165.『恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。6―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―』(永野水貴/TOブックス)

TOブックス

鞭展開度:★★☆☆☆
広がる世界:★★★★☆
あなたに会いたい:★★★★☆

【あらすじ】
「あなたはもう、ただの師じゃない――」
この脆く曖昧で心地の良い関係が崩れていこうとしている。決定的に。弟子の毅然とした視線に絡め取られながらウィステリアは思った。二人だけの異界での師弟関係が、元の世界に戻って変わらないわけがない。わだかまりを残して、王都へ戻るロイドと別れを告げる。彼には求婚した王女・アイリーンが待っていると言い聞かせつつ、当面の間はベンジャミンの弟夫妻のところに身を潜めることに。一方、はるか遠くで《未明の地》を巡って大きな渦が生まれようとしていてーー? あなたへの想いを胸に、今だけは別々の場所へ。孤独な元令嬢×天才肌の貴公子の師弟恋愛ファンタジー第6巻!

ものすっっっっっごく久々に恋した人はを浴びせてもらいました!! なんと約2年ぶり!!!(泣)

そしたらこの作品の面白さに改めて気付けたし、ここまで積み重ねてきたからこその今回でものすごく感慨深かったし、少しずつ何かが動き始めていていろんな意味でドキドキでした‼︎www

そんなワケで、恋した人はのありがたみを噛みしめながらの

 

以外ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

◯改めて気付けた『恋した人は』の魅力

この心理描写・情景描写の丁寧なこと!!!!!

頭の中に映像が流れてきますよね‼︎ 本当に、永野先生の頭の中にある映像を、その情報をできる限りつぶさに伝えているようで、瞬間瞬間をできる限り拾い上げているようで、その丁寧さに恐れ入ります。

しかもその情報は視覚的なものだけじゃない、匂いや温度、そして感情も。改めて永野先生の書く、いや描く文章が好きだなと思わずにはいられませんでした。

 

それと服装についてもかなり具体的に描写していてそこも読んでいて改めて楽しかったです(笑)。

 

そしてこの丁寧さだからこその“今”が本当に楽しい!!!😭

ウィステリアとサルティスだけの孤独な時間を、私達読者は一緒に体験してきたワケではありません。けれどもその正気ではいられない過去を丁寧に拾い上げ、ロイドが来てからの時間の中でもウィステリアの中には堪えられないほどの寂寥感があったことを忘れさせなかった。

人は簡単には変われない。1度壊れた心はもう元には戻れない。

ウィステリアにはたくさんの時間の積み重ねが必要で、それをエンタメの中でこの作品はやり遂げてくれた。本当にこの物語を綴ってくれた永野先生と送り出してくれたTOブックスさんに感謝です。

 

だからこそのこの6巻が感慨深い!!!!!!✨T ^ T✨

正直ルーシーとサリーとウィステリアの3人で話してるところで涙腺やられましたよ。・゜・(ノД`)・゜・。

何ですかあのかわいいやり取りは!!!! そうなの、ウィステリアにはこういう時間を過ごしてもらいたかったの!!!!!(泣)

何か挿絵の微笑ましさも相まってなおさら実感が湧いてきて……こんなにこみ上げてくるものがあるなんて自分でも思いも寄らなかったよ……😭

 

そしてロイドとの関係にも変化が!!!!!!

いや、少しずつ何かが降り積もっていくのは肌で感じていたんだけど、今回の“約束”はもう、大きな1歩でしょう!!!

これもウィステリアのあの失恋に一緒に心を叩き壊されて、未明の地でたくさんたくさん苦しんで悩んできたウィステリアを見てきたからこその!!この感動ですよ!!!

永野先生、本気で傷付けられた人の心の変化の速度をよく分かっていらっしゃる……見てるか何でもかんでも手っ取り早く恋愛にしようとする雑なエンタメもどきども!!!!!!

 

……という私の愚痴は置いといてwww、そんなワケで今回はこの作品の丁寧さを改めて実感し、素敵な物語に出会えてよかったなぁと改めて感謝したのでした(笑)

 

◯“卓越した人物”の描き方

それでいて、今回ようやく気付いた、というか言語化できたことがあります。

それが、“卓越した人物”について。

例えばロイド、例えばアイリーン、例えばイライアス。

 

彼ら目線で綴られる世界は視座の高い視点。同じ人間とは思えないほど崇高な何かを感じます。

けれど、例えば1巻で落ちていくロイドであったり、今回ロイドに裏切られた(!)アイリーンであったり、何も感じないワケではありません。

 

でも絶対に陳腐な言葉には収めない。

 

「この人も人間なんだな〜、傷付くんだな〜」と言うのは簡単だけれど、そういう言葉を使うんじゃなく。あくまで彼らにとってしっくりくる言葉を使う。そんな印象を抱きました。

 

そしてそれは彼らから何かを感じ取っている側も同じ。

今回はブライト目線でそれを特に感じましたね。ブライトから見たロイドは、ブライトが慎重に言葉を探して恐る恐る当てはめていってるような印象でした。

ウィステリアもロイドを陳腐な言葉に当てはめず、けれど崇拝するでもなく彼自身の心の音色をじっと耳を澄ましているような気がします。時に人間らしくかき乱されながら(笑)。

 

そして“卓越した人物”に限らず陳腐な人間目線もお手の物なのがこの作品。更にはウィステリアやベンジャミンといった人間らしい人間目線もね!ww

まぁ何が言いたいかというと恋した人は浴びてる〜〜〜〜〜!!!!! ということです👍←

 

◯アイリーンはそりゃ怒る!!!!!(汗)

コレは多分1巻あたりの感想で既に書いているんですが、アイリーンマジで何も悪くなくて同情の余地しかねぇなと( ̄▽ ̄;)

何というか、アイリーンとロイドが“矜持”で共鳴し合う2人ならロイドとウィステリアは“心”で振れ合う(触れ合うではなく)2人なんですよねぇ……。

だからロイドがウィステリアに純度の高い部分で惹かれたのはすごくよく分かるんだけど、ウィステリアを引き上げるなら本当にロイドしかいないんだけど、……もう何発か引っ叩いても許されるねアイリーン!!!(汗)

何ならこの後アイリーンが逆上してウィステリアを火刑に処そうとしても納得はできてしまうかな〜という……( ̄▽ ̄;)

 

あと、今回読んでて強く思ったのがこのロイドとアイリーンがお互いのことに限らず、少なくとも何人もの人と恋をしようとしてみたんだな、という。

孤高のロイドでさえそうなんですよね。……まぁ、今回明らかになった件は本当にブライトと同意であの令嬢が気持ち悪くて仕方ないんですが……。

アイリーンの方も、自分に相応しい人を求めて何人もと恋をしてみた。ウィステリアでさえ、ロイドは初恋の相手ではありません。

……まぁ、初恋を叶えてるのがロザリーとブライトなのかもしれないと思うと業腹なんですが……(小声)。

 

とにかく、「こんなイケメンが今まで女の影がなかったワケあるか!!!」とフィクションでもツッコんでしまう読者にも納得のいく道筋がきちんと引かれているのが面白いなと……(笑)。コレは最近朝ドラ感想見ててそこそこ見かける感想です( ̄▽ ̄)

そしてロマン溢れる中にそういうリアリティが混ぜ込んであるのが個人的には面白みを感じて好きなので、恋した人ははヒューマンだなぁ〜と感じ入っていたのでした(笑)。

 

……んで、話は戻してアイリーンですが、うぅん……アイリーンにとっての、本当の意味で最上の人がどうか現れるようにと祈るばかりです……( ̄▽ ̄;)

そしてロイドにちっとも嫌悪を抱けない自分の勝手さも身に沁みますよね……ブライトとロザリーのことはあんなに嫌悪したのに……ヒューマンだなぁ……(遠い目)。

 

◯そして忍び寄る不穏な影

分かってますとも、カタフニアのことですよね……と思った読了済みのみなさん。すいません、違います。

あっじゃあジェレマイアのことですかね……それも一旦置いといて。

 

ロイドが!!!! 「イレーネは今までの女性とは違う」みたいに言っていたのがヤバ過ぎる!!!!!(汗)(汗)(汗)

 

ここ読んだ時「ヤッベー……………………」て冷や汗ダラダラだったのは私だけではないハズ。いやもうみんなで今から冷や汗流しましょう。

コレ、ウィステリアの初恋相手、未明の地に行かせた決定打がブライトだったって知ったらロイドマジでどうなっちまうんだ……このセリフがなかったらまだブライトに激怒はするだろうなぐらいで済んでいたのにこの“期待”(本人は確信のつもりだし合ってるんだけど)が込められたらもう……絶対ウィステリアとの関係もこじれるやんけ……‼︎‼︎(頭抱え)

せっかくウィステリアは!! 湖のそばの家に行ったら事実だけを言おうって決めてたのに!!! ロイドに会いたいって気持ちも素直に受け入れられるようになってきているのに!!!!

クソッマジでここからどうなるんだ……しかも間男出てきよったぞどうすんだロイド……‼︎‼︎(間男て)

 

そんな間男(仮)、ジェレマイア。

正直ロイドがウィステリアとの別れ際「私以外の誰の目にも触れないなら(ウィステリアの行く場所は)どこでもいい」と言っていたのがものすごく沁みました……そうなんです、ウィステリアって魅力的な女性だしトラブルにめっちゃ巻き込まれるタチなんで人の目には触れない方がいいんです……‼︎‼︎(汗) ヤンデレとか独占欲が強過ぎるセリフあんま響かないタチなんだけどこのロイドの発言には全面同意せざるを得なかった(真顔)。

 

そしてそんなジェレマイアが怪しいけれどめちゃくちゃ魅力的というコレまた頭抱え案件!!!(汗)

……そうなんです、永野先生っていろんな方面の魅力的なキャラを描くことにおける信頼が高過ぎるんよ……!!!(頭抱え)

ぶっちゃけ乙女ゲームもやる身としてはこの方に乙女ゲームシナリオ書いてもらいてぇ〜って思います……知ってますか、昨今の乙女ゲームはめちゃくちゃ命懸けのどシリアス展開もあるということを……主人公の女の子もちゃんとキャラビジュがあって名前もあってきちんと登場人物してるんですということを……。(そういうのがかなり多めの印象)

乙女ゲーム製作陣永野先生にシナリオオファーお願いします、あと「乙女ゲームってこういうもんだから〜」って変なオーダーつけないでね!!シナリオにおける的確な指導ならいいけど基本的には永野先生のやりたいことやらせてね!!!

……という私の妄想はさておき。

 

あぁーーーーーお客様!!!! ロイドと別方向のイケメンな上に別方面に人柄も魅力的で更にその上弟子の立場まで上書きするのおやめください!!!!!(汗)

ロイドこれブチギレるんじゃねってポイントが貯まり過ぎる!! 困る!!! こちとらただでさえブライトが絡んでこじれる決定演出出ちゃってるってのに_:(´ཀ`」 ∠):

永野先生の作品は生身の人間がたくさん出始めてからが本番だと勝手に思っているので他にも頭抱え案件たくさんあるのに……クソッこのイケメンがぁぁぁ……!!!(※ただの褒め言葉)

 

それはそれとしてこのジェレマイア、きな臭いといえばきな臭い。

ガサクの人間というだけでベンジャミン視点も見てる我々からすれば「ん……?」案件だし、ウィステリアの瘴気を利用した術を見られてしまっているのもかなりマズイ。

何よりこのジェレマイアの手口、サイカがベンジャミンを口説き落とす(※恋愛じゃない)やり方によく似ている。

この2人が兄妹、みたいな可能性もあるし、その上でカタフニアの存在もチラつくしそもそもガサク自体の真意もどこにあるのか分からない。本当に、他国の脅威自体を初めて知ったところだからどうつながるのか分からない。それが怖い。

 

しかもそのジェレマイアがロイドと因縁がありそうというね!!!!!(汗)

これにはビックリ、今までロイド目線の中でそんなこと書いてあったか思い出せない……コレはきちんと読み返さないとダメなやつ……‼︎‼︎

まぁ因縁と言うほどジェレマイアはすごく気にしてるというワケではなさそうだけれど……。でもコレは絶対に重要な“点”で、いつかロイドという“点”と繋がっている。そう思わせるラストでした。

 

◯改めて感じた『恋した人は』の良さみ

……んで、さっき書くタイミングを失ったことをココでまた書くワケなんですが(笑)。

 

やっぱりこのきちんと修練も描く感じがたまらない。

 

努力や修行の描写が大好きで、しかもそれが魔法という夢のあるものの修練で!!!

それをきちんと入れてくれるところ、好きだなぁ……‼︎ と私の中でコレまた好感度がうなぎのぼりでした!(笑)

ウィステリアがロイドに転移を教えるのも然り、ウィステリアがサルティスにまた教わりながら魔法の修練をするのも然り。あ〜ファンタジー浴びてる〜って感じで喜びまくりでしたwww

 

◯新たな登場人物について

今回から本格的に登場人物が増えてきたなぁということで、多分恋した人ははここからが本番なんだろうなぁと……気を引き締めて参りたい……!!!

 

……んで、とりあえずキャラビジュのあったキャラズについての簡単感想をば。

まず、ジャクリーン。……め〜ちゃくちゃカッコイイ!!!✨ あぁいう格好いい大人の女性に胸のときめきが止まりません。女達に安全で稼げる仕事を提供しているというのがこれまた格好いい。

ルーシーサリー。ウィステリアの「久しぶりの雛鳥は可愛いだろ‼︎」がまさにその通り過ぎてwwwww でもウィステリアもセットでかわいいよ!!! 甘え上手のルーシーもあざとかわいいですが(笑)、おずおずとウィステリアに懐き出しているサリーもかわいくってしょうがない(。-_-。)

ジェレマイアについては、さっき述べた通り。

多分サイカあたりはその内挿絵に登場すると思っていますので、そちらも見るのが楽しみです(。-_-。)

 

〇恋は積もる

それからさっき「あーーーーーお客様!!!!」て頭抱えておりましたがwww、改めてロイドとウィステリアの恋模様が素敵だなぁと悶えてもいたワケで!!!

ウィステリアの「寂しくなるな」もすごく愛おしいしそれにロイドが「私もだ」って言うのが!!!! すごくいい!!!!!

 

というかこうして改めてロイドというヒーローを浴びた時(浴びたて)、「え、コイツめちゃくちゃカッコ良過ぎん???(真顔)」て今更ながらそのまぶしさに焼かれるというか。それでいて、主人公であるウィステリアとの釣り合いもバッチリ。良過ぎる。

 

そしてそんな主人公とヒーローがしばしのお別れ。この作品ならそれも結構かなり長い期間離れ離れなことを覚悟しておきます……。

でも、主人公とヒーローが離れ離れになってそれぞれの場所で頑張っているっての、すごい好きなんですよね。ウィステリアが「何かあったら駆けつける」って言っていたのもすごく素敵だったし、ロイドもアレ、ウィステリアに転移するつもりだな? っていう……www

離れていた分、再会した時の喜びと愛しさもひとしおになりますからねー(。-_-。) ……まぁでも、このロイドとウィステリアについては再会した時こじれる可能性も私の中で浮上してるワケなんですがねー……(遠い目)。

まぁ、そんな拗れが発生しても我々シリアス民は旨味を感じてしまうんでしょう。そんな気がする( ̄▽ ̄)

 

 

そんなワケで超久しぶりの『恋した人は』、め〜ちゃくちゃ楽しかったです✨

ウィステリアとロイドの関係に進展が見られる中、2人の仲を揺るがしそうな何かが予感させられていたりまったくの第三者の脅威も見え始め。。。

こちらの世界に戻ってきたことで今までとはまた違うジャンルを読んでいるような、新しい風が入ってきたようなワクワク感がありました!

今後も楽しく、そして時に震えながら(笑)読んでいきたいと思います!

 

余談。
マーガレットさん……ホントはいい人なんだね……www

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