鞭展開度:★★★★☆
魔術師の宿命:★★★★☆
天使の誘い:★★★★☆
【あらすじ】
「……ある意味で、現代の魔術師とは、天使を蒐集する職業だといってもいい」
『時計塔』。
それは魔術世界の中心。貴い神秘を蔵する魔術協会の総本山。
この『時計塔』において現代魔術科の君主(ロード)であるエルメロイII世は、とある事情から剥離城アドラでの遺産相続に巻き込まれる。城中に鏤められた数多の天使、そして招待者たちそれぞれに与えられた〈天使名〉の謎を解いた者だけが、剥離城アドラの『遺産』を引き継げるというのだ。だが、それはけして単なる謎解きではなく、『時計塔』に所属する高位の魔術師たちにとってすら、あまりにも幻想的で悲愴な事件のはじまりであった──。
魔術と神秘、幻想と謎が交錯する『ロード・エルメロイII世の事件簿』、いざ開幕。
何年も前に読んで面白かったこと(当時ブログはやっていなかった)、FGOで大好きなグレイたんがキーパーソンなイベストが来たこと(春の終わりに君を待つ)から、コレは読み返したい、そしてブログにも記録を残したい……‼︎‼︎ と思い、今回読み返しました。
初めて読んだ時は難しくってひぃひぃ言いながら読んでましたが(笑)、今はじっくり読みながらではありますが前より咀嚼できたように思います。やったね(。-_-。)
以下ネタバレあり(※FGOのことにも触れます!)↓
グレイたん目線で語られる物語とか最高か?(真顔)
私の中でグレイってⅡ世アニメやFGOでの印象が強いので、師匠のことを素直に慕っているイメージがあったんですよね。でもここだとまだそこまで関係性ができてないっぽいし、何なら師匠への評価が淡々と容赦ないwww 師匠の人間くさい善性を美徳とすら捉えてないようです。猫のエピソードがそうですね。そういった意味では、ルヴィアの方が師匠……ウェイバーの善性を理解しているように思います。
にしてもアニメでの0話のエピソードがここでの猫のことだったなんて……!!! アニメだとここから更に呪いと紐づいていたりして型月作品らしいワクワク感もありました。広げ方がすごい(。-_-。)
あと、ちょっと新鮮だな〜と思ったのが、この1巻にしてグレイと師匠の出会いから始まらないところ。
そこからちょっと時間が経ってるぐらいから始まってるんですよね。それが面白い。私が読んできたやつは大体1巻が“出会い”であり“始まり”なので、このあたり新鮮に思いながら読んでいました。グレイの力を山場まで秘匿する為の方針なんでしょうか? アニメを観ていなければ、彼女の秘密にかなり驚かされたことは間違いないです。
ちなみに私がグレイの秘密を知ったのはアニメ……ではなくまさかのFGO(笑)。アニメ0話を観た後に、FGOでフレンドさんがグレイを置いていたのでそれをお借りして宝具を使ってもらったら……いやアルトリアじゃん!!!!!!wwwwww
それで0話で師匠……いやウェイバーがグレイの顔を嫌うのに合点がいきました。(Fate Zeroは視聴済)
2人の出会いはまたいつかどこかで語られているのでしょうか? 読める日が楽しみです。こんだけシリーズ長く続いてるんだからどっかではもう語られていると信じて……!!!www
そんなグレイと師匠(と、アッド)で向かうは剥離城アドラ。
この小説を読んだのは何年も前でまだ天使にも興味が湧いてない状態でしたが、読み返している今現在はFGO奏章Ⅳ『人類裁決法廷トリニティ・メタトロニオス』を読み終えた後。いろいろと繋がりが見えてきそうでワックワクで読んでいました✨ 「リリス」って出てきてテンション上がったな〜(。-_-。)
天使という存在を魔術の器として利用する(……ということで合ってるかな?ww)というのも面白かったです。FGOで魔術設定が相当練られていて惹き込まれましたが、やはりこちらは小説とあってもっと深く深く解説してくれる。それが脳みそフル回転にはなりますが面白くって仕方ない。Ⅱ世の講義も受けてみたいな〜それはグレイたん弟子入りしててうらやましがられるワケだ(笑)。
にしても、あのウェイバーがロード・エルメロイⅡ世だと知った時の衝撃たるや。
Fate Zeroでウェイバーを知って、そこからどのアニメだったかでⅡ世を知り、2人が同一人物と知った時はホント驚きました‼︎www ……あの10代特有の痛々しさがありつつ、でもかわいくもあったウェイバーが……老け顔の偏屈男に……⁉︎⁉︎(※失礼)
ただ、先にZeroを観ていたので、そこが繋がればこの事件簿での彼の行動原理もいろいろと察しながら読むことができてコレまた実に楽しい。こういうの多くシリーズを出しているレーベルならではですよね。人によってはグレイ同様この師匠に何があったんだろう……と思いながら読んでいるワケで。人によって情報量が変わって見え方も変わる作品、何て楽しいんだ。
それからこの作品、さっき書いたように魔術解説も楽し過ぎるんだけどグレイ目線での様々な描写も楽し過ぎる……!!!
剥離城を「巨人の身体を内蔵ごと裏返しにして肌と肉を引き剥がしたかのような」と表現しているのではゾッとさせられましたね……‼︎
「天工が魂を注ぎ込んだとしか思えぬその美貌」「夜の闇をくしけずったようなその髪」など、美しさを表現する言葉が豊かで魅了されるのは言うまでもなく、けれどやはりここは魔術師の物語らしく恐ろしさ穢らわしさを表現する言葉は更にそれを上回る。怖いのに、穢らわしいのに、強烈な魅力を感じずにはいられない。
コミカライズで読んでいくのも検討していましたが、こうした言葉の数々を目にした後では「小説で読んでよかった」「これからも小説で読んでいこう」と思わずにはいられません。コミカライズもいつか読みたいけどね!www
それからグレイが実は死霊が怖くて仕方ない、というのが衝撃過ぎた。
これ、多分アニメでも語られてないかな。。。? 言われてみればそういう描写を入れていたような気もするけれど、アニメ観ていた当時は「死霊を怖がっている」と理解できていなかったと思います。これはアニメ観返してぇぇ……!!!
そしてまた怖がるのにも納得。死霊のことが“分かり過ぎて”しまうからこそ、恐怖を覚えずにはいられない。そしてだからこそ、滅ぼさずにはいられない。
それは彼女の“機能”としてなのですが、アニメだと本人が戦闘モードに切り替えているだけ、つまりは目の前の戦闘に集中するから普段と別人のように見えていると思っていたので、もっと巫女的なものと解釈してもいいのかな、と思いました。何かが憑依しているような状態、といいますか。アニメだとこの時瞳が普段とは違う、そしてアーサー王……アルトリアとも違うオレンジ色に輝きますが、これもその“機能”がオンになっていることを反映しているんじゃないかなと。さっき書いたような集中しているってより、もう1つの人格が前に出るって表現の方がまだ近いんじゃないかと思いました。
あと、彼女の属性が地なのは墓守だからなのかな……? お墓と地面は国にも寄りますがグレイの文化圏では切っても切り離せない関係ですもんね。ルヴィアが地なのは宝石といえば地面にある鉱脈に根付くものだからかな……?
さて、ここからは他の登場人物についても。
◯ルヴィア
……あのルヴィアが……ふざけていない……!?!? と思っていたら、解説で虚淵先生も衝撃を受けていたというwwwww
グレイ目線で語られる彼女の外面と内面の美しさ、誇り高さや圧倒的な実力に惚れ惚れとさせられました。ガンドってそんなヤバイものだったんだ∑(゚Д゚)
……本当にあのプロレス大好きなルヴィアと同一人物なんですよね?(真顔)
◯フリュー
最初から結構好印象なキャラでした(笑)。かわいげがあるって言うんですかね、最後まで生き残ってくれてうれしいです。剥離城に集められた魔術師の中じゃ戦闘力は低いようですが、それでも咄嗟に機転が利くタイプなようでそこも好感が持てます。
◯ハイネ
正直、彼は殺されないと心のどこかで思い込んでしまっていたので、初めて読んだ時殺されてめちゃくちゃショックを受けた思い出が……。ロザリンドという守りたい家族がいるから、生き残るだろうと思い込んでいたんですよね。そう都合のいい思い込みをしていたかったのかもしれません。
◯ロザリンド
愛する兄を信頼していた清玄に殺され、今後後継争いにも巻き込まれることになる……。「魔術師は生まれた時から魔術師」とは説明を受けていますが、それでもかわいそうだと思わずにはいられません。いつかまた出てくるのでしょうか。だとしたらその時、彼女はどのような変化を遂げているのか。
◯清玄
彼もまたかわいそうと言いますか……。自分の意志でハイネを殺したのではなく、彼の中に混ざる別の人格のせいで、ハイネを殺さずにはいられない、その魔術回路を剥がしたくて剥がしたくて仕方ない。彼自身はハイネを殺したくなかったハズなのに。元の人格だったのか、ロザリンドに優しく語りかけるところが印象に残っていただけにやるせないです。あと、そのシーンで感情移入していたからこそ彼が犯人だなんて思いもしなかったというか……。これは作者さんの巧妙な罠にハマったと言わざるを得ません(笑)。
あと、てっきりグレイのロンゴ・ミニアドに殺されたのかと思えば生きていたんですね∑(゚Д゚) 今後彼が救われることは、果たしてあるのか。。。
◯オルロック老
フリュー同様前半の時点で割と大好きなキャラでしたが(こういう老獪な感じもたまんないです、Ⅱ世を面白がってるのも面白い(笑))、最後の方でまさかの人間くささのようなものが見えてかなり印象深かったです。
魔術師としてはゲリュオン・アッシュボーンが“まとも”なのかもしれない。そう頭では分かっていても、例え生まれついての魔術師であっても、許せない、耐えられないことはある。
オルロック老が死んでしまったのは正直悲しかったんだけど、魔術師に生まれたからにはまずないハズの“満ち足りた死”だったようにも見えました。
あとは蝶魔術が美しくて好きでしたね✨ でも、その摂理はかなりグロいんだろうけども。。。
◯化野菱理
アニメ先に観てゴリゴリに生きてたのでこっちだと第一死者でビックリしましたよ!!!!!!(汗)
あれ? もしかしてアニメと小説は違う世界線をやってる?? と大混乱に陥ったものです(笑)。言うなれば「食えない女」でありますが、そこに彼女にしかない魅力が濃密に香っているのもまた事実。彼女も油断はできないけれど好きなキャラクターです。
そしてアニメでも法政科が厄介な存在らしいことは何となく感じていたけれど、どう厄介なのかが小説でガッツリ語られててようやくいろいろ腑に落ちました。
……こうやって見ると出てきたキャラクター大体好きになってるな?www
師匠ことロード・エルメロイⅡ世については、やっぱりこういう人間くさい努力の凡人キャラクターって好きだなぁ、と思いました。
FGOの主人公といいこの事件簿といい、そういう“普通の人間”の描き方がほんと好きなんだよなぁ。特別過ぎる何かがあるワケではない、でも確かな何かがあって周囲の特殊過ぎる人間達が惹かれる、もしくは嫌悪するのも分かる、という説得力。飾り過ぎない言葉で確固たる意志をストレートに口にするからハッとさせられる。本人は自分を特別だとは思っていないけれど、そこには確かにその人たる芯がある。どれだけ言葉を尽くしてもこうした主人公達の魅力は語り尽くせません。
更にはこのロードの場合、知識の蓄えとそこからの考察等に貪欲な姿勢も知性を感じさせてたまりません。教えることに長けているのもすごい。これはホント教わりたい。そして魔術師からしたらそうした神秘を剥がさんとする師匠はそりゃ脅威だろうなと。本人にそうした悪意がないのがまたタチが悪いのかもしれません。
そして“あの光”を今なお胸に宿し、夢が夢のままであることに胸を焦がしながらも、胸を張って生きている。人間らしく、人間くさく、そして彼にしか灯せないものを持っている。最高に格好悪くて、格好いいじゃないですか。
もちろん、グレイの不思議な魅力にも虜になっています。
元々大好きでしたが、これはどちらかというと“属性”という外側の話。見た目が好き、雰囲気が好き、声が好き、普段の大人しそうな感じもそのギャップとなる戦闘時の切り替えのエグさも好き、などなど。
今回小説を読み返したことで彼女の内面に深く触れ(それでもまだまだ深淵には届いていないと思いますが)、改めて好きだなぁと思いました。ひとつひとつの描写に感受性の豊かさを感じ(彼女がただものじゃないからそれだけ敏感に感じ取れるって意味かもですが)、また普遍的な美徳とはまた違う美徳も感じました。ますますこの子のことが知りたくなってしまいます(笑)。
師匠に対して容赦ないのもいいしww(毎回「うん。」ってうなずくぐらいには的を射ている……( ̄▽ ̄))、アニメだと「師匠」と読んではいるもののグレイは弟子というよりはお世話係兼護衛では……? と思っていましたが、こうして小説で読んでみると師匠はちゃんと師匠してるしグレイはグレイで勉強不足を指摘されると「う」ってなってるのが弟子っぽくて微笑ましかったです。自分のことを「頭が悪い」と恐らく自虐ではなく彼女なりの冷静な判断で思っているようで、そこに逆に彼女の知性を感じたりもしました。……私はグレイが頭悪いとは思ってないんだけどね……🤔
あと、めっちゃ犬系美少年避けてて笑ったwwww セリフだけでもう分かるヤバさwwwww
それから今回、改めて思ったのが「ハウダニット」ではなく「ホワイダニット」で考えろ、というのが面白いなと……!!!
魔術師らしさ全開でありつつ、推理モノ大好きな人には新鮮でさらに刺さるんじゃないでしょうか。型月作品知らずとも読んでみてほしいですね✨
そんなワケで、今回楽しく読み返させてもらいました✨
これはもう読み応え満点で続きも買ってく決定です。次が上下巻に分かれてるみたいなんですが、コレはやっぱり一気に買った方がよろしい……?🤔
何はともあれ、また魔術の講義を受けられるのが楽しみです☺️
余談。
グレイがよくやるアッド振りは、師匠考案だったのか……?www


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