鞭展開度:★★☆☆☆
霊感:ゼロ
ガッツ:★★★★★
【あらすじ】
霊感ゼロと生活力ゼロ、凸凹コンビの大正あやかし事件録!
時は大正10年。行方不明の姉を捜して帝都にやって来た家出令嬢、亜寿沙(あずさ)は、「あやかしなんていない!」「陰陽師なんて詐欺師!」という現実主義者。
なのにひょんなことからひ弱なスゴ腕陰陽師、維吹(いぶき)の弟子に抜擢され、さらには本物のあやかしに襲われて考えを改めるはめに!
生活力ゼロな維吹を見るに見かね、身の回りの世話をしながら彼と一緒に事件を解決していく亜寿沙。お調子者の雑誌記者、冷徹な帝国軍人にお節介焼きな仙人……。さまざまな人と出会ううち、亜寿沙は姉の失踪に凶悪なあやかしが絡んでいたことを突き止めて――。
霊感ゼロなら知識で倒す、型破りなおてんば娘と残念なイケメン陰陽師の事件録、ここに開幕!
面白かったー!!!(笑)
本当に妖が出てくるので和風ファンタジー好きとしてはたまらんかったし、主人公が特別な力があるとかじゃなくガチの霊感ゼロなのも新鮮で面白い!www
セオリーっぽくなりそうなところを彼ららしい理由で外していくのもとても楽しく、読み応えがありました。
以下ネタバレあり↓
◯どこか懐かしい、児童文庫の延長線のようなライト文芸
児童文庫というと、最近では角川つばさ文庫、青い鳥文庫、ポプラポケット文庫、などなど。
私が何故この作品を「児童文庫っぽい」と思ったかというと、
①主人公の「私」目線が地の文
児童文庫、こうした地の文がとても多い印象があります。こないだ本屋さん行っていろんな児童文庫パラパラめくってチェックしてみたので多分間違いありません!www
ライト文芸ともなるとこの語りは少なめなイメージですが、こちらは主人公ご本人様の(笑)語り。
そしてそんな
②主人公がおてんば!(笑)
……ということで、おてんば主人公の語りというと私の中ではらくだい魔女や魔法屋ポプル、サバイバーあたりが浮かびます。
それで私としては楽しい児童文庫みたいだな、って印象になりました。
けれど他にも、
③読みやすい文章!
かなりスラスラ読めました。大人が楽しめる読みやすさでありつつ、読書してる小学生も無理にがんばらずに読める、楽しめる文章なのではないでしょうか。
この時代ならではのワードの説明も分かりやすく、ふむふむと楽しくお勉強させてもらいました(笑)。
そんなワケで、私としてはどこか懐かしい気持ちも味わいつつ楽しませてもらってました(。-_-。)
◯この主人公、ガチの霊感ゼロ(真顔)。
主人公というと特殊な力を持っている子が多い中、この子はガチでそんなの分からないというねwww 別にホントはすごい力持ってるでも作中でも目覚めるでもなくwwww
それが新鮮で面白かったし、こういうの増えてほしいなって思いました。
それでいて亜寿沙はそんな陰陽師のオマケではなく、彼女は彼女で自分の頭で考え、行動することができる主人公。霊力がなくとも自分にできることをやっていくたくましい女の子というのがこれまた素敵でした。
それでいて、霊感も霊力もないこの子に何ができるの? 事件解決にかかわるのは不自然じゃない?? ってなるところを、
このひょろひょろ陰陽師、放っておいたらマジで死ぬ(真顔)。
で、ほぼ完璧に補完できているのがスゴ過ぎるwwwww 亜寿沙ちゃんの主張にいちいち説得力があってホント笑いましたwwww
そして霊力ゼロのありのままの自分であることに胸を張る。維吹さんに頼りっきりにならないで、ラドミールさんを追い詰める。勝利する。
それがこれまた格好良かったです。これまで出会って来た人外のみなさんのお力をお借りして。そして自分の中にある知識や経験を総動員して。
こんな子、手放せないに決まってる(笑)。個人的にはサトリに対抗したのもかなりの見ものでした。
さてそんな一方で、
◯この陰陽師、ガチで生活力ない(真顔)。
想像の10倍は生活力なくて「こ、これは……!!!」て目を見張りましたよwww これはホント亜寿沙いないとダメですwwwww
……うん、さすがにボウフラとか虫湧かしてるのには悲鳴出るかと思ったよね……私虫苦手だから本当にダメだわ……(遠い目)。
何というか、世捨て人という風情ですよね。優しいんだけど、陰陽師としては強いんだけど、普通の人間としての営みをどこかに置いて来たような。
でも牛乳寒天食べれてよかったな〜私も食べてみたい(。-_-。)
それでいて、全部読み終わると表紙イラストで「あっ!!!」てなりますよね……(ニンマリ)。
自分の力にリミッターかけてる能力者とか私的にはテンション上がります(`・ω・´)
本人の優しげな、ふんわりした雰囲気もとても好き……なんだけど、亜寿沙ちゃんからしたらコレも「いやいや美化し過ぎだから‼︎」てツッコまれるんだろーな……www
私は維吹さんから品のようなものを感じているけれど、品のある人はボウフラ湧かせたりしないか……うん……(遠い目)。
◯人外がたくさん出てきてアガるー!!!www
これはあくまで私個人の好みの話なんですが、人外が起こした事件⁉︎ ……と見せかけて人間がやってました〜は、人外見たい私としてはやっぱりシュンなんですよね(´・ω・`)
なのでこちらのお話はガッツリ人外が出てきてくれてテンション上がったー!!!
……そして改めて私はこういうファンタジーが好きなんだなぁと思いました(。-_-。)
個人的にお気に入りは志遠ですね!www
めっちゃ自由で楽しかったし女装の正当化がスゴ過ぎるwwwww
一時のキャラかと思いきや最後まで絡んでくれてうれしかったー(笑)。……ラドミールさん食べた後お腹壊してないかな?ww
あとはやっぱり玉響も気になるなぁ……!!!
人外は怖いトコあってなんぼと思ってるのでちゃんと怖くて大変よかったです👍
それと人外ではないんだけれど、思いがけず小泉八雲の息子さんに会えたのもうれしかったー(。-_-。)
今ばけばけ毎日の楽しみにだからさ〜(笑)。
そんなワケで、時は大正できちんとそうした時代背景を取り入れつつも、そこにファンタジーも絶妙に絡んできて大変楽しかった✨
◯劣等感、持ちつ持たれつ。
何事もテキパキしててガッツもあって(笑)頭もフル回転な亜寿沙、だけれどそれだけではなく。
お姉さんに劣等感がある子だったんですよね。個人的には行方不明の兄弟姉妹を探す主人公で相手に嫉妬していた、というのも新鮮でした。
それでいてそんな亜寿沙も濡れ衣を着せられるほどに劣等感を抱かれる。
ちょっと話はズレるんだけど、お賽銭の真実がめちゃくちゃ面白かったー……!!! そっか確かに神様に渡すお金を投げてるの普通に不自然だよね∑(゚Д゚)
この部分もかなり印象的でした✨
さて話は戻して、自分もまた嫉妬されていたことを知り、姉の気持ちを想像することができた亜寿沙。この流れがめちゃくちゃきれい。
そうして歩み寄り再会できた姉妹のやり取りにすごくホッとしたなぁ。。。亜寿沙もまた一皮剥けたというか。
……あと、どっちも変な男と結婚させられなくて本当によかったぁ……( ̄▽ ̄;)
亜寿沙がただ明るくなってたくましいだけじゃなくて、人間くさいずるさを抱えているのがすごくよかったです。やっぱそういうのが読み応えにつながるし、亜寿沙を“生きている人間”として見れるというか。
お姉さんも辛い過去──まだ過去とも言い切れないのか──を抱えていて、これから少しずつでも自分の幸せを広げていけたらいいな。
◯読み終えて表紙を改めて見れば、「あっ!」となる。
もう1回書いちゃうけどww、この仕掛けが楽しかったです!
シリアスな雰囲気の表紙イラストなら「何かあるんじゃないか⁉︎」と最初っから勘ぐるもののww、明るく楽しげな雰囲気の中でそれをやってのけててゆき哉先生、何て粋な……!!! と悶え転げておりました(。-_-。)
もしかしたら誰かの指示……なんて可能性もありますよね(笑)。渡森先生とか編集さんとか……!!!
楽しい仕掛けをありがとうございました(`・ω・´)
◯亜寿沙と維吹のナイスコンビ具合。
にしてもこの2人はホントいいコンビでしたねーwww
亜寿沙は一応弟子ってことにはなるんですが(まぁそれもウソなんだけど)、どっちかというと助手という気がしてきました(笑)。生活力のある子だからそっち面でもかなりサポートするんだけど何て言えばいいんだろう、あんまり奥さんっぽくないのがまたよかったですね。家事ができるからそこから評価されて仲良くなるんじゃなく彼女自身の人柄や努力(彼女の場合は自分の頭で考えて実行する力)やコミュニケーションで他者とつながっていく。
でもちょっと師弟関係やってもいるのか(笑)。
維吹さんが謎かけ? のようなものを出して、それを真剣に考える亜寿沙ちゃんっていう。悔しいから降参しないで粘る亜寿沙ちゃんがこれまたいい(笑)。
あと、2人ともちっとも恋愛脳じゃないのがこれまた良くてwww 特に
「あ、あのね、亜寿沙さん、相手が僕だからいいけど、そういう行為は慎んでくれないと!」
「お言葉ですけど維吹さん、相手があなたじゃなければやりません!」
のやり取りがホント好き過ぎるwwwww 維吹さんの言いたいことも分かるけど亜寿沙ちゃんの方がド正論過ぎてwwwwwww コレはホント名言で笑ったwww
あ、コレ亜寿沙ちゃんが維吹さんの着物剥ぐところね( ̄▽ ̄) ……亜寿沙ちゃん側の心情が完全に応急処置が必要な患者を前にした医者的なアレなんだよな……www
一応、ちょっとずつ距離が近付いてはいるんだけどね(笑)。その「ちょっとずつ」が心地いいし、まずは人と人としての信頼関係を築くってのが、やっぱりいい(。-_-。)
維吹さんは亜寿沙ちゃんに一生いろいろ叱られてそうだな〜と思う一方(笑)、亜寿沙ちゃんは亜寿沙ちゃんで維吹さんにはどこか敵わないんだろうな〜、なんて思えたり(笑)。
そんなワケで、楽しんで参りました『わたしと帝都の陰陽師』。
明るい話が好きな人にも読み応えのある話が好きな人にも楽しめる、絶妙な塩梅のお話だったと私は思います。あー面白かった(。-_-。)
これからも彼女達はドタバタをくり広げていくんだろうから(笑)、また会いたいところですね✨
余談。
葉山さん、あなたは亜寿沙ちゃんに一生メシ奢りなさい(真顔)。


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