなく暴力ですからね……( ̄▽ ̄;)

ここで郁が「暴挙」と称して頭抱えてるのとか、あと某少女マンガで「勝手にキスするとか最低だからね」ってちゃんと怒られてるヒーローとか、そういう作品いいですよね……www キスを美談にしつつでも良くないことだからね、ってところまで言及するの。

柴崎は郁より暴挙じゃないですね、お互いどうでもいい存在じゃないって分かってるんで( ̄▽ ̄) 郁の場合は堂上が自分のこと好きかどうか分からないままやっちまってますからね👍(言い方)

 

まぁとにかく、郁がいつまで経っても見舞いに来ないからどんどん機嫌が悪くなる堂上教官……www わっかりやす……wwww

郁はここで決死の告白、ついでに王子様なのも知ってましたとカウンターまで食らわせるという( ̄▽ ̄) ……うん、ここでの堂上ちょっと意地悪だったから郁にその気はないけどいい意趣返しだったと思う……www

 

そしてこのほぼ直後からスタートするのが『別冊・図書館戦争』✨✨✨

結構こういうオマケってあんまりラストの直後からやらない印象があったので直後からやってくれるの親切だな‼︎‼︎ と今となっては思います(笑) 見たいとこ全部見せてくれるやん〜〜〜〜〜(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 

締めくくる前に、オマケの『プリティ・ドリンカー』について。

柴崎めっちゃ郁のこと大好きじゃん!!!!!!www

郁の前でそんなとこ全然見せないのに手塚の前では最早メロメロ全開。そして柴崎からしたら郁がかわいいのも分かるけどそんな柴崎もかわいい(笑)。

 

……そして今ふと思ったんだけど、柴崎のこと郁への矢印って何か男っぽいな……www

手塚を見ていて「もしかしてこういうのが男のやり方?」と思ったのがあるんだけど、1巻で郁が堂上にアンフェアに任務から外された時に、手塚は郁がいない時に堂上に「それは違うんじゃないか」とちゃんと言ってるんですよね。そしてそれを郁の前ではしないし郁にそのことを話したりしない。

もちろん手塚の場合は郁に恋愛感情はなく、でも彼なりに認めて折り合いもついていて。そういう、どうでもよくない相手に対する無自覚の愛情表現がこういうことなんじゃないかなと、今回読んでいて思ったんです。

そうして思い返してみると、例えば小牧教官も良化隊に連れて行かれた時に毬江ちゃんには秘密にしようとしてたなぁ、なんて。

 

とにかくそんなワケで、柴崎の笠原ラブは何だか男っぽいな〜、なんて今思ったのでした(笑)。

もちろん男性全員がそうとは限らないし、私の思うこの“男っぽさ”が本当に男によくあるものなのかはナゾですけど( ̄▽ ̄)

でも、女同士の友情(仮初であれ本物であれ)って好意を分かりやすく表に出す印象があるので、柴崎はそこからは外れるんだよな、と。

 

とりあえず手塚の今後の出費が心配過ぎるwww

 

そんなワケで、『図書館戦争』シリーズ本編コンプリート!!やったー!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

読み返しは一旦ここまでにしようかなと思います。別冊はいずれ(笑)。とりあえず読みたかったのは本編なので。

大人になって読み返してよかった、と思えました。改めて、この作品に感謝を。そして自由に本を書いて読める時代を、郁達が無事迎えられますように。私達の世界でもこの自由がずっとありますように。

 

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