196.『ウタヨミ! 呪いの百人一首を封印せよ!』(七海まち/角川つばさ文庫)

角川つばさ文庫

鞭展開度:★★★☆☆
集結!:★★★★
歌を楽しむ:★★★★☆

【あらすじ】
わたし西園(にしぞの)ヒメ! ある日、町にねむる呪いの百人一首を呼び覚ましちゃった!?次つぎと巻き起こる、奇妙な事件。解決のカギは、百人一首の歌にこめられた「昔の人の思い」――?謎のクール男子・東堂嵐(とうどう・らん)くんにせまられて(!)、ヒミツのかるた部で事件を追うことに!<おまえの力がないと、闇札は封じられない>――って、ちょっと待って! どういうこと!?だってわたし、百人一首の知識――ゼロだよ!?時を超える和歌がいろどる、運命の学園物語★

百人一首は今まで本当に触れてこなくて(学校でカルタすらなかったぐらい)、ここ数年で分かりやすい本で読んでみたぐらいの知識でした。お気に入りの和歌は現代語訳と一緒にメモアプリに残しています(`・ω・´)

……と、そのくらいの知識だったので「勉強させていただきまーす✨」と飛びつきましたwww 呪いの百人一首とか和風ファンタジー好きの血が騒ぐしイラストもかわいらしい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

そんなワケで、楽しく読ませていただきました!

 

以下ネタバレあり↓

 

 

 

 

 

和風ファンタジー好きとしては凝った設定と意外性(※個人的には!)がたまらんかった……!!!

もうね、冬希ちゃん並みにテンション上がっておりましたよwww 冒頭の封じ手の家に伝わる秘伝書からして没入感がすんごかったし、作者さんの公式Xのサキヨミ紹介動画で封じ手4人の紹介を観た時も「……春夏秋冬じゃん……‼︎‼︎」とアガりまくり。

春夏秋冬をモチーフにした作品を自分の中で増やしていきたいな〜ってのがあって、『烏に単は似合わない』『春夏秋冬代行者』の2作のみから思いがけずこれは『ウタヨミ!』も追加できるじゃん……‼︎‼︎✨ と(笑)。

そして百人一首に限らず和歌に季節は欠かせないからそりゃ季節と繋げるか、と大納得。

 

それでいて、個人的にはその春夏秋冬の配役が意外性があって面白かった。

春→東堂嵐、夏→南戸清史郎、秋→西園ヒメ、冬→北泉冬希

……なワケなんだけど、ヒメちゃんは春っぽいけど秋でもまだ分からなくもないとして、自分にも他人にも厳しくあまり笑わない嵐君が穏やかであたたかなイメージのある春なのが意外だったし、活発で明るい冬希ちゃんが夏じゃないのも驚きだったし、優しげで大人な南戸先輩が夏なのもかなりビックリ。

個人的には、名前の字面を考えなければ

春→ヒメちゃん、夏→冬希ちゃん、秋→南戸先輩、冬→嵐君

のイメージだった。

今まで四季をモチーフにした『烏に単は似合わない』『春夏秋冬代行者』も、季節のキャスティングが「まさに‼︎」な印象だったので、『ウタヨミ!』のこの意外性は新鮮で面白かった。……まぁ、あくまで私の思う季節の印象だから、人によっては「いや、どれもピッタリだと思ったかな?」て人もいるのかも(笑)。そんなところにまで思いを馳せられるのも楽しい(。-_-。)

 

それから数珠とか、そこから封じ手のアイテムに変わるのとかもアガるよね〜✨ 鈴も大活躍で良き(。-_-。)

個人的にはやっぱ錫杖ってやっぱいいよな……!!! と思いつつ、冬希ちゃんが薙刀で風なのもめっちゃカッコイイし南戸先輩が虹色の砂なのが新鮮で惹き込まれ、ヒメちゃんの「歌詠みの姫」らしいアイテムに惚れ惚れ……(。-_-。)

ヒメちゃんの巻き物については、CCさくら世代なのでそういう意味でもはしゃいじゃったよねー! www 今まで封印してきた敵の力を使いこなせるはカッコえぇのよ……(。-_-。)

 

あと、気になるのは着物(単かな?)。

ヒメちゃんが制服の上に着物羽織ってるイラストは見てたものの、「あ〜こういうイラスト好きなのよね〜☺️」とのん気に惚れ惚れしていた私……www 和洋折衷っていうか、ストーリーを表してるような衣装がたまらんというか。

そしたら作中での実際の格好だったという‼︎‼︎wwww

そんで、この着物の効力については全然分かってないよね……? もちろんただ着ているだけなんてことはないと思うので、今後の気になるところ。

 

あと和風ファンタジー好きとしては、各家を表すのに

春を司る東堂家。秋を詠む西園家。夏を守る南戸家。冬を統べる北泉家。

……と、この表現がたまらなーい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

この、それぞれ違う動詞を使ってるのがやっぱいいんだよね(`・ω・´)

それでいてこうして改めて見ると「秋を詠む」西園家の特異性が浮かび上がるというか……🤔 初見の時はこの雅やかな表現に惚れ惚れしていたんだけど(※それは今もしてる)。

他3つは割と動詞の意味が似てるんだけど、「詠む」だけは空気感が全然違う。でも「詠む」ことで守護しているワケだから結果的に他3つと同じとも言える。う〜ん深い🤔

 

ではその今代の「歌詠みの姫」ヒメちゃんについて。……そういえば封じ手4人の中でこの子だけカタカナなのも何かあるんかな?🤔(考え出すと止まらない……www)

お母さんとの思い出に百人一首があったり、その影響で不安になると百人一首を唱えたりと、百人一首との繋がりがとても素敵な女の子だと思いました。……お母さんが亡くなってるのは悲しいけど……ヒメちゃんの中にある思いがあたたかい……✨😭✨

正直、私はそんなヒメちゃんに危ういものをあまり感じていなかったんだけど(「何でもできるお母さんに対して自分は何もできない」みたいに言ってるのが少し気にかかったくらいかな……)、

 

ヒメちゃん、「わたしは『お母さんのいない人生』を生きていい」と、卒業を決意します。

 

……いやこれエラ過ぎない!?!?www 正直亡くなったお母さんに依存し過ぎてるようには見えないし、まだそういったものに甘えてたっていいんじゃないかな、まだ中学1年生になったばっかりだよ、と思っていたら、まだ全然間に合う、引き返せるその段階でお母さんにとらわれてた自分を自覚してすぐに手放せるんですよ、この子は!!!!! これはもうスゴ過ぎて笑うしかない(笑)。

それだけ嵐君の指摘が刺さったってことなんだろうけど、本当はもうあとそのひと押しさえあれば立ち上がれるほど、その言葉を心のどこかで待っていたのかもしれない。

……と、まぁきれいにまとめてみたけれど、あまりにも危機的状況でオロオロしてるヒマがなかったってのも、絶対あるよね……www 叩き起こされた感はハンパない( ̄▽ ̄)

 

あと、百人一首を唱えることをやめたかったり、最後の方で唱えなくなってることにホッとしてるヒメちゃんでしたが、個人的にはそれはあってもいいんじゃないかな、と思います。

むしろ不安になった時に自分が安心できる手段を確保していることは大事なことのように思います。自分が何に不安を感じやすいか、を測る物差しにもなるワケだし(笑)。

何なら、大人になってもそういった手段が分からなかったり、それどころか自覚できていない人も少なくない数いるんじゃないでしょうか。なので私個人はヒメちゃんのこの癖を肯定していたいな、と思います。心を落ち着かせる手段が何の道具もいらず、誰にも迷惑かけないやり方ってのがまたいいですね✨

 

それから思いがけず“アイデンティティの確立”をしたのは嵐君も。

彼もまたすごい子ですね。この間まで小学生だったような子が、「感情は無駄」と切り捨てられていたんですから。何と言えばいいんでしょう、それを実行できてしまっていることこそが「強過ぎた」というか。逆に脆いからこそそんな極端な思考になれたんじゃないかとか。

嵐君については家庭の事情があまり明かされてないので(ご両親が亡くなってるのだけでもかなり重いけど……)そうなった要因はその内分かってくるのかな、と思います。

でも、それが明かされずともヒメちゃんの「歌と人に寄り添える心」を肯定できた嵐君は強い子だと思います。これは、本当の意味で。

 

では、今回出てきた百人一首について。

君がため は〜→これ私が読んだ百人一首の本だと恋の歌じゃない説なんだよねwww 若菜を摘んで贈るのは女性から男性が一般的だったこと、またこれを詠んだのが天皇であることから自分では摘んでいないだろうことからこれはその天皇が自分の重臣(名前忘れちゃった💦)に贈った歌なんじゃないかなといったことが書かれていたと思います。要は政治的な繋がりを示唆している、みたいな。そのせいでこの和歌はヒメちゃん達と一緒にひたることができんかったという……私の中でこの歌はもっと現実的過ぎる歌だったんだ……www
にしてもヒメちゃん、「衣」を天ぷらの衣だと思ってたのかわい過ぎて笑っちゃった wwwww でも、意味を知らず音を楽しむからこその楽しみ方だと思うし、そうして記憶に定着するんだからいいことだとも思う。

ひさ〜→大学時代、好きな百人一首を取り上げよう的な課題があってこれ取り上げてる人めっちゃ多かったし、私もパラパラ見た中ではまぁコレかなってテキトーに選んだ思い出……www こうして改めて読んでみるとすごいいい歌だしテキトーに選んだことが申し訳ねぇ( ̄▽ ̄;)⇩とにかく、私の中ではメジャーな歌という印象。1巻でこれはニンマリ。

ちはやぶる〜→とにかくこの和歌の描写が大好きで、出てきてくれてこれもニンマリ。紅葉と水を合わせた表現がきれいだなと。でも呪いの効力は恐ろしかったなぁ……!!!

あらし〜→これは今回ハズレだったので、いずれ出てくるということになるのかな……? その時は脅威になりそうだな、とウタヨミを通すと緊張感ある和歌に思えてきたり(笑)。

解説でヒメちゃんが最後に(教えてくれてありがとう、嵐くん!)まで書いてるのがめっちゃいい子……✨😭✨

にしてもみんな決まり字まで覚えてんのスゴ過ぎん?(真顔)

 

じゃああとは各キャラについて簡単に。

ヒメちゃん→そりゃ身近に何でも並以上にできる人がいたら(お母さん)「自分は何もできない」って考えに自然となるよな〜と😅 お母さんから卒業すると決意しつつ、でもお母さんとの思い出もまた自分の一部なのだという柔軟さを早くも発揮してて改めて「スゴイなこの子!?!?」となりました www

嵐君→出たな生真面目男子!!! ……と思っていたら想像以上の頑なさストイックさ‼︎‼︎(汗) 甘いもの好きらしいのがかわいい。首の鈴もかわいい。

冬希ちゃん→活発戦闘狂女子(言い方)が冬なの最高ですね‼︎ 今後の掘り下げが楽しみです。頼もしいムードメーカーというイメージ。

南戸先輩→何故か彼のことだけは「先輩」呼びしたくなるという……www(もちろん私の方が年上) こちらも掘り下げが楽しみなキャラ。春・秋で結ばれたことがある件について「じゃあヒメちゃんとは親戚だね」と言うところがとても好感度高かったです。

伊瀬さん→ヒメちゃんがこの子と友達になれてよかった‼ まさか和歌や短歌つながりもあろうとは……!!! この子の作った短歌が素敵で好きだなと思いました。あと、そのクラトって人に婚約者がいるってことは結構年上なのかな。

ヒメちゃんパパ→お母さんを亡くしてヒメちゃんももちろん辛いけれど、お父さんだって辛いだろうしでも娘を育てていかないとってだけでも大変だろうにヒメちゃんが封じ手になってしまうしで1番悲しみの置き場を失くしてないか実は心配しています。自分が一応大人になったからこそ出る発想だな、これ。

スミト→今んとこ嵐君と仲がいいのか悪いのか決めかねてる人物……www 果たしてケンカするほど〜なのかガチなのか。そもそも何についてケンカしてるのかも分かってないという。ヒメちゃんパパが彼に対してピリピリしているので実はお母さんと3人で三角関係だったりした? と邪推している。

そういえば児童書ってこういう子どもが特別なミッションをこなす時大人にはナイショの印象強かったけどこれはきちんと報連相してて新鮮ですね(笑)。

 

呪いの百人一首は何故、どうやって作られたのかとか、春と秋の家が掟を破ったことでどんなことが起きたのか、そもそもあのカラスは何だったのか!?!? などなど、まだまだ分からないことがたくさんなので、そのあたりもまたいつか分かるといいな!

百人一首への愛とリスペクトが詰まった素敵な作品でした(`・ω・´)

 

余談。
そういえば『サキヨミ!』ってタイトルの児童書もあったよな~って思ってたら、同じ作者さんだったのか!www

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